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NECは普通の会社に戻れた、次は「何の会社なのか」という問いに応えなければならない

2021年05月27日 09時00分更新

戦略と同列に文化を置いた

Purpose経営の実現にはモチベーションを持つ社員

 今回の中期経営計画の最大の特徴は、森田社長兼CEOが、「戦略」と同列に、「文化」を位置づけたことである。

 NECでは、2014年にPurposeとして「Orchestrating a Brighter world」を掲げ、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」というステートメントを打ち出している。

 森田社長兼CEOは、「このPurposeが、すべてのスタートであるというのが、新たな中期経営計画で、最も大事にしていることであり、中期経営計画の基本に置いている。Purpose経営に向けて、戦略と文化を一体に捉え、2025中期経営計画を推進していく」と語る。

 戦略では、テクノロジーを強みに、グローバル成長と国内事業のトランスフォーメーションを加速し、長期利益の最大化と短期利益の最適化を目指す一方で、文化では、「Purpose経営の実現には、高いモチベーションを持つ社員の存在が必須である。NEC Wayのもとに多様な人材が集い、イノベーションを追求する会社を実現し、社員から選ばれる会社にならなくてはいけない」と語り、「人・カルチャーの変革」、「ビジネスインフラの整備」、「顧客との未来の共感創り」の3点に取り組む姿勢をみせた。

 中期経営計画では、非財務指標として、エンゲージメントスコア50%(同25%)、女性および外国人役員の構成比20%、女性管理職20%を目指すことも含まれている。これも中期経営計画において、「文化」を重視していることの表れだ。さらに、森田社長兼CEOの直下には、新たにコーポレート・トランスフォーメーション・オフィスを設置。全社基幹システムのクラウド化、ITや制度、プロセスの一体的リデザインを実施。その上でのAI活用やデータ構造の最適化によるデータドリブン経営の実現を進めている考えを示す。

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