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2021年最新データのオフィシャルチームとレーストラックを収録

ロードレース世界選手権を走り抜け!モータースポーツレーシング『MotoGP 21』プレイレビュー

2021年05月18日 11時00分更新

 2021年5月13日、DMM GAMESよりモータースポーツレーシングゲーム『MotoGP 21』が発売された。本作はオートバイ(二輪)による世界最高峰のロードレースを題材としたレースゲームで、2021年度の参加チームと歴代有名選手を収録したシリーズ最新作だ。

 ただレースを走るのではなく、チームの管理をしながら世界選手権を勝ち抜いていく「キャリアモード」が本作のメインコンテンツ。プレイヤーはチームのエースライダーとして、チームの資金管理、マネージャーやエンジニアといったスタッフの雇用、マシンを強化する技術開発の采配などをすることになる。

 さらに、本作では次世代ゲーム機であるPlayStation 5(PS5)/Xbox Series X|Sにもシリーズで初めて対応しており、最大4K&60FPSの高解像度ビジュアルの実現や、ロード時間の劇的な改善、オンラインプレイヤー人数を13人から22人に増員するなど、さまざまな面で進化している。

 また、最新のルールである「ロングラップペナルティ」も本作で初導入。ペナルティを受けたライダーは、規定周内に定められた場所を大回りして走ることが求められるという。

 対応プラットフォームは、PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC(DMM GAME PLAYER)で、価格は下記の通り。今回はPlayStation 4版の先行プレイをする機会が得られたので、プレイレビューをお届けする。

■DL版ストアリンク・価格
PlayStation 4/PlayStation 5:8778円
Xbox OneXbox Series X|S:8750円
Nintendo Switch:6578円
DMM GAME PLAYER:5149円

※PC版はオンライン機能が非対応

■『MotoGP 21』日本語版アナウンスメントトレーラー Vol.1

●チームと契約してレースで高順位を目指そう

 キャリアモードでは、まずオフィシャルチームまたは新規参入チームに参加することになる。チームごとにライダーへ求めている水準が異なるので、自分の技術と相談して決めよう。筆者はあまり上手くないので、可能な限りハードルの低いチームへ参加することに。

毎回トップ10争いに加われる選手を求めているチーム。ちなみに1レースあたりの出走人数は30人程度

レース目標が「トップ15」のチーム。先のところよりはハードルが低いのでこちらに決定。最初は3チームしかいないが、実績を重ねていけばほかのチームと契約することも可能だ

ライダーやマシンのカスタマイズも可能。ヘルメットやグローブなどのデザインや色の変更、ライディングスタイルなどを設定できる

 ホーム画面では、スケジュールやスタッフの管理、目標順位やライダーのカスタマイズが可能。「カレンダー」を選択すると、1週ずつ先に進めていくことができ、特定の週でレースに出走することになる。

ホーム画面とカレンダー画面。第10週まで進めると、カタールのサーキットのレースが開催される

セッション選択画面。セッションは「フリー走行×3」「1次予選・2次予選」「ウォームアップ」「レース」の4種類で構成されている。全部走ってもいいし、レースだけ走ることも可能だ


●初めてのタイムアタックは散々な結果に……

 いよいよ実際にマシンを走らせる瞬間が近づいてきた。「フリー走行」はいわゆるライダーがサーキットやマシンの状況を確かめるために走る「練習」のようなもの。1回あたり40分間あるが、40分×3回も走る必要はないので、満足いったら先へ進めよう。

レース前の準備では「開発テスト」と呼ばれる目標を確認できる。達成すると後述の「研究データ」ポイントを取得することができるため、可能な限り達成しておきたい

 もろもろの調整が済んだらいよいよサーキットへ出走だ。オートドライブ時間が過ぎると、手動での操縦に切り替わる。まずはコースアウトしないことを目標に、慎重に流していこう。

操作説明画面。左スティックで体重移動、R2ボタンで加速、L2と×ボタンでブレーキ、あとはR1ボタンで「リワインド」できることを覚えておけば、最低限走ることはできる

「リワインド」とは、ミスをしたときに「時を巻き戻す」機能。これを使えば、コースアウトしてもほかの選手と接触事故を起こしても、「なかったこと」にできる。もちろん、設定で使用不可にすることも可能

 走る際には目安となるラインが表示されている。コース取りと速度の目安がわかるので、なるべくそれに沿って走れるよう練習を重ねていこう。

青い矢印のラインは「加速」、黄色ないし赤色のラインは「減速」しろというサイン

 フリー走行のタイムアタックでは最下位に終わってしまったが、問題はない。このあと走る「1次予選・2次予選」の結果次第で、レース本番の出走順が決定する。

筆者のタイムは2分21秒。対して1位は2分16秒と5秒近い開きがある。レースの世界で、5秒はかなり大きい差。予選やレースで巻き返しなるか……!?

