みなさんラーメンはお好きでしょうか。ラーメンといったら北海道。本場の札幌味噌ラーメンを再現した冷凍ラーメンがキンレイから発売されました。
キンレイ冷食の「札幌味噌ラーメン」の真価は?
「お水がいらない札幌味噌ラーメン」
●キンレイ
●実売価格330円前後(税込)
●8月23日発売
私自身そうですが、旅行などがしづらくなった今だからこそ、特に北海道への憧れを募らせている人は多いのではないでしょうか。飲食チェーンの北海道グルメフェアが例年に増して評判がいい、なんて話をきいたことがあります。家にいながら北海道の味覚を食べて、想いを馳せるのも悪くないではありましょう。
さて、札幌の味噌ラーメンというと、一般的な味噌ラーメンよりもさらに“アツアツ”“濃いめ”のイメージがあります。冷凍のキンレイのラーメンでそのあたりが本当に表現できているのでしょうか? 食べて確かめてみました。
調理が簡単
キンレイの冷凍麺「お水がいらない」シリーズは発売から10年間で累計販売数1億3千万食を突破したヒットシリーズ。特に最近だと、家庭内での食事の機会が増加したことを受けて、温めるだけの簡単調理で味も本格的とうたう本シリーズがウケているとか。
「お水がいらない札幌味噌ラーメン」は大崎裕史が率いるラーメンデータバンク監修。大崎さんというと「自称日本一ラーメンを食べた男」として知られています。
さて作っていきましょう。「お水がいらない」シリーズはスープ・麺・具材の三層構造になっています。
以前、工場に見学にうかがったことがありますが、スープはスープ、麺は麺、具材は具材と、麺料理を作るのと同じ工程を経て製造していたのが印象的。それらを凍らせ三層で一体化することで、加熱調理する際にはスープが先に溶け出し、麺と具材の食感を損なわず完成します。
鍋にスープ側を下にしておき、本商品の場合だと、最初は弱火で約30秒、次に強火で約6分30秒、麺・具材がほぐれて全体が煮立ったら、さらに強火で約15秒かけて出来上がりです。調理時間は約7分15秒。
私は家で即席の袋麺もよく食べますが、袋麺だとスープのお湯の量を測ったり、麺を煮だしたお湯をスープに使うタイプとそうじゃないタイプがあったり、作るのにちょっと手間取りますが、冷凍のこういったタイプのものは温めるだけでいいので簡単です。
札幌味噌らしく“ラード”がたっぷり!
こちらが出来上がった「札幌味噌ラーメン」。深みがある濃い色ですね。写真ではわかりづらいですが、表面には脂が浮いてテラテラしています。この脂はラード(豚脂)なんだそう。具材はメンマ、もやし、ネギ、そしてゴロゴロ感のあるひき肉など。
いただきます。
おおっと、アッチ!
表面をラードの層が覆っていて内側が熱を保っているため、スープを口にするとアッチアチです。鉢から勢いよくすするのは気をつけましょう! というくらいにアツい!
味は濃厚まろやかで、ニンニク、生姜のスタミナ系のパンチもきいています。ニンニクや生姜は身体を温める作用がありますよね。喉が、お腹がアツアツポカポカに。
麺はコシがある縮れ麺。濃厚なドロドロスープがよく絡みます。この麺が非常によくできています。ムッチリした弾力があって、お店で食べるラーメンと大きく変わらないように感じます。即席麺にしてもチルド麺にしても、スープ自体はおいしいけど麺を食べた時にどうしてもお店とは違うと認識してしまうことはよくありますが、キンレイの冷凍麺はそれがありません。
焦がしたような味噌の香ばしさに、ニンニク、生姜のあとを引く感じ。ただの「味噌ラーメン」以上に強烈な食べ応え、インパクトです。なにより一番のポイントは脂感。ラードが混ざってドロッドロッとしています。家で食べる即席麺だと「軽食」の感覚で用意することがありますが、これは軽食どころじゃない。ガッツリしっかりお腹にたまる一食。なお気になるカロリーは582kcalです。思ったよりかはハイカロリーではなかったですが、どうでしょう。
身体がポカポカ温かくなる
ラードが特徴と書きましたが、札幌だと冬場は冷えるので、ラードがスープをさめにくくしてくれるポイント。注文ごとにラードで具材を炒めてスープとあわせることで、スープの表面にラードが膜を貼り、アツアツスープになっているのが特徴なんだそうです。
