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フルモデルチェンジで3列目シートが大復活の三菱「アウトランダー PHEV」を高速と一般道で乗り比べ

2022年02月02日 17時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

ボディーは大きいが運転しやすく静か

 「運転席からの見晴らしがすごくイイですね」というわけで、大きなボディーのワリには運転しやすい雰囲気。「剛性感がありますね。シッカリしている」ということで、新シャーシの恩恵は乗り味に貢献。ライバルの何に似ているかというと、安定感、重厚感、そしてやや硬質な乗り味ということでBMWのX3やX5に近い印象。これに静粛性が加わるから凄い。BMWのX3やX5も静かなクルマですが、さらに上を行き、ロードノイズすら聞こえないと言ってもよいほど!

 同行スタッフは「このクルマ、どこのタイヤを履いているんだっけ?」「確かBSのエコピアですよ」「あれって縦剛性が強いしロードノイズも結構するよね」というわけで、本当にエコピアなのかとタイヤを疑いはじめる始末。静かさの理由は、車両の一部に貼り合わせガラスを使っているから。他車でも貼り合わせガラスを採用が増えてきましたし、その恩恵は感じていたのですが、EVだからこそ一層恩恵を感じるのでしょう。

 EV車らしくトルクが太いのも美質で、音もなく加速していきます。足の遅さというのは皆無で、乗り心地の良さ、静粛性、パワフルさで、「これでスタンダードモデルが460万円ってバーゲンじゃないですか! 電気も使えるし、最強のロケ車ですな!」「あとは2列目シートが完全にフルフラットになって車中泊ができたら最高なんだけどね」とスタッフ大絶賛。そんな声を聞いた唯さんは「なんか、今日は珍しく絶賛しますね」とスタッフを茶化します。EV車ですから、街乗りに便利なワンペダル動作にも対応しています。そこで使ってみたところ、ちょっと回生動作が強いようで、慣れていないとガクガクしがち。「日産リーフの初代も、こんな感じだったなぁ」などと昔を思い出すスタッフたち。

 高速道路に乗ってMI-Pilotを体験。この手の運転支援をあまり使ったことがない唯さんは「なんかハンドルが勝手に動いて怖い!」とのこと。最初は違和感ありますが、慣れてくるとホントに手放せない機能になるんですよ。特に遊びや仕事帰りの疲れた時に、この機能があるとないでは大違いです。乗り心地、静粛性、運転支援によって、ロングクルーズは快適そのもの。ニクイネ、三菱!

 続いて走行モード切替でターマックをチョイス。「うーん、よくわからない」ということで、一般道や高速道路では違いは感じづらい様子。これは恐らくサーキットやワインディングで楽しむものでしょう。

 このようにアウトランダーPHEVは、SUVとかクロカンというよりサルーンカーといった様相で、後席は快適そのもの。一方で3列目シートの必要性については、スタッフが単身者ばかりということもありますが、やや疑問。その事を三菱の担当者に伝えたところ、言われ慣れているのか認識はしている様子。その上で「ボディーサイズをあまり変えないままジェネレーターの小型化で3列目ができたんです」と技術面を強調していました。個人的には3列シートをつけるなら、機械を小さくするより、マツダ CX-8のようにロングホイールベース化した方が実用的でよいのでは? と思ったり。

 というのも、ボディーサイズがエクリプスクロスPHEVの4545×1805×1685mmに対して、4710×1860×1740と一回りしか変わらないから。もっともクーペスタイルとクロカンスタイルという外観の違いはあるけれど、3列目の有無以外、一般の人には商品の差別化がしづらいので、全長5m越まで伸長し、より明確な差別化を図っても良かったかもしれません。

 そう思わせるのは、アウトランダーPHEVがSUVというよりサルーンに近い静粛性と快適性を備えているから。例えば後席を豪華装備にした4人乗りのラグジーな仕様があったら、かなり魅力的な1台になるでしょう。それに車幅で1.9mを超えてくると「一般道だと、ちょっと運転しづらいなぁ」と思いますが、全長で5mあっても「車庫入れでの切り返しが面倒」という程度で、普通に走っている分にはストレスはそう多くないはず。途中でBMWに似ていると書きましたが、そう思えるほどのクルマだからこそ、もっとラグジュアリーSUV路線に振ってもよいのかなと感じた次第です。

 ともあれ、クルマとしての完成度はさすがの一言。イクリプスクロス PHEVも「結構イイナ」と思っていましたが、アウトランダーPHEVは流石フラグシップ、三菱スゲーと感心し、また欲しいと思うSUVが出てしまったことを告白します。

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 栃木県出身10月5日生まれ。2020年に小林唯叶としてモデルデビュー。2020年シーズンのSUPER GT「マッハ車検GAL」をはじめ、SUPER FORMULA、スーパー耐久シリーズのレースクイーンとして活躍。2021年4月の芸能事務所プラチナム・プロダクションへの移籍に伴い新唯に改名。現在ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技の勉強中。

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