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横浜市「第20回 横浜ベンチャーピッチ」レポート

不動産売買や施工現場のDX推進から指輪型IoTデバイス 横浜ベンチャーピッチ

2022年06月28日 06時00分更新

 3社目は、親子のホームオーラルケアに関するIoT商品を開発や製造、販売するTemari。手持ちの好きな歯ブラシに取り付けられるIoTデバイス「シャカシャカぶらし」とアプリを組み合わせることで、「適切なエビデンスのもとにオーラルケアを可視化し、楽しく継続して習慣付けられる」という。

アプリを組み合わせることも可能

 アプリはゲーム性を備えるほか、大学と開発したアルゴリズムを搭載。デバイスと連携して歯磨きを可視化し、磨き残しなどがわかるようになる。さらに、蓄積したデータから、歯磨き状況のレポートやアドバイスなども提供される。そのほか、デバイスは可愛いクマのデザインなども特徴となる。

 シャカシャカぶらしによって、親はオーラルケア教育をサポートしてもらえるうえに磨き残しもわかるようになり、「育児が楽になる」というメリットが生まれる。子供にとっては、楽しくやる気を醸成してもらうことができ、自主性の育成や正しい歯磨きの習慣化につながると考える。

Temari 代表取締役 歌野真理氏

 4社目は、DNAやタンパク質などの生体分子を部品として創生される「分子ロボット」で、ナノスケールのロボットによる医療の可能性に挑んでいる分子ロボット総合研究所。現在はNEDOプロジェクトで研究、開発を進めており、2027年までの実用化、2030年までの市場投入を目指している。

 直近の目標としては、AIとVRを活用して設計サイクルを大幅短縮する「VR共創環境」や、ATP駆動の微小管分子ロボットで発電する「化学エネルギー発電素子」、DNA分子ロボットによる細胞表面の分子を識別する「ナノスケールマニピュレータ」に取り組んでいる。

 なお調査レポートによれば、分子ロボットの市場は2031年に8億600万ドル規模となり、年率18.5%で成長していくと予測されていると同社は説明する。さらに分子ロボット総合研究所が、その市場におけるキープレイヤーの1社として挙げられているそうだ。

分子ロボット総合研究所 代表取締役 博士(工学) 小長谷明彦氏

 5社目は、指輪型IoTデバイス「SOXAI Ring (ソクサイ リング)」を開発や製造、販売するSOXAI。SOXAI Ringによって睡眠状態を正確に測定することで適切な睡眠改善に繋げ、睡眠に起因する経済損失の削減等、日本の睡眠課題を解決することを目指している。 

 SOXAI Ring、心拍数や心拍変動、SpO2(血中酸素飽和度)、体温変動、活動量などを取得でき、睡眠と目覚め状態の判別精度の高さが特徴。鬱レベルのスコアリングや血圧推定なども可能となっている。今後の展望としては、2022年7月以降の一般販売を予定するほか、2025年頃には国内医療機器認証の取得も視野に入れる。

SOXAI Ring

 計測にはスマートウォッチなどのウォッチデバイスがすでに多く存在しているが、「睡眠時の着用が負担」や「睡眠の時間や質の測定精度が低い」という弱点が存在する。一方、指輪型であれば「24時間の着用でも違和感がない」ほか、SOXAI Ringは既存のウォッチデバイスよりも「高い測定精度を出せる」そうだ。

SOXAI 代表取締役社長 渡邉達彦氏

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