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2000万件に迫る肌のビッグデータ、ポーラが考えるDXとは?

2021年11月01日 09時00分更新

1910万件以上の肌に関するビッグデータを持つ

 ポーラによると、1910万件以上の肌に関するビッグデータを持っている企業や研究所は、世界中を見てもほかにはないという。

 同社では、「肌のビッグデータが、これからのスキンケアをつくる」とし、「南北に長く、四季がある日本だからこそ生まれたブランドとして、ポーラは唯一無二の存在になった。コンディション分析やポテンシャル分析の結果をもとに、ホームケアとエステを組み合わせて、一人ひとりが目指す美肌づくりをサポートできる。APEXはさらなる進化を目指す」と語る。ちなみに、APEXで提供される製品のパッケージデザインは、最新のデジタル印刷技術を用いて、ひとつとして同じデザインがない仕様になっているという。

 ポーラは、リアルでの接点を強みに成長してきた企業だ。

 それは、約3万5000人ものビューティーディレクターが、在籍していることからも明らかだ。

 同社の調査によると、同じ化粧品を購入した場合、ビューティーディレクターが1対1でカウンセリングや、肌のお手入れの支援を行った販売では、改善実感が79.4%に達しているのに対して、百貨店での販売では68.6%、ウェブ通販では59.3%に留まるという。いずも高い改善度ではあるが、ポーラの化粧品の真価を最大限に発揮するのは、ビューティーディレクターによる訪問販売が最適であることがわかる。

 「オンラインを活用しても、ビューティーディレクターが顔を見せていくこと、共感してもらえるように姿をみせていくことが、お客様の効果実感に直結する」と、及川社長は語る。

 「肌の状態がわかるだけでは最適なケアにはならない。大事なのはAIによる科学的な肌分析と、専任パートナーによるお客様へのコーチングがセットになっているという点である。お客様が、こうなりたいという『ウィル』の気持ちが根幹にないと続かない。デジタルと人の両方が揃って、それが完成する」と語る。

 そして、「ポーラは、化粧品を販売するだけでなく、美しくなりたいという気持ちを引き出し、同時に、自分の将来への期待を引き出し、自分の可能性を高め、拡張していくことを大事にしている。デジタルを使うことで、この取り組みを高めていきたい」とする。

 ポーラにとってのデジタルの活用は、人と連動することが前提となることが絶対条件である。

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