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優れたパフォーマンスでビジネスシーンをリード!

AMD Ryzen™を搭載したPCが法人向け市場で熱い注目を集めているワケ

2022年03月11日 11時00分更新

 企業の情報システム部門やIT部門の担当者にとって、従業員が業務で利用するPCをどのように選ぶかは常に頭を悩ませる問題だ。とくに昨今はテレワークなどの新しい働き方が浸透してPCに求められる役割や利用シーンが変化し、従来の選定基準が実情に合わないものになりつつある。たとえばノートPCの場合、以前のような外出時のバッテリーライフよりも、マシンに負荷がかかりやすいオンライン会議やマルチタスクなどを快適に行える性能の高さが求められるようになってきている。

 そうした中、今ビジネスの現場で注目を集めているのがAMD Ryzen™ プロセッサーを搭載したPCだ。

 もともと性能が高くマルチタスクに強いプロセッサーとして人気のあったRyzenだが、AMD Ryzen 5000 シリーズの登場でその評価がさらに高まり、ビジネスユースへの導入が加速しているのだ。なかでも主力の「AMD Ryzen 5600U モバイル・プロセッサー」は、スーパーコンピューターにも採用されている「Zen 3」コア・アーキテクチャーを6つも内蔵しており、その性能の高さは折り紙付き。コストパフォーマンスにも優れ、官公庁や、阪急交通社など大手企業でも同プロセッサーを搭載したPCの導入が相次いでいる。

 ここでは、ビジネスシーンにおけるAMD Ryzen プロセッサーの優位性とともに、同プロセッサーを搭載した具体的な製品を取り上げ、その特徴や実力を紹介していこう。

AMD Ryzen 5600U モバイル・プロセッサーを搭載した「HP ProBook 635 Aero G8」

ビジネスシーンで導入が進むAMD Ryzen プロセッサー

 AMDのプロセッサーは、PCだけでなくサーバーやスーパーコンピューターなどさまざまな分野で採用されている。最新の家庭用ゲーム機にも同社製カスタムチップが搭載されており、実は想像以上に身近な存在。コンシューマーPC市場では以前から人気があったが、2017年にパフォーマンスが大きく向上した「AMD Ryzenシリーズ」が登場してからは法人向けPC市場でも注目度が高くなった。

 そのAMD Ryzen の中核をなす技術がAMD「Zen 3」コア・アーキテクチャーだ。製造プロセスの微細化やコアあたりのパフォーマンスの向上、電力消費の低減などによって、競合する他社製プロセッサーに迫る性能を実現して大きな評判に。初代が登場したあと「Zen+」、「Zen 2」と世代を経るごとに性能が大きく向上していき、2020年には4世代目に当たる「Zen 3」が登場。従来から得意としていたマルチスレッド性能だけでなく、業務アプリなどのパフォーマンスに影響するシングルスレッドでも競合プロセッサーを上回る性能を見せ、評価を決定的なものにした。

 現在主力の「AMD Ryzen 5000 シリーズ」は、その「Zen 3」コア・アーキテクチャーを採用。最大8コア16スレッドで動作し、L3キャッシュは前世代の倍の容量を搭載している。省電力化も進んでハイパフォーマンスとロングバッテリーライフを高いレベルで両立しているのが特徴だ。

 ビジネスユース向けには、マルウェアの攻撃からハードウェアレベルで保護する「AMD Shadow Stack」や、メモリー内のデータを暗号化して保護する「AMD Memory Guard」などの強固なセキュリティ機能を備えた「AMD Ryzen Pro 5000 シリーズ」もラインアップ。高性能と低コストの両輪で法人向けPC市場でも一気にシェアを拡大しているのが現状だ。

ビジネスに求められる性能をすべて備えた「HP ProBook 635 Aero G8」

AMD Ryzen 5000 シリーズを搭載した「HP ProBook 635 Aero G8」。軽量で丈夫なマグネシウムやアルミ素材を使用して1kgを切る質量を実現している

 そんなAMD Ryzenプロセッサーを搭載したノートPCのなかでも、ビジネスユースにぜひおすすめしたいのが日本HPの「HP ProBook 635 Aero G8」だ。性能の高さだけでなく、気軽に持ち運んで使用できる軽量ボディと堅牢性の高さ、コストパフォーマンスのよさをすべて兼ね備えているのが特徴だ。

 実際に製品を手に取ると、まずその軽さに驚く。それもそのはず、13.3インチの液晶ディスプレイを搭載しながら、最軽量時の構成で999gという1kgを切る質量を実現している。しかもボトムケースやトップカバー、キーボード面にマグネシウムやアルミ素材などを使用することで、オールメタルならではの上質で洗練されたデザインと堅牢性の高さも両立。さらには、LTE-Advanced対応の4G LTE内蔵モデルも用意されており、Wi-Fiが使用できない場所でもデータ通信を行ってメールやソーシャルメディアのやりとりを行うことができる。そのため、自宅やオフィスだけでなく、取引先や移動中の電車、カフェ、コワーキングスペースなど、あらゆるシーンで活用することが可能。ここ最近、リモートと出社を組み合わせたハイブリッド型のワークスタイルが増えつつあるが、そうした新しい勤務形態にも柔軟に対応できる。

 もちろん、AMD Ryzen 5000 シリーズがもたらすパフォーマンスも魅力的なポイント。「AMD Ryzen 3 5400U」、「AMD Ryzen 5 5600U」、「AMD Ryzen 7 5800U」の3種類のプロセッサーを搭載したモデルがラインアップされており、用途に合わせて選ぶことができる。いずれも前世代に比べて処理性能が大幅にアップしているだけでなく、同世代の競合プロセッサーをもしのぐパフォーマンスを実現。それでいて最小構成時に8万6680円(税込)~という価格に抑えており、コスパのよさは圧倒的といっても過言ではない。

今回試用したモデルにはAMD Ryzen 5 5600U プロセッサーが搭載されていた

 このほか、ディスプレイはサイズが13.3インチ、解像度がフルHD(1920×1080ドット)で、見やすく映り込みが少ないノングレア液晶パネルを搭載。スリムベゼルの採用により画面占有率86.2%を実現しており、没入感が高く作業画面に集中しやすいのも好印象だ。内蔵のステレオスピーカーと、AIがコンテンツに応じて最適な音質で再生してくれる「HP Dynamic Audio」の組み合わせは、在宅ワークでBGMを流したり、オンライン会議に参加する際にも活躍してくれる。

13.3インチのフルHDノングレア液晶ディスプレイを搭載する。スリムベゼルで没入感が高いため、作業画面にも集中しやすい

「HP Dynamic Audio」機能の画面。AIがコンテンツに合わせて自動で音質を最適化してくれる。手動でプリセットを選んで適用することも可能だ

 ちなみに製品名の「Aero」は空気や航空機などを意味する言葉で、そこには「困難を軽やかに乗り越える」という想いが込められているそうだが、まさに空に浮かぶ航空機のように軽く、強く、速く“目的地”に運んでくれるのが「HP ProBook 635 Aero G8」だと言えそうだ。

過酷な耐久テストをクリアした「Made in TOKYO」の高品質な筐体

 日本HPは、1999年に東京あきる野市に国内生産拠点を設け、PCのCTO(注文仕様生産)をスタートした。その後、昭島市を経て2016年に日野市に移転し、現在は同市の生産工場と物流センターを統合した「東京ファクトリー&ロジスティックスパーク」にてカスタマイズと受注生産を行なっている。

製品には「Made in TOKYO」のシールが貼られて出荷される

 同社が一貫して「Made in TOKYO」にこだわるのは、品質と即納性を重視しているのが大きな理由だ。ユーザーに近い場所で生産することで、そのニーズの変化や要望にいち早く応えることができる。また、万一トラブルが起きた場合でも迅速なサポートを行うことが可能。とくにPCの故障や不具合で業務を滞らせるわけにはいかない法人ユーザーの場合、品質や納期、サポート体制は安心感や信頼感につながる大切な部分だ。

 今回取り上げた「HP ProBook 635 Aero G8」も、もちろん東京で生産されている。それだけでなく、徹底的に品質にこだわり、故障率を低減する取り組みを行なっているという。

※一部のモデルは海外生産。

 たとえばボディ素材はキーボード側はマグネシウムが使用されているが、CNC精密加工によってマグネシウムの塊から削り出した繋ぎ目のないユニボディになっている。そのため、たわみや曲げに強いのが特徴。また天板はアルミニウムが使用されているが、アルマイト(陽極酸化)処理を行うことで耐食性や耐摩耗性を高めており、長期にわたって美しい外観を保つことができる。

CNC精密加工によってマグネシウムの塊から削り出した繋ぎ目のないユニボディを採用

 耐久テストは、落下や耐衝撃、振動、粉塵、湿度、温度など米軍調達基準(MIL-STD-810)に準拠した19項目をクリア。それに加え、1モデルあたり12万時間以上に相当するHP独自の品質基準テストも実施し、コネクターの疲労やキーボードの耐久性、梱包時や使用時の振動、衝撃など多岐にわたる項目が厳密にチェックされているという。

天板はアルマイト(陽極酸化)処理が施されたのアルミ素材が使用されている

 このほか、外箱は100%、キーボード面は90%、トップカバーは50%という具合に、積極的にサステナブル素材を使用する取り組みも行なっており、環境負荷の低減に貢献しているところも評価できるポイントだ。

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