ミドルレンジでも押さえるべきパーツはしっかり搭載のお手本モデル
ゲーミングPCの自作コストを抑えつつも長く付き合えるマザーボードをお探しならMAG B560M MORTAR WIFIはよい選択
Intel B560チップセット、MAGブランドのグレードからも分かるとおり、基本的にはコスパ寄りのメインストリームゲーマー向けの位置づけで、MORTARというポジションからその中でも中級。過度に高機能を目指したものではないが基本に忠実だ。一方でVRMはコストを抑えつつも15フェーズと余裕を持たせており、メモリ回路はかなりの高クロックOCメモリをサポートリストに加えている。
CPU電源端子も8+4ピンで余裕があり、VRMは15フェーズでこちらもやや多めにとっている。PWMコントローラはRenesas「RAA229001」。MOSFETはSinopower「SM4337」と「SM4503」を組み合わせている。DrMOSのような1チップのMOSFETではなく二つに分けているところはコストパフォーマンス重視のマザーボードでよく見られる。一方、Intel B560がCPUを定格運用する前提のチップセットであることを考えれば、15フェーズは電力の供給能力としてではなく、負荷分散の意味合いになる。つまり発熱を抑え、長時間の連続稼働で安定性を担保する方向性だ。
コスト重視のユーザーがOCメモリを組み合わせるというのは少数派と思われるが、MAG B560M MORTAR WIFIはかなりの高クロックメモリをサポートしている。第11世代Coreの定格は3200MHzだが、スペック上では5066MHz、サポートリスト上では5600MHzの製品まで掲載されている。MAG B560M MORTAR WIFIにも同社DDR4 BOOSTの回路設計が採用されているのがこうした高クロック動作のサポートにつながっている。
マザーボード上のゲーミング機能に着目すると、まずイルミネーションLED非搭載であるところがめずらしい。もちろん後付け用のLEDヘッダーは3ピン×2、4ピン×1を用意しているが、光らせる必要がないというユーザーにはここがよいポイントだろう。なお、LED非搭載のため、同社の多くのマザーボードが搭載しているハードウェアのLEDオン/オフスイッチは搭載されていない。
もうひとつ、PCI Express x16スロット#1のPCI-E STEEL ARMORが挙げられるだろう。スロットに金属カバーをかぶせ、重量級のハイエンドビデオカードを搭載する際の補強となる仕組みだ。PCBを貫通するアンカーは裏面からハンダ固定されており強度も高い。
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