ニンニク、生姜などで身体が中から温まり、寒い冬にぴったり。私はたまたま夏の日差しが残る日に食べたので、じんわりとあちこちから汗をかいてしまいました。
札幌というと、私はサッポロのビール工場で後学のためと自分に言いきかせ次から次へとビールを飲んだ記憶が忘れられません。ビール工場に向かう道のりの空気が凛と冷たかったこと。キンレイの「札幌味噌ラーメン」はこれからさらに気温が下がって、厳しい寒さになった頃合いで食べると、一層札幌の雰囲気を彷彿させてくれるかもしれません。グランピング(?)気分で、あえて冷える日にベランダで食べるのも雰囲気が高まりそうです。温かいニットの帽子をかぶって。そんなことをしたいくらいに、寒い日にぴったりだと思えるラーメンでした。
ラーメン評論家の大崎さん「再現は難しいかと思った」
さて、本商品はラーメンデータバンク取締役会長であるラーメン評論家・大崎裕史さんが監修に携わっています。開発過程において「札幌味噌ラーメン」を冷凍食品で表現するのは、やはり難しいのではないかと一度は壁にぶち当たったそうです。9月に開催されたキンレイの商品説明会では開発の経緯をおききできました。
純すみ系を目指したけど最初は……
札幌ラーメンで歴史がある「純連」「すみれ」は、ラーメン好きの人からはいわゆる「純すみ系」といわれていて、ここ数年では都内にも暖簾分けの店舗の出店が増えていることからも、ますます注目が集まっています。大崎さんは個人的にも純すみ系が昔から大好きで、今回はキンレイと商品を開発するうえで、札幌ラーメンであれば「純すみ」系の味を目指してほしいとオーダーをだしたそうです。
ですが、最初から納得するものができたかというと難しく、最初にキンレイが作った試作品に対して、大崎さんは「味噌の焦がしの風味が足りない」「ラードの特徴が引き出されていない」「多加水の縮れ麺ではない」など、いくつか指摘をした、とか。
「試作品の第一弾も、ふつうの濃厚味噌ラーメンとしては十分においしいものでした。ですが、“札幌”とつくならこうあってほしいと率直な感想をお伝えしたかと記憶があります。私自身も、もしこれが叶うのであればうれしいけれど、冷凍食品でどこまでできるのかはわからないところで、特に“多加水の縮れ麺”と言った時のスタッフの方の表情のかたまり具合をみて、さすがにこれは難しいんだ、諦めざるをえないのかも、と感じていました」と大崎さん。しかし、そこから巻き返しがありました。
新設備を導入するなどして麺・スープを再現
キンレイの商品企画チームは大崎さんからの指摘を受けて、札幌味噌ラーメンの作り方を勉強し、それを冷凍食品に落とし込めないかと試行錯誤したとのこと。札幌味噌ラーメンは一般的に、注文が入ってから、中華鍋で具材を炒め、そこにラーメンスープと味噌だれを加える“あおり製法”。これにより、野菜の旨味とスープの一体感がかもしだされ、また味噌に香ばしさが加わります。キンレイではそれに近づける工程を取り入れました。
具体的には、具材(豚ミンチ)を鉄鍋で大量のニンニク・生姜と共に炒める工程を加えたり、野菜とスープの一体感を出すために、スープの炊き出しの原料に炒めた玉ねぎを使用したり、味噌を加熱してから混合することで味噌の熟成感を出したり、多めのラードに香辛料を加えて使用したりなど、ひとつひつつの工程を工夫。麺に関しては、新しく“縮れ”を作る設備を工場に導入することで札幌ラーメンの特徴である多加水の中太縮れ麺を作りあげました。
こうやって完成した「札幌味噌ラーメン」について大崎さんは、「純すみ系が新しく出したお店で食べたと思えるくらい、本当によくできている」と、食べた時の感激を振り返って語りました。
純すみ系が好きな人はぜひ!
味噌ラーメンといってもよくあるベーシックなものではなく、本場を意識した「札幌味噌ラーメン」。この商品のために新しく設備を投入するなど、開発側の熱意も並々ではありません。濃厚で本格的なラーメンを食べたい人や、純すみ系がお好きな人は食べる価値があると思います。気になる人は、スーパーの冷凍食品コーナーをのぞいてみてください。商品はやや厚みがありますが、冷凍なので保存ができ、食べたい時にサッと作れるのもうれしいポイントです。
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