モンスターの動きを数フレーム単位で見切り、物陰に隠れる敵を8スコでヘッドショット! ビルの上に隠れるスナイバーを瞬時に見つけKILL! ときにはオープンワールドの美しい風景に酔いしれる。そんなゲーマーの欲求を満たす低遅延(Low Latency)、高リフレッシュレートの4Kゲーミングディスプレーが発売されたのは2021年9月3日。しかも画面サイズはVRほど酔わない程度に没入感もある32(31.5)インチだ。
発売元は、「AORUS」ブランドの高性能ゲーミングディスプレーで一躍ディスプレーメーカーとしてもその名を轟かせたGIGABYTE。今回リリースされたのは、4K(UHD)解像度のゲーミングディスプレーだ。しかもリフレッシュレートは144Hzと高く、激しく動くTPSやFPSの画面もハッキリ映し出す。さらに低遅延でコントローラーの操作が瞬時にディスプレーに反映される快適さだ。
GIGABYTEがゲーマーに贈るスタンダードゲーミングディスプレー「M32U」を手に入れたのでエキサイティングにレビューしよう。
映像入力は4系統+USB Type-A,B,C+ヘッドホンジャック
映像入力系統はHDMI(2.1対応)が2系統に加えDisplayPort1.4が1系統、さらにUSB Type-Cの映像入力を1系統持っている。家電ライターとして居間のテレビをレビューするならもう2系統HDMIが欲しいと書くところだがゲーミングディスプレーなら必要十分な入力端子だ。
HDMI 2.1は転送帯域幅48Gbpsなので、HDに加え4K(4096×2160ピクセル)144Hzまでの入力が可能。規格的には8K(7680×4320ピクセル)120Hz、10K(10230×4320ピクセル)120Hzまでの接続が可能だ。ただしHDMI 2.1に対応したケーブルでの接続が必要になる。DisplayPort 1.4は、転送帯域幅32.4Gbpsで4K 144Hzまでの入力が可能。規格としては8K 60Hzまで接続可能だ。
入力信号一覧表 | ||||||
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解像度(Pix) | リフレッシュレート(Hz) | |||||
HDMI | Display Port | |||||
640×480 | 60,75 | 60,75 | ||||
720×480 | 60 | 60 | ||||
800×600 | 60,75 | 60,75 | ||||
1024×768 | 60,75 | 60,75 | ||||
1280×720 | 60,120 | 60,120 | ||||
1920×1080 | 24,60,120 | 60,120,144 | ||||
1920×2160 | 60,144 | 60 | ||||
2560×1440 | 60,100,120 | 60,120,144 | ||||
3840×2160 | 24,60,120,144 | 60,120,144 |
またM32UのUSB Type-Cコネクターは「Alternate Mode」(USBのデータ通信だけでなく映像信号や高速受給電のUSB PDなど)に対応している。そのため「DisplayPort Alternate Mode」だとUSB3.1ケーブル経由でパソコンなどのデバイスと接続も可能だ。ただし、デバイス側も「DisplayPort Alternate Mode」対応である必要がある。
同時にUSB PDが利用できるので、ノートパソコンなどではM32Uをノートのセカンドディスプレーとして使いながら、M32Uからノートパソコンの充電も可能だ。なおUSB PDの出力は15Wで、5V3A、9V2A、12V1.5A、15V1Aの切り替えが可能となっている。ノートパソコンの急速充電は難しいが、スマホなら余裕で急速充電可能だ。
さらにプリンターなどについている四角いUSB Type-Bコネクターも備える。これは後述するディスプレーに接続したマウスやキーボードを複数のパソコンで切り替えたときに使うポートとなる。
M32Uに備わるUSB Type-AコネクターはUSB 3.0対応で、キーボードやマウス、コントローラーの計3系統の接続が可能(HUBで拡張してカードリーダーもイケる)。本体裏にある「KVM」ボタンを押すと、映像入力信号の切り替えにあわせて本体につなげているマウスやキーボードを指定のパソコンに接続できる。要はディスプレー/キーボードスイッチャーとしても機能するので便利だ。
もちろんヘッドホンジャックも装備。一般的なφ3.5mmステレオジャックに対応し、内蔵の3Wステレオスピーカーとの音声出力切り替えが可能だ。
やや気になるのは最近のテレビでもおなじみの「音がディスプレーの下から聞こえる問題」。反射板を自作して画面中央から聞こえるようにするもよし、Bluetoothヘッドホン(送受信ともにLow LatencyコーデックのaptX-LL対応がオススメ)で聞いてもいいだろう。
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