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2000万件に迫る肌のビッグデータ、ポーラが考えるDXとは?

2021年11月01日 09時00分更新

独自の分析技術によって肌変化や個人に応じたケアを提供するAPEX

 ポーラにおいて、テクノロジーとデータを活用した代表的な取り組みが、1989年からスタートしたパーソナライズスキンケア「APEX(アペックス)」である。

 肌分析を行ったデータをもとに、個人に応じたケアを提供。未来の肌変化の予兆を捉えて、将来なりたい肌へのケアのための製品を提供していくサービスだ。

 独自の分析技術によって、肌を動かしている動画から、肌深部の状態を分析することに成功。店頭でも簡便かつ高精度に分析する技術は業界初のサービスだ。14秒の動画から、170万個以上の特徴量を抽出し、AIを活用した推定式を用いて、表皮や真皮、皮下組織の各層の状態を分析。肌状態をもとに、表皮や真皮、皮下組織が、この先、きちんと機能を発揮できるかどうかを予測するという。

 また、水分センサーや肌カメラによる撮影画像、プロファイリングデータなど、これまで蓄積してきた16歳以上の女性を対象にした約1910万件の肌に関するデータから得たノウハウを活用して、いまと近い未来に表れる肌状態をスコア化する。これから表れそうな肌状態を、目に見えない細胞レベルまで推測し、自覚していない肌トラブルの兆しや、要因も判定するという。分析結果は専用タブレットで確認でき、ケアすべき項目の要因までを細かく知ることができる。

 「お客様それぞれのためのケアを、862万通りの肌に分類し、パーソナルに提案し、それを実現するエステメニューも1万5624通りを用意している」という。

 また、約10年前から、気象と肌の関係についても研究。同年代や同地域の平均とも比較できるようにし、その結果を、毎年、美肌県グランプリとして発表。今年も11月に発表される予定だ。

 このデータ分析を活用して、紫外線に関するデータをもとに、全国を152カ所に分類。またマイクロダストは613カ所に区分して、その地域を考慮した最適な化粧品を提供しているという。

 「定期的に肌を確認し、その時点での肌状態や季節、環境、体調の変化に応じて、アイテムを見直し、お客様の習慣や好みなども考慮しながら、プランをアップデートする」という。

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