サイコム「Silent-Master NEO Z690/D4」をレビュー
本当に動いてる?Core i5-12400&RTX 3060搭載ゲーミングPCが生活音よりも静かだった件
我々がゲーミングPCに求めるもの、それは「ゲームにおける性能」だ。そして、ゲーミングPCの性能はほぼCPUとビデオカードで決まる。ゆえに、PCの予算の大半はCPUとビデオカードに費やす人が多い。しかし、そのために犠牲になるものも少なくない。例えば、PCケースのファンや電源ユニット、CPUクーラー、ストレージといったパーツはコストカットの対象になりがちだ。
また、スペックシートには出てこない、実物を見なければわからない部分の完成度にも差が出てくる。組み立てコストもその1つだ。デスクトップPCの組み立て手順は、よほど特殊なPCケースを使わない限りはほぼ同じ。そのため、ネジの数を減らす、裏配線を活用しないといったことを行なえば、それだけ組み立て工程や時作業間が短縮するので、コストが圧縮できる。
もちろん、組み立てを簡略化しても性能は変わらない。しかし、昨今では20万円を超えることも珍しくないゲーミングPCなのに、こだわりのない組み立てでコストカットされていると考えると、心情的には少々引っかかるものがある。また、長期的な視点で見れば、エアフローの最適化が施されていなければ、各種PCパーツの劣化が早まるとも考えられる。
そして、最も犠牲になりがちな要素、それは「静音性」だ。熱伝導を司るヒートパイプなどの金属部分の作りが安く、冷却性能が低い廉価なCPUクーラーは、それを補うためにファンが高回転になりやすい。ファンの回転数が上がればそれだけ騒音が大きくなるため、高負荷時は掃除機かと思うほどの轟音になり、作業に集中できないPCになる。
「ゲーム中はヘッドフォンをかけるので騒音は気にならない」という人もいるかもしれないが、同居人がいれば不興を買うこと間違いなしだ。また、こういった騒音が大きいPCは「寝ている間に動画のエンコードを行なう」といった用途に使いづらいという問題もある。
それゆえに、静音性はゲーミング性能と同じくらい重視する人も少なくない。今回紹介するサイコムの「Silent-Master NEO Z690/D4」は、そういったゲーミングPCの騒音問題とは無縁の1台だ。まずはゲーミング性能を決定づける主なスペックから見ていこう。なお、試用機は標準構成からメモリー容量のみをアップグレードした仕様となる。
Silent-Master NEO Z690/D4 | ||
---|---|---|
標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
CPU | インテル「Core i5-12400」(6コア/12スレッド、最大4.4GHz) | |
CPUクーラー | Noctua「NH-U12S」(空冷、120mmファン、サイドフロー) | |
マザーボード | MSI「PRO Z690-A DDR4」(インテルZ690、ATX) | |
メモリー | 8GB×2、DDR4-3200<メジャーチップ・8層基板> | 16GB×2、DDR4-3200<CENTURY MICRO製、メジャーチップ・8層基板> |
ストレージ | Crucial「MX500 CT500MX500SSD1」(500GB 2.5インチSSD、SATA 3.0、システムドライブ) | |
光学ドライブ | ASUS「DRW-24D5MT」(DVDスーパーマルチドライブ、SATA) | |
ビデオカード | MSI「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」(GeForce RTX 3060、12GB GDDR6) | |
電源ユニット | Cooler Master「V650 Gold - V2 MPY-650V-AFBAG-JP」(650W、80 PLUS GOLD) | |
PCケース | Cooler Master「Silencio S600」(ATX、ミドルタワー) | |
PCケースファン | Noctua「NF-A14 FLX」(140mm)、Noctua「NF-S12A FLX」(120mm) | |
OS | Microsoft「Windows 10 Home 64bit」 | |
直販価格(2022年4月5日時点) | 22万600円 | 23万5290円 |
週刊アスキーの最新情報を購読しよう