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高画質ゲーミングでフレームレートも妥協したくない人必見

DLSS非対応のゲームでも使えるアップスケーラー、NVIDIA Image Scaling速報レビュー! DLSSやFSRとの違いは?

2021年11月16日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

「Chernobylite」ではどうか、ICATで比較

 もう1つ、「Chernobylite」の比較も見てみよう。これは単純にICATの比較だけをお見せする。ここでも物理解像度は4K、内部解像度はWQHD、画質は“ウルトラ”設定とした。

「Chernobylite」の検証シーンはここで

中央の仕切りより左がNIS、右がFSR適用時。FSRの方がフェンス上部の有刺鉄線が途切れやすくなっているのに加え、フェンスの網の描写がおかしい

中央より左がNIS、右がDLSS適用時。DLSSの方がフェンスの網がくっきり描かれているが、むしろジャギーも目立ってしまった(これは元の素材の問題だろうと思われる)

中央より左がNIS適用時、右がネイティブ解像度。DLSSと同様にネイティブ解像度の方がフェンスがハッキリ見えるが、ジャギーも見える

まとめ:まだ改善すべき部分はあるが、GeForceユーザーなら
多くのゲームで使える“お手軽ブースト機能”

 簡単ではあるがNISの速報をお届けした。現状だとスクリーンショットやキャプチャーの制限があるものの、見た目の解像感を下げずにフレームレートを稼げるのは非常に嬉しい。GPUを選ばないという点ではFSRの方が(実態において)優れているが、NISはゲームが対応していなくても使えるというメリットがある。ただ、前述の通りNISが使えない設計のゲーム(Cyberpunk 2077、DIRT 5)があったり、ゲームで解像度を変えるとテクスチャー解像度も下がって効果が薄れるもの(Nier: Automata。下図参照)もあったりと、万全ではないことは確かだ。

 今回は時間と体力の制約上、フレームレート比較まではできなかったが、いずれ時間がとれたら比較を試みたいところだ。

「Nier: Automata」での比較。左がネイティブ4K解像度、右がNISでWQHDに下げた状態。解像度を下げた結果、地面のテクスチャーが粗くなってしまい、NISの効果が感じられなかった

 ところでゲーム開発者の視点から見ると、導入の敷居が低いのはどちらだろうか? まずUnityやUnreal EngineではDLSSがプラグインになっており、これらのエンジンを使う場合はDLSSを使う方が簡単な上に画質も確保できる。しかしそれ以外のエンジンを使う場合は、NISの方が楽な一方で、DLSSほどの画質は得られない。この点はAMDのFSRも同じだ。まず画質を向上するためにDLSSを組み込み、間口を拡げるためにNISも組み込む、といった流れになるだろうか。

 NIS、そして画質を比較する手段(ICAT)の提供はゲーマーにとっては喜ばしいことだ。しかしDLSSにFSR、そしてNISが出現し、インテルも独自のアップスケーラーを用意しているとの噂もある。ここまで規格が乱立すると混乱するのはユーザーだ。ゲーム側でアップスケーラーを有効にしたら後は最適なものを選んでくれるような、共通の枠組みがゲームエンジンやDirectXにそろそろ必要ではないだろうか。

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