Reflex有効時でもCPUの差が出た「Apex Legends」
「Apex Legends」は昨年の10月下旬の時点でReflexに対応済みだ。しかし、ユーザーがReflexの設定を画質設定から変更できるようになったのは今年に入ってからだ。前回のLDAT検証時は実装ミスで常時Reflexが有効になっていたので、今回は改めてReflex有効時と無効時の効果を確認しつつ、本題であるCPUの違いを検証していきたい。
画質は最高画質設定とし、射撃訓練場内で「スピットファイア」を500発撃った時のシステムレイテンシーを計測。実施にあたってフレームレート制限を解除する起動オプション(+fps_max unlimited)を追加しているが、計測シーンのフレームレートはどの条件でも133〜143fpsの間で変動していた。
まずは各条件500回のサンプルがどういう分布になっていたのか、グループ別にチェックしてみよう。
観測したデータの中には外れ値と見なせるものも確認できたが、99%のデータはどの散布図でもぎっしりと固まってプロットしている。この図からReflex有効時は無効時に比べ、劇的にシステムレイテンシーが下がっているとわかる。しかしながら、CPUによる違いに関してはないように見える。
次は計測データをヒストグラム化したものを見てみよう。
どのCPUもヒストグラムの山は狭く尖っており、Reflexを有効にしただけでどのCPUでも山1つぶん近く下側へ動いていることがわかる。Apex LegendsにおけるReflexの効果は極めて高いのだ。Reflex有効時のデータに注目すると、山のピークはCore i9-11900K+Reflexを除きどのCPUも21ms以上〜24ms未満にある。しかし、第4世代Ryzenのほうがピークより下、すなわち15ms以上〜18ms未満および18ms以上〜21ms未満のデータが多いように見える。
では、各CPUの平均値などを見てみよう。
Reflexを有効にすることで平均値が9〜10msも小さくなっている。フレームレートが144fps出た時の1フレームの時間が約7msなので、144Hz液晶の性能をフルに発揮できるシステムでも1フレーム以上有利になる計算だ。
そして、CPUによる差に目を向けてみると、Reflex無効時は6コア/12スレッドのCore i5-11600KやRyzen 5 5600Xが32ms台で、ほかのCPUよりもわずかに有利であることを示唆している。一方、Reflex有効時は第11世代Coreプロセッサーが総じて23ms台なのに対し、第4世代Ryzenはいずれも21ms台後半となった。Apex Legendsにおいては、GPUの性能が同じなら第4世代Ryzenとの組み合わせがより有利な環境になることを示している。
では、システムレイテンシーの平均値が統計的に意味があるのかどうか、t検定を行った時のマトリクスを見てみよう。
左端縦軸のCore i9-11900K(ABT)+Reflexから右に見ていくと、Core i5-11600K+Reflex、Ryzen 7 5800X+Reflex、Ryzen 5 5600X+Reflexの3つに水色マスの○があり、システムレイテンシーの平均値はそれらよりも長く、統計的に有意な差であるということがわかる。さらにその下、Core i9-11900K(ABT)は横一列すべて水色マスの○で、比較したすべての条件に対しシステムレイテンシーが劣っていることを示している。
第4世代Ryzen目線で見ると、横軸のRyzen 7 5800X+ReflexとRyzen 5 5600X+Reflexから下方向に水色マスの○が多数連なっている。これはこの2つの条件がほかの条件より優れており、特にRyzen 7 5800X+Reflexは全条件の中で最もシステムレイテンシーの平均値が低く、その差は意味があることを示している。
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