週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

アルピナ「B7」の極上の乗り心地と運動性能からわかる約2600万円の意味

2021年09月05日 12時00分更新

巨大なボディーを感じさせないドライブフィーリング

 まるで戦車のような重厚さを基調としたBMW 7シリーズ。その血はアルピナB7にも受け継がれています。ですが、やはりアルピナは7シリーズにも羽根を与え、軽やかにワインディングを駆け抜けていきます。乗り心地という面でも7シリーズを上回るのではないか? と思えるほどのソフトな味わい。巨大ボディーのハズなのに「このクルマ、運転がラクだよ」と声を大にして言いたくなるほどの体感的取り回しの良さ。2600万円弱のクルマですから、よくて当たり前。褒めるだけでは芸がないので、ちょっとでも重箱の隅をつついてやろうと思うのですが、一分の隙もなく。

 ステアリングを握っていても楽しいと思わせる味つけはさすがアルピナといったところ。ベース車を超える精緻感は所有欲を満たし、クルマのどこを見てもイイモノ感が溢れて、ただただ圧倒されっぱなし。ハイパワーエンジン搭載車に乗ると、アクセルが踏めずもどかしい気持ちが沸き起こるのですが、低速域でも素晴らしいフィーリングが味わえるのですから、まったくもって気になりません。

 ステージを選ばないストレスレスの走り、乗り心地、品格……。単に速いだけじゃない、これがショーファーのさらなる上の世界なのかと、ただただ唖然。運転しながら、このクルマはどのような人に似合うのだろうと、乗る人物像を想像したのですが、普段の自分とは世界が違いすぎて想像できません。「日曜日は家族サービスで……という事は、子供の頃からこんなクルマに乗ってしまっていたら、オトナになったら大変だろうなぁ。娘さんが子供の頃からこのクルマに乗っていて、いざ彼氏ができて、デートの日のクルマが普通車だったら、どういう反応するんだろう」など、よくわからないことを考えながら、極上の世界を堪能したのでした。

 ご存じの方も多いかと思いますが、ショーファーカーの最高峰であるロールス・ロイスの初代ゴーストは、BMW 7シリーズのプラットフォームを流用した作品。現行ゴーストはロールス・ロイス専用アルミ・スペースフレーム「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用しています。そのためか、前出の広報担当者によると「マジックカーペットライドをよりリーズナブルに求めることができるので、アルピナの方がお値打ちだという方もいらっしゃいます」なのだとか。ロールス・ロイスに触れたことがないのですが、比べられる方がいらっしゃるということは、そういうグレードのクルマなのでしょう。

峠道をものともしない巨体の運動性能

 一般道での走行において、価格以外、文句の1つも見いだせなかった筆者。あまりに悔しいので、道を選ばずに極上の体験が得られるマジックカーペットライドは峠道でも通用するのか? そもそも走れるのか? というイジワルなことを思いつきました。よって無理は承知で、走り屋漫画でおなじみの碓氷峠にアルピナB7を持ち込むことに。おそらく国内のアルピナB7レビュー記事初の試みです。

 アルピナB7にはスポーツモードがありますので、何も考えずにオン。すると力強い排気音が聞こえてくるではありませんか。全長は5.3m、全幅1.9m、車体重量2.2トン超という巨体で峠ダウンヒル。しかも路面はフルウェット。果たして何が起きるのか……。

碓氷峠を走るB7

 結論を申し上げます。何も起きません。むしろ走りが楽しめることに驚き。柔らかさの中に一本芯が通った脚は、荒れた路面や下りをものともせず、まさに雲の上にいるかのよう。でありながら、路面のインフォメーションをドライバーにつたえてくれるのです。さらにブレーキが秀逸で、実にコントローラブル。ボディの重さ、大きさを感じさせることなく、次から次へとやってくるコーナーを攻めるショーファーカー。

 碓氷峠の名物、C121も難なくクリアし、気づけば名物のめがね橋を通過。そのまま道を下れば、峠の釜めし「おぎのや」が見えてきます。広い駐車場にB7を停めていた時、ふと「休日にステアリングを握って家族と一緒に軽井沢へ旅行に出かける社長一家。本来は上信越自動車道・碓氷軽井沢ICで降りるところ、一つ手前の松井田妙義ICで降り、ランチはおぎのや本店で峠の釜めしに舌鼓。その後、碓氷峠のめがね橋に立ち寄りながら登坂し、あとは軽井沢で避暑観光」というストーリーを頭に描いてみました。

 もともと素晴らしいBMW 7シリーズが、さらに改良する部分があったのかというのが正直な感想。それを実現してしまったのがアルピナの技術力の高さ、センスの良さにただただ驚き。ロールス・ロイスが比較対象になるというのも納得です。ゆっくり走っても、速く走っても最高の気持ちが味わえるアルピナ。確かにこれに触れたら他のクルマでは物足りなくなるかも。真のプレミアムとは、こういう事なのかもしれません。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう