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「PLATEAU CONNECT Session 04」レポート

都市の3Dモデル化が、街づくりに与える影響とは?

2022年04月29日 08時00分更新

PLATEAU CONNECT Session 04開催
都市の3Dモデル化は、街づくりにどう影響する?

 現実の都市空間を3D都市モデルとして再現する国土交通省のプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」。そのPLATEAUを軸に、さまざまな領域の有識者が参加して、都市空間データを利用した新しい事業創造を社会全体で惹起していくためのトークセッションイベントが「PLATEAU CONNECT」だ。

 第4回、Session 04の議題は「3D都市モデル×都市のデジタルトランスフォーメーション」。PLATEUをはじめとした3D都市モデルやビッグデータ、IoTデータの整備が進む中、デジタル技術は都市設計にどのような価値をもたらすのか。

 ゲストとして一般社団法人CiP協議会 理事長で、慶應義塾大学特別招聘教授の中村 伊知哉氏、アクセンチュア株式会社 ビジネス コンサルティング本部 ストラテジーグループ マネジング・ディレクターの藤井 篤之氏、東急不動産株式会社都市事業ユニット 都市事業本部スマートシティ推進室室長 一般社団法人竹芝エリアマネジメント事務局長の田中 敦典氏、日本電気株式会社 スーパーシティ事業推進本部 シニアエキスパートの佐々木 康弘氏が登壇し、それぞれの事業内容を紹介するとともに、3D都市モデル×都市のデジタルトランスフォーメーションという今回のテーマに関する見解を示した。

一般社団法人CiPが運営、竹芝のデジタル集積特区

 中村 伊知哉氏は一般社団法人CiP協議会の理事長として、竹芝の街づくり構想を担ってきた。竹芝エリアには、スマートビル「東京ポートシティ竹芝」を中核とした、産官学連携型のデジタル集積の特区が築かれている。

竹芝エリアは、スマートビル「東京ポートシティ竹芝」を中核とした、産官学連携型のデジタル集積の特区になっている

 コンセプトは、「コンテンツ×デジタル産業の拠点」だ。研究開発、人材育成、起業支援、マッチングのサイクルを繰り返し、新たに生まれたテーマを再び研究開発に結びつけるというサイクルをテーマのひとつとしており、研究からビジネスまでを一気通貫で行える街として、2020年に街開きをしている。

中村 伊知哉氏が、竹芝エリアの構想初期に手書きしたというメモ。研究開発、人材育成、起業支援、マッチングのサイクルを繰り返し、新たに研究開発テーマを発見し、ビジネス創出につなげるというエコシステムが築かれている

 中村氏は、複数の都市が集まった“超都市”である東京と、名古屋、京都など国内の大都市との連携を進めるとともに、ソウル、バルセロナ、上海など国外の大都市とも協定を結び、ハブ形成を推し進めていることを紹介。都市との“横展開”を引き続き進めつつ、メタバースやデジタルツインといった要素を取り込む、“縦への展開”を取り入れる設計も進んでいることを明かした。

スーパーシティ構想。すでに実装されている技術もある

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