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サイズも音も規格外、クリアで爽快な鳴りっぷりに感激

ゼンハイザー初のスピーカーで360 Reality Audioにも対応した「AMBEO Soundbar」を聴く

2021年06月29日 15時30分更新

eARCやネットワーク再生を積極的に活用したい

 購入時に少し注意したいのは設置方法だ。いろいろ試行錯誤してみたが、奥行きが40~50㎝程度の一般的なテレビ台の上に置くのは少し厳しいかもしれない。最近のテレビは薄型化していてスタンドの奥行きも抑えているので、置けなくはないが、理想を言うとテレビは壁掛けにして、その下にローシェルフを置くなどするといい。

 また、端子類はアイコンで種類が判別しやすくするといった工夫があるが、横置きした状態では抜き差しするのはかなり難しく、本体を立てるなどしないといけない。一人での設置は難しいだろう。

上部はヘアラインやシボ調の手触り(実際には金属製グリル)の高品位なもの

 本体にはHDMI TV端子(eARC端子)があるので、これをテレビにつないで使うのが基本だ。本体側には3系統のHDMI端子があり、Fire TVやApple TVといった機器を接続することもできるが、プレーヤー類は基本的にテレビのHDMI端子側につなぎ、テレビ側で切り替えた音を再生する……といった使い方がスマートだろう。

 最近のテレビは多機能化が進んでいる。Android TVなどを採用する機種では、NetflixやAmazonプライム、Apple TVなどの動画配信サービス、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスを直接利用できる場合が多いので、テレビ側の再生機能をなるべく使った方がシンプルと言える。eARC接続にしておくと、サウンドバー本体の音量をテレビリモコンで決められるし、起動に少し時間がかかるもののHDMIコントロールで自動オン・オフができるのが便利だ。

 ただし、その際にはテレビ側の出力設定に注意したいところ。サウンドバーに出力する際、テレビ側で何らかの変換を加えてしまう場合があるし、アプリ内に選択肢が出ない場合がある(例えばドルビーアトモスコンテンツなのに、5.1chと表示されるなど)ので、どの信号がAMBEO Soundbarに渡っているかを必ず確認したい。再生中の信号(ドルビーアトモスやドルビーデジタルプラス)は、フロントパネルやコントロールアプリの「Smart Control」で知ることができるので、確認してうまく再生できていない場合は設定を見直すといいだろう。

Chromecast機能を利用して、nugs.netの音源を再生してみた

MPEG-Hで入力されているのが分かる

Smart Controlで入力中の信号の種類が分かる

様々な機能を搭載している

 また、Wi-Fiを利用することでChromecastを活用できるので、さまざまなスマホアプリの音を楽しむことができる。例えば、注目ポイントの一つである360 Reality AudioもChromecastを経由して楽しむことになる。ライブ音楽の配信を多くしている、nugs.netのアプリで曲を選びキャストする手順だ。なお、国内ではサービスが開始されていないが、TIDALの3Dオーディオもこの方法を使って楽しめると思われる。

 Amazon Music HDに関しては、Chromecastに対応していないため、Fire TVをAMBEO Soundbar本体に接続して使うことになるが、筆者の環境で最新版のFire TV Stick(2Kモデル/4Kモデル)を使用したところ、DOLBY ATMOSやMPEG-Hの表示にはならず、DOLBY DIGITAL+での再生になった。Apple TVを使ったApple Musicの再生なども踏まえて別の機会に再度検証してみたい。

AMBEOボタンはフロントの上部にある

 サラウンド効果は「AMBEO」ボタンやアプリからオンオフが切り替えられるが、かなり効果がある印象だ。基本的にはオンのままでいいと思うが、音楽などを再生する際になるべくストレートなほうがいい場合は切ってもいいと思う。アプリで切り替えるサウンドモードにはムービーや音楽、スポーツ、ニュースなどがあるが、忠実再現のためのニュートラルがあるのはゼンハイザーらしい。また、低音を抑えたナイトモードが選べるほか、3Dサウンドの効果を「ライト」「標準」「ブースト」の3段階に調節し、かつ「基礎」「低→中」「透明度」「明度」の4つの軸でイコライジングができる。

サウンドモードは複数が用意されているが、癖の少ないニュートラルを用意しているのがゼンハイザーらしい

3段階のサラウンド効果と、イコライジングが可能だ

 このへんは好みで選べばいいと思うが、個人的にはニュートラルを基準に置いて、必要に応じてそれ以外のモードを選択する形で使ってみた。

 音調については冒頭で述べたとおりだが、全体としてはクールでキリリとした雰囲気だが、音はみずみずしくて爽快で、柔らかさも感じさせるサウンドになっている。迫力や広がりも申し分なく、情報量の豊富さに関しては離れた場所から音が伝わってくる映画館でよりも勝るのではないかという感覚すらあった。

 いずれにせよ、音の魅力については、使えば使うほど、じわじわと実感できる面があり、なかなか書ききることが難しい。まずはファーストインプレッションとして、この記事を執筆したが、また機会があれば、コンテンツや様々な機器と組み合わせた例などを踏まえて、AMBEO Soundbarの使いこなし方を紹介していこう。

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