週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

スタートアップ向けセミナー~スタートアップ企業に必要な知財人材と体制~ by IP BASE

スタートアップにおける知財担当採用の重要ポイントとは

2022年02月25日 09時00分更新

知財部門の位置づけは?

木本 会社のポリシーによって違うかと思いますが、知財部門と経営者や事業部門との関係、距離感はいかがですか?

 知財部門がどこに配属されるかはけっこう難しい問題です。現状は、法務知的財産本部に知財部門があるのですが、研究組織の下に置いたほうがいいのではという意見と、知財戦略的には社長室直下に置いたほうがいいのではという意見もあり、この3つのどこに置くのかは常に議論になります。現在は、部門間連携で、研究・開発・デザイン部門と事業部門、知財戦略部門の三位一体をテーマに定期的にCTOとラボの研究所長、知財部門長とでミーティングしており、知財戦略と経営戦略がブレないようにしています。

橋本 弊社はまだ規模がそこまで大きくないので、経営層との距離感も近く、事業サイドや開発サイドの情報もシェアされ、そこから掘り起こして、知財化していく形です。坂さんの話を聞いて、今後、規模が大きくなってきたら、定例の会議を通して認識のすり合わせをしていかないといけないな、と思いました。

中村 現在はCEOが自ら関わり、私はそのサポートについています。弊社の株主であるグローバル・ブレインの弁理士の方にもサポートいただいています。今度採用した知財専任者には経営戦略本部に入っていただく予定です。位置づけとしては、経営管理と開発の中間にある部門でして、戦略立案行う部門となります。

市川 弊社の知財部は、事業部にもコーポレート部門にも属さず、独立した部署となっています。事業部にくっつくと攻め寄りになりますし、コーポレート部門に近いと守りになってしまう。今はこの位置がバランスとしていいのかなと思っています。

安高 知財部をどこに置くにしても、経営、事業部とうまく連携が取れることが大事で、それがやりやすいのがスタートアップの魅力だと思います。規模が大きくなってもその体制を維持できるか。あるいは体制ができているうちに、どこまで成果を出せるか。

鎌田 経営者と知財部門で意思の疎通ができている会社は、きちんと知財戦略を実行できています。経営者がコミットしないと、計画が良くても実行されず、成長につながらない。定期的に経営者と話し合いをすることは大事だと思います。

LeapMind 株式会社 知財担当弁理士 市川 茂氏

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この特集の記事