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600nitに100万対1の超高コントラスト!

「ASUS ZenBook Pro 15 OLED」実機レビュー = 8コアRyzenに有機ELでビジネスにも最高だ

2022年01月07日 11時00分更新

 ASUSは、AMDのRyzenプロセッサーを採用した15.6型有機EL搭載ノートPC「ASUS ZenBook Pro 15 OLED」を2021年12月中旬に発売した。

 8コア16スレッドによるハイパフォーマンス、有機ELディスプレーならではの高画質に加え、10点マルチタッチ対応ディスプレーとすることで多様な利用スタイルに対応。また画面占有率約87%の狭額縁仕様により、厚み19.65mm、重量約1.855kgのボディーを実現し、モバイル用途にも活用できるマシンに仕上げられている。高速処理、高画質、モバイル性のすべてを求める方にぴったりなマシンなのだ。

ASUS JAPAN「ASUS ZenBook Pro 15 OLED」15万4800円~

今回は「Ryzen 9 5900HX」を採用する上位モデル「UM535QA-KY212WS」(直販価格21万9800円)を借用した

CPU、メモリー、ストレージ、オフィスアプリで異なる3モデルを用意

 ZenBook Pro 15 OLEDには下記の3モデルが用意されている。

・UM535QA-KY212WS(直販価格21万9800円)
 Ryzen 9 5900HX/RAM16GB/1TB/MS Office

・UM535QA-KY213WS(直販価格19万9800円)
 Ryzen 7 5800H/RAM16GB/SSD512GB/MS Office

・UM535QA-KY214W(直販価格15万4800円)
 Ryzen 7 5800H/RAM8GB/SSD512GB/WPS Office 2

 Ryzen 9 5900HXは8コア16スレッド、3.3~4.6GHz動作、Ryzen 7 5800Hは8コア16スレッド、3.2~4.4GHz動作。メモリーは16GB版がLPDDR4X-4266、8GB版がLPDDR4X-2933を使用。ストレージは1TB、512GBのどちらもPCI Gen3 x4接続だ。

 このほかのスペックはすべて共通。ディスプレーは、15.6型フルHD有機EL(1920×1080ドット、グレア、最大輝度600cd/m²、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比1,000,000:1、色深度約10億700万色、リフレッシュレート60Hz、応答速度0.2ms、PANTONE認証、TÜV Rheinland認証)を搭載。ディスプレー上部には92万画素赤外線(IR)カメラが内蔵されている。

 インターフェースは、USB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery、映像出力非対応)×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×1、3.5mmコンボジャック×1、HDMI 2.0×1、SDメモリーカードスロット×1を用意。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 5(11ac)、Bluetooth 5.1をサポートする。

 本体サイズは356.7×239.5×19.65mm、重量は約1.855kg。バッテリーは大容量96Whのリチウムポリマーバッテリー(6セル)を内蔵している。

 高速処理、高画質、モバイル性が高次元でバランスしている本製品だが、スペック的に残念なのがUSB Type-C端子がUSB Power Delivery非対応なこと。出張や旅行の際には、実測456.5gのACアダプター(電源ケーブル含む)を携えていく必要がある点には留意が必要だ。

カラーはパイングレー。アルミニウム合金製のシャーシは米国軍用規格「MIL-STD-810H」に準拠している

本体底面。冷却機構は、3本のヒートパイプと2基のファンで構成

ディスプレーの仕様は15.6型フルHD有機EL(1920×1080ドット、グレア、最大輝度600cd/m²、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比1,000,000:1、色深度約10億700万色、リフレッシュレート60Hz、応答速度0.2ms、PANTONE認証、TÜV Rheinland認証)

キーボードはテンキー付きの103キー日本語キーボード。画面の部分キャプチャー、ウェブカメラのオンオフ、システムの瞬時ロックなどのホットキーが用意されている

本体前面(上)と本体背面(下)

右側面(上)にはUSB 3.2 Gen2 Type-C×1、3.5mmコンボジャック×1、電源端子×1、左側面(下)にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×1、HDMI 2.0×1、SDメモリーカードスロット×1を配置

ディスプレーの最大展開角度は実測135度。またディスプレーを開くとキーボードに角度がつく「エルゴリフトヒンジ」機構が採用

パッケージには本体以外に、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類(必ず初めにお読みください、ユーザーマニュアル、MyASUSのちらし、製品保証書、Office Home & Business 2021ライセンスカード、i-フィルターのちらし)が同梱されている

ACアダプターのコード長は実測177cm、電源ケーブルの長さは実測91cm

ACアダプターの型番は「A18-150P1A」。仕様は入力100-240V~2A、出力20V 7.5A、容量150W

本体の実測重量は1848g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測456.5g

焼き付き保護機能により、有機ELディスプレーを安心して利用できる

 本製品を実際に使って印象的なのは15.6型有機ELディスプレーの高画質だ。最大600cd/m²の高輝度、100万対1の高コントラスト比により、鮮やか、かつ立体感を感じさせる画像、動画を表示可能だ。ただし、有機ELディスプレーの高画質というメリットをわかっていても、いわゆる「焼き付き」により画質が劣化することを気にされる方は多いだろう。

 ASUSの2021年末発売の有機ELディスプレー搭載ノートPCには、画質を最適化する特別なスクリーンセーバーを利用する「ピクセルリフレッシュ」、静止画像が継続的に表示されないようにピクセルをわずかに移動する「ピクセルシフト」、タスクバーを自動的に非表示にする機能、タスクバーの半透明化を有効にする機能など、有機ELディスプレーの焼き付き防止機能が実装されている。

