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HondaのRQがNSXに乗って中嶋 悟率いるNAKAJIMA RACINGに挨拶にいった

2022年04月09日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

サーキットで必要なものが詰まった倉庫
パーツからホスピタリティーまで!

1階奥の倉庫部分。大型のフライトケースがズラリ!

レース中に使う車載ドリンクが入ったケースも

 休憩時間が終わったので浅見さんは再び作業へ。一方、取材陣一行は本間さんとともに社内見学を再開です。続いて訪れたのは1階の倉庫。「ここにレースで必要な機材などが一式あります」ということで大型のフライトケースがズラリ。フライトケースには、パーツごとに整理整頓され、必要な部品がすぐに取り出せるようになっています。ここら辺もまた長年のチーム運営で得たノウハウなのでしょう。ちなみにコッソリ動かそうとしましたが、動かせる重さではありませんでした。

 写真はすべてレーシングカーに関するものですが、別の場所にはテーブルや椅子といった、ホスピタリティーに関する物もあります。クルマも含め、これらを毎回サーキットに持ち込んで現地で使い、レース後に片づけ、トランスポーターに載せて帰ってくる。しかも遠くは九州から御殿場まで……。引っ越し業者も裸足で逃げ出す荷物の量と移動距離に言葉も出ません。

「これオトクなんですよね! 私も買ったことがあります」と、マイクロファイバータイルを指さす唯さん

ジャッキやタイヤ専用の台車、掃除機といったものもレースでは必要な道具です

 倉庫の中は、どれもスペシャルなものばかり。ですが中には市販品も。唯さんが見つけたのはコストコやAmazon.co.jpで見かけるというお買い得のマイクロファイバータオル。「これ使っているんですよ。とてもオトクなんですよ!」と本間さんに力説する唯さん。

レーシングカーを含めて、これらの荷物がこのトラックに積載されるとのこと

 そんな唯さんの頭に「レースの走行距離によって、持ち込む荷物は変わるんですか?」と素朴な疑問が。本間さんによると「走行距離によって私たちがサーキットに持ち込む機材の増減はありません。変わるのはタイヤの本数だけです。ですがタイヤは現地でダンロップさんが組み付けてくださいますので、大変なのはダンロップさんですね。長距離レースになればなるほど、消費するタイヤの本数は増えますから」。

ホイールを保管している倉庫

中はSF/GTのホイールがいっぱい!

 ホイールは別の倉庫に保管されていました。「毎年、スポンサーであるホンダアクセスさんからホイールを供給していただいています」とのことで、取材日の数日前に新しいホイールが届いたのだとか。このホイールのデザインが、S660をはじめとする純正用品ホイールのデザインにも使われたのは、クルマ好きなら有名な話です。「ホイールは、新品を予選やレースに使い、ある程度距離を使ったらチェック用や雨用に回します」だそうで、その使用年数はおよそ3~4年とのことです。

過去の走行データも保管
データエンジニアは女性も活躍

過去のデータを収めたファイル

 イマドキのレースは、車両にセンサーを取り付けて解析をするテレメトリが当たり前。このデータを解析される方を、一般的にはエンジニア(もしくはデータエンジニア)と呼ばれていて、データとドライバーの意見をもとに、メカニックがセッティングをします。NAKAJIMA RACINGでは比較的早期から、このシステムをレースに持ち込んでいたそうです。ということで、次はデータエンジニアさんの部屋にお邪魔しました。部屋には、過去のマシンのデータもしっかりファイリングされ保存されていました。

データエンジニアさんのデスク

 パソコンはすべてEPSON製で、もちろん年配の方もいらっしゃいますが、若い方が多いことに驚き。その中には女性の姿も。彼女は大学で流体力学を学ばれていたのだそう。クルマやバイクがお好きで、レースの世界で働きたいとNAKAJIMA RACINGの門を叩いたのだとか。画面を映すことはできませんでしたが、この日はSUPER FORMULAのデータを解析されているとのことでした。なお、後日開催されたSUPER GTの公式テストでは、彼女と中嶋監督がデータを見ながらディスカッションしていました。

レースはこのような裏側も知るともっと楽しい!
いよいよ来週シーズン開幕!

本間さんと記念撮影

 こうしてNAKAJIMA RACINGを回った唯さん。「開幕戦が待ち遠しいですね」とソワソワしながら「レーシングチームって、もっと敷居が高いと思っていたんですよ。現場だと結構ピリピリされているし。でも皆さん本当にフレンドリーで私を暖かく迎えいれてくれました。それがすごくうれしいですし、私も今年1年、このチームを応援する勤めをしっかりまっとうしたいと思います」と、気を引き締められていました。「こうして裏側を知ると、レースを見る目もまた変わりますし、もっと面白くなりますね。1台のマシンを走らせるのに、これだけ多くの人が関わり、そしてマシンは人々の夢を乗せて走ることを実感しました」。

 そして「実際にサーキットに来て、そのマシンが走っている様子を見てほしいですね。そのスピードや迫力はすごいですし、コースの外でも色々と楽しめますし」と満足気の笑顔。本間さんも「サーキットは遠い場所にありますが、テレビではなく、実際に体験してほしいです。百聞は一見にしかずではありませんが、その音や姿を体験するとその後の見方も変わりますから」とコメントしてくださいました。

NSX-GTのエンブレム。その前にはNAKAJIMA RACINGのロゴが貼られています

 今年のSUPER GTは4月16日の開幕戦(岡山国際サーキット)を皮切りに、全8戦が予定されています。64号車のModulo NSX-GTを応援しに、そのマシンを応援する新 唯さんの姿を見に、会場に足を運んでみてはいかがでしょう。

 最後にModulo NSX-GTのカーナンバーが64である理由を唯さんから教えていただきました。「これは中嶋監督が1989年のF1オーストラリアグランプリでファステストラップを記録したのが64周目だったことにちなんでつけられているんですよ」。勉強になりましたね!

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添える。

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