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未経験者を含めた人材育成に挑む、テラスカイ・テクノロジーズ

2030年には国内で約59万人のにおよぶIT人材不足、一方でSalesforce技術者の雇用は20万人に伸びるという予測も

2021年05月06日 09時00分更新

 IT業界においては、IT人材を採用することが、企業成長の根幹を担うということが共通認識になっているが、このままでは人材の取り合いが激化し、人の採用ができず、企業の成長にブレーキがかかるという状況が生まれる懸念がある。さらに、「企業のなかに開発体制を構築する動きが加速するなかで、IT業界のなかでのIT人材の奪い合いだけでなく、顧客であるエンドユーザーとも人材獲得競争がはじまることになる」(佐藤社長)と。さらなるIT人材不足に危機感を募らせる。

 テラスカイグループでは、これまでは新卒以外は、未経験者の採用実績はなかったが、「それでは、IT人材獲得競争に間に合わない」とし、新会社のテラスカイ・テクノロジーズでは、未経験者や第2新卒者を採用。「若い人たちや、ほかの業種にいる人たちを呼び込んで、クラウドエンジニアに育成し、マーケットに供給していく」とする。そして、「最大の供給先がテラスカイグループになる。そして、テラスカイの顧客となる企業に常駐するエンジニアを育成していく」という。テラスカイの高成長を維持するためのIT人材に自ら乗り出すことになる。

 一方、2021年1月に設立したリベルスカイは、「これまで手薄だったGCP(の領域を担う会社になる」とする。

「いまやクラウド環境をAWSだけで構築している企業はなく、4大プラットフォームのすべてを活用することが求められている。顧客の要望に応えるためには、4つのプラットフォームの特徴をそれぞれに生かして、ワンストップで提供しなくてはならない」とする。リベルスカイによって、GCPに対応することで、4大プラットフォームの最後のピースが揃うことになる。

 とはいえ、テラスカイグループ全体では、SAPクラウドマイグレーションを行う子会社のBeeXが、SAP ERPを、GCP上に移行する国内初の事例を持つなど、この分野でも実績を蓄積している。

 「GCPの優れている点は、AIによる画像認識、Google BigQueryによるビッグデータ解析などである。これらの特徴を生かしてソリューションを提供していく」と述べた。

 佐藤社長は、中期的な方針として、「伸びているマーケットへの投資をやめて、利益を追求するという戦略は正しくない。伸びていく市場に大きなシェアをとっていくことを優先する。まだまだ投資をし、売上げを拡大し、将来のマーケットでの利益を最大化する方向でビジネスを展開していく」とする一方、「クラウドで作る、より良い未来」というスライドを掲げながら、「テラスカイは社会の一員である。継続性のある、持続性のある社会を作る手伝いをしたい」とも語る。

 一度、しゃがみ込むことになるテラスカイが、どんな勢いを持ったジャンプをすることになるのかが、楽しみである。

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