 これらの機能がどのぐらい効果があるかは現時点では未知数だが、少なくとも他社製有機ELディスプレー搭載ノートPCよりも安心感があることは間違いない。

最大600cd/m²の高輝度、1,000,000:1の高コントラスト比により、鮮やか、かつ立体感を感じさせる画像、動画を表示できる

実測したDCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は115.4%

有機ELディスプレーを保護するために、画質を最適化する特別なスクリーンセーバーを利用する「ピクセルリフレッシュ」、静止画像が継続的に表示されないようにピクセルをわずかに移動する「ピクセルシフト」、タスクバーを自動的に非表示にする機能、タスクバーの半透明化を有効にする機能などが用意されている

ディスプレーは10点マルチタッチ(静電容量方式)に対応。Windows 11のジェスチャー操作なども利用できる

 テンキー付きの103キー日本語キーボードは、キーピッチが18.7mm、キーストロークが1.35mm。ダイビングボード構造のタッチパッドの面積は実測105×73mmだ。テンキーを搭載しているぶんキーピッチはやや狭いが、打鍵感は良好。またタッチパッドもストロークは浅めで、気持ちいいクリック感が与えられている。

 もちろんバックライトが内蔵されており、明るさは3段階に調整可能。テンキーのあるなしは好みが分かれるが、フィーリングという点では多くの方に好まれると思う。

キーピッチは18.7mm

キーストロークは1.35mm。キートップには0.1mmのくぼみが設けられている

キーボードバックライトは3段階で明るさを調整できる

ダイビングボード構造のタッチパッドの面積は実測105×73mm

 92万画素赤外線(IR)カメラには、従来よりもシャープな画質と正確なホワイトバランスと彩度を実現する「IRカメラアルゴリズム」が採用されている。もともとASUS製ノートPCのウェブカメラの画質はよかったので、そこからどのぐらい進化したのかは今回比較できなかった。しかし、本製品で撮影したウェブカメラの写真はたしかに明るく、自然な発色で撮影できている。

 本製品には、クアッドマイクに独自の「ASUS AIノイズキャンセリングオーディオ」が組み合わされており、双方向にノイズキャンセリングを利用可能。高画質なウェブカメラと相まって、いまだ機会の多いビデオ会議を快適に利用できるはずだ。

ディスプレー上部には92万画素赤外線(IR)カメラが内蔵。プライバシーシャッターは非搭載だ

Windows 11の「カメラ」アプリを「HDR Pro」に設定して撮影。HDR Proのほうが標準設定より自然な肌色で撮影可能だ

8コア/16スレッドの高パフォーマンスを発揮
バッテリー駆動時間も驚異的

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回試用しているのはRyzen 9 5900HX/RAM16GB/1TBというスペックのUM535QA-KY212WS(直販価格21万9800円)。ベンチマークを実施する前には、「MyASUS」の「ASUSインテリジェントパフォーマンステクノロジー」を「パフォーマンスモード」に設定している。

 まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12629pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は4942pts、「CINEBENCH R15」のCPU(Multi Core)は2118cbとなった。同じくRyzen 9 5900HXを搭載する「Vivobook Pro 14 OLED」が12523pts、4849pts、2107cbだったので、両機種ともプロセッサーのパフォーマンスを最大限に引き出せている。

ベンチマークは、「MyASUS」の「ASUSインテリジェントパフォーマンステクノロジー」を「パフォーマンスモード」に設定して実施している

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12629pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は4942pts、「CINEBENCH R15」のCPU(Multi Core)は2118cb

 3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで1425、Fire Strikeで3962、Wild Lifeで7819を記録した。Vivobook Pro 14 OLEDは1384、3502、7370だったので、わずかではあるがすべての項目でZenBook Pro 15 OLEDが上回っている。

「3DMark」のTime Spyは1425、Fire Strikeは3962、Wild Lifeは7819

 ストレージ速度は、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で2885.64MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で3110.89MB/sを記録した。Vivobook Pro 14 OLEDはシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で2484.52MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で1818.31MB/sだったので、特に書き込み性能はZenBook Pro 15 OLEDが優れていることになる。

 これはVivobook Pro 14 OLEDが「WDC PC SN530 SDBPNPZ-512G-1002」(Sequential Read:2400MB/s、Sequential Write:1750MB/s)、ZenBook Pro 15 OLEDが「WDC PC SN730 SDBPNTY-1T00-1102」(Sequential Read:3400MB/s、Sequential Write:3100MB/s)を搭載していたためだ。

ZenBook Pro 15 OLEDの試用機のストレージは「WDC PC SN730 SDBPNTY-1T00-1102」が搭載されていた

「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は2885.64MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は3110.89MB/s

 バッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、なんと19時間27分動作した。ちなみにVivobook Pro 14 OLEDは9時間16分だった。ZenBook Pro 15 OLEDは大容量96Whのリチウムポリマーバッテリー(6セル)を内蔵しているが、有機ELディスプレー搭載機としては非常に長いバッテリー駆動時間を備えている。

ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、19時間27分動作した

クリエイティブ&ビジネスアプリを快適に使いたい方にもってこいの一台だ

 ZenBook Pro 15 OLEDは、Ryzen 9 5900HXによるハイパフォーマンス、タッチ対応の15.6型有機ELディスプレー、モバイル用途にも活用できるバッテリー駆動時間を実現しており、非常にバランスがいい。

 また、インターフェースは厳選されているものの、メモリーカードスロットがフルサイズのSDという点が玄人好み。テンキーを搭載している点もオフィスアプリ利用時に大きなアドバンテージだ。

 クリエイティブアプリもビジネスアプリも快適に使いたいという方にZenBook Pro 15 OLEDはもってこいの一台である。

 

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