週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

NVIDIA、RTX 3080 Ti&RTX 3070 TiをCOMPUTEX TAIPEI 2021で発表!6月3日より順次発売

2021年06月01日 17時15分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ASCII

 2021年6月1日、NVIDIAはCOMPUTEX 2021において(オンラインの)キーノートスピーチを開催した。発表内容の半分は同社が力を入れるエンタープライズ寄りのAI関連だったが、今この記事を見ている人が気になるのは、新たなGPUの方だろう。そこで本稿では、発表内容からGeForce関連の内容を抜粋しまとめてみることにしたい。

“ゲーマーの”フラッグシップGPU「GeForce RTX 3080 Ti」

 今回NVIDIAは2種類のRTX 30シリーズに属するGeForceを投入した。いずれも既存のAmpereアーキテクチャーを採用したモデルだ。

 まず1つめは“ゲーマーの”フラッグシップと評された「GeForce RTX 3080 Ti」だ。RTX 30シリーズのフラッグシップといえばRTX 3090だが、これは8Kゲーミングのほか、8K映像編集を志すクリエイター等にも向けたGPU。価格も浮世離れしていたことは確かだ(特に最近の値上がりではそれが顕著)。これに対しRTX 3080 Tiは、4Kゲーミングに照準を合わせた、より現実的なフラッグシップとなる。

 発売は6月3日22時〜(実質6月4日以降)で、北米予想価格は1199ドル以上、NVIDIAによる国内予想価格は17万5800円「以上」となる。ただ昨今の情勢を考えると、この値段は単なる気休めでしかないことは明らかだろう。

 RTX 3080 TiのスペックはCUDAコア数10240基(SM80基)、メモリーバス384bitでGDDR6Xを12GB搭載する。384bit幅という点から分かる通り、GA102ベースのRTX 3090をほんの少しスケールダウンしたものと考えてよいだろう。

12GBのGDDR6Xを搭載したRTX 3080 Tiは、RTX 3090の廉価版と言ってよい。見た目から分かる通り、FE版(Founders Edition)はRTX 3090 FEではなくRTX 3080 FEのデザインが使われている

「Cyberpunk 2077」や「Watch Dogs: Legion」といったゲームを4K&高画質で攻めるには、PascalやTuringといった前世代のフラッグシップではもう厳しい。RTX 3080 Tiなら(DLSSを利用する必要はあるだろうが)60fpsオーバーでプレイできる

人気のRTX 3070の上位版「RTX 3070 Ti」

 そしてもう1つ、RTX 3070と3080の中間に位置するモデルとして「GeForce RTX 3070 Ti」も発表された。価格は北米予想価格で599ドル、国内予想価格は8万9980円となり、RTX 3080 Tiよりも1週間遅く6月10日22時(実質6月11日以降)に販売が解禁される。

 RTX 3070 Tiの位置付けについては具体的なターゲットは示されたなかったが、RTX 3070よりも4%程度CUDAコアが増え、GDDR6Xメモリーで8GBが搭載される。WQHD〜4Kあたりでより高画質設定で遊びたいが、RTX 3070ではやや力不足かもと考える人向けの製品だ。

RTX 3070 Tiは8GBのGDDR6Xを搭載し、RTX 3070よりもほんの少しCUDAコアを増やしたモデル。こちらはGA104ベースそのままのようだ。RTX 2070 SUPERより1.5倍高速と謳う

今回発表されたGPUと、その近傍のGPUのスペック

※掲載当初、GeForce RTX 3070 Tiの一部スペックを誤って記載していました。訂正してお詫びいたします。

 気になる仮想通貨マイニング対策(ハッシュレートリミッター)の話題は出なかったが、RTX 3080〜3060 TiにLHR(Lite Hash Rate)版が出ていることを考えると、RTX 3080 Tiおよび3070 Tiもに何らかの対策が施されていることは確実だろう。

レイトレーシングやDLSS対応のゲームが拡大

 NVIDIAはこうしたイベントがあるたびにレイトレーシングやDLSS対応のタイトルが増加したことをアピールしているが、今回はいくつか興味深いタイトルの話もしておこう。

 一番の注目は「Rainbow Six Siege」がReflexに続きDLSSにも対応することだ。Rainbow Six Siegeのゲームエンジンは軽く、DLSSなんか必要ないだろうと思うかもしれない。事実RTX 3060であればフルHDで200fps以上は出てしまうゲームだが、GPUパワーの限られているゲーミングノートPCではDLSSが輝くだろう。あるいは、4Kでもシステムレイテンシーを低くキープしつつ、画質を保ちたいプレイヤー向けの施策といえる。

「Rainbow Six Siege」がDLSSに対応する。ただし期日は不明

4KでRainbow Six Siegeをプレイする時にDLSSを有効にすれば1.5倍程度にフレームレートが上がる。ただしどんなGPUを使っているかまでは発表から読み取れなかった

 DLSSはさらに人気タイトル「Red Dead Redemption 2」にも採用された。これについても具体的な実装期日は明らかにされなかったが、描画が超絶に重いゲームだけに楽しみだ。

 ただ、NVIDIAの発表のやや前にAMDが発表した「FidelityFX Super Resolution(FSR)」は、DLSSのようにTensorコアを必要としないアップスケーリング技術であり、DLSSの対抗馬と目されている。GTX 1060でも動作してしまうFSRが今後より広く受け入れられれば、DLSSの立ち位置も危うくなる。今後のNVIDIAの動きに注目したい。

「Red Dead Redemption 2」もDLSSに対応

VRにもDLSSを採用したゲームが登場する。「Wrench」を始めVRモードの「No Man's Sky」等が最初のDLSS対応VRゲームとなるだろう

「DOOM Eternal」はレイトレーシングとDLSSに対応する

エネルギー弾や火の玉が飛び交うDOOM Eternalのバトルにレイトレーシングが輝きをプラス。このプレイはRTX 3080 TiでレイトレーシングとDLSSを有効にし、4Kでプレイした時の模様

軽めのシーンでは100fps以上、重いシーンでも70fps程度出せている

 気になるRTX 3080 TiやRTX 3070 Tiのレビューも、公開の許しが出次第ASCII.jpで公開する予定なので楽しみにして欲しい。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります