スマホをバイク運転中のナビとして使っている不肖。当然バイクからスマホが充電できたら便利だなぁと考えるのは自然なことで、前回はUSB PD対応の充電器を購入し、我流で取り付けてスマホ充電に挑戦してみました。ですが愛馬である「CBR250RR」のECU診断線故障診断コネクターと接続したところ、充電する時としない時が発生し、あまり使い物になりませんでした。今回はその対策をしたお話です。
なぜ充電が不安定なのかを調査する
症状を今一度整理すると、バイクの鍵を回してACCの状態では、不肖が所有するiPhone 8の充電はできるのですが、エンジンが動いている状態では充電する時としない時があるのです。特に画面を表示させている時は、ほぼできていない雰囲気……。
ここでMARCH理工学部電気電子工学科を卒業後、回路設計に従事した経歴を持つ不肖は、2つの仮説をたてました。ひとつはエンジン稼働中は点火プラグに電力が使われ、USB Type-C電源が必要とする電力が供給できていない電力不足。これはバッテリーから直接取り出せば解決できそうな予感がします。
そしてもうひとつはバイクの発電機構であるオルタネーターからノイズが発生し、何かしらの悪さをしているというもの。対策のためには電源ラインをシールド網線で覆ったり、フェライトコアを使ったりするなど、かなり厄介なものになります。
検証にあたり、本来はオシロスコープなどの計測機器をつなげ、その結果をお見せするべきなのですが、回路設計業務から逃げ出して文筆稼業に転身し十数年、家にハンダゴテとテスターはあっても、オシロスコープなんぞありません。さらに言えば測定するのが面倒……。とりあえずほかのモノで充電できるのか? ということから試してみることにしました。
用意したのはAUKEYの大容量モバイルバッテリー。モバイルバッテリーを選んだのは、スマホと比べ、おそらく充電に関する回路が簡素化されていると予想したから。その中でAUKEYを選んだのは、実際に問題が起きた時に使っていたコンビニで購入したUSB Type-CとLightningのケーブル(多摩電子工業製)で充電できる――検証時の変更要素をへらす――のと、充電インジケーターがついているから。さらに言えば、手元にあった唯一のモバイルバッテリーだから。とりあえずインジケーターを見ながら、動作状況を確認してみることにしました。
ということはアイドリング状態では供給電力が足りなくなるものの、それより上の回転ではバイクのオルタネーターが働き電力不足が解消されると考えられます。もっとも電流量を測定していないので、目的であるPD出力(18W出力)ができているのか否かは不明ですが……。
よって考えられる原因は、ECU診断線故障診断コネクターの供給電力不足。つまりバッテリー直結にすれば問題は解決できそうです。ですがバッテリー直結はバッテリー上がりの要因になるのでダメ
そこで登場するのが、バイクアクセサリーメーカー「デイトナ」のアクセサリー電源ユニット「D-UNITプラス」という約3000円の商品です。
これはACCと連動させながら、バッテリーと機器を直接つなげるというスイッチボックスで、さらに3分岐アダプターの機能も有している優れモノ。今後ETCやドラレコを取り付ける際に、電力不足によるトラブル回避はもちろんのこと、結線がラクになるというわけです。
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