何時間か操作練習してから1次予選に臨んだ結果、なんとか2分16秒台までタイムを縮めることに成功。それでもコンマ数秒の差で7位となり、勝負の世界の厳しさを知る

●クラッシュは日常茶飯事!? サーキットはガチの戦場だった

 てっきり前から7番目のスタートだと思っていたのだが、なんか後ろのほうからスタートすることに。

8列中7列目からのスタート(筆者は21番の青い選手)

いよいよレースだ……練習の成果を見せてやるぞ!

1列になってキレイにコーナーを曲がっていくゥー!……と、そのときハプニングが!

めちゃくちゃNPCがクラッシュして阿鼻叫喚の図。筆者も巻き込まれたのでリワインドして回避を図る(ズルイ)

 その後もたびたびNPCとクラッシュしたり、コースアウトを繰り返したせいか、まさかの燃料切れでリタイアすることに。タイヤの損耗も激しいし、もっと繊細な操作が求められているのかもしれない。レースムズカシイデス。

2つ目のレースでも、ファイナルラップ半ばにして燃料切れとなりマシンに拳をたたきつける筆者の図。完走すらできないとは、我が身の未熟を恥じるばかりである……


●スタッフを配置してマシンを強化!

 さて、ここからはスタッフの管理・雇用について紹介しよう。スタッフは、ほかのチームとの契約を探してくれる「パーソナル・マネージャー」、リサーチポイントを増やすサポートをしてくれる「チーフ・エンジニア」、技術開発の進捗スピードを早める「データ・アナリスト(テレメトリスト)」の3種類が存在する。

それぞれ雇用できるのは1人だけで、いい評価の人が応募してきたら入れ替えていく。開発に力を入れたい分野を得意とするスタッフを雇っていこう。なお、雇用にはお金がかかるので注意したい

 また、研究開発という部分では、ツリー状になった開発項目が存在し、スタッフを配置することで新たな項目を開発することができる。上記で雇用したアナリストの能力によって、ここの開発速度が変わっていくようだ。

前述の「開発テスト」で得られた「研究データ」ポイントは、ここで使用する。そのほか、「研究データ生産」にスタッフを配置しておけば、毎週の時間経過でポイントを増やすことも可能

「エンジン」の開発項目のなかに見つけた「燃料消費最適化」。これを開発すれば、燃料切れ問題を解消できるかもしれない

人数を多く投入するほど開発期間は短縮される。ただし、そのぶん研究データの生産は不足するので、バランスが重要だと感じた

 さらに、レースを勝ち抜いていってランクが上がると、新たに「ジュニアチーム」を作成することもできる。いわば自分が管理する下位のチームで、ライダーの成長を観察して楽しめるシステムだ。後進の育成までできるとは、なかなかに奥深い。

●総評まとめ

 本作は実在するモータースポーツ「MotoGP」をゲームで楽しめるというタイトルであり、最新のチームや選手データを収録していることからも、モータースポーツファンには間違いなくオススメできるゲームだ。歴代の有名選手と車両もあわせて参戦しているのはたまらないハズ。

日本人レーサーの鳥羽海渡選手(CIP Green Power)。現役選手でレースできるのは、本作の醍醐味の1つだ。ちなみにコースでいうと、日本の「ツインリンクもてぎ」などを収録している

 いっぽうで、モータースポーツに馴染みのないユーザーでも、スタッフや開発にこだわってチームを「マネジメント」していくのは楽しい経験になるだろう。最初は勝てなくても、開発と練習を重ねることで着実にステップアップしていく過程を楽しめる。

 バイクの挙動自体はアシストが強めに効いている印象だ。カーブの手前で適切に自動ブレーキがかかってくれたり、スティックを目一杯倒しても転倒せず曲がってくれるなど、バイクゲーム初心者でも扱いやすいアシストが用意されている。

こんなに地面スレスレまで倒しても大丈夫。カーブを上手に曲がれたときは最高に気持ちがいい。もちろん、玄人向けにアシストを切ることも可能だ

 ここだけの話、レースオプションから「AI難易度」を最低値の20%まで下げれば、タイムアタックのハードルもかなり緩和された。さらに、タイヤと燃料消費のオプションをオフにすることで燃料切れ問題も解決でき、筆者がレースで1位を獲れるくらいには難易度を下げられた。

標準の難易度は30%。どうしても勝てないという人は、ここをいじればグッと勝利が近づくハズだ。逆に簡単すぎて難易度を上げたい場合は、最大120%まで引き上げられる

 もっとも、「リアルさ」を求めて本作を買う人からすれば、それらのオプションは無用の長物といったところだろうか。あくまでも選択肢の1つとして「できる」ということだけ覚えておいてもらえれば幸いである。

 リアルさで言うならもう1つ、「バイクレトリィバルシーケンス」という、転倒した際にオートで復帰するのではなく、手動でバイクに戻る体験も可能になった。1つのミスが致命的になるので、よりスリルを味わうことができる。

雨の日は路面が濡れ、ヘルメットにしたたる雫も表現。「リアルさ」への追求は留まるところを知らない。PS5版はハプティックフィードバックでさらにリアルになっているとのこと

 また、本作はオフラインのキャリアモードやシングルレースだけでなく、オンラインプレイも楽しむことができる。全世界の猛者と0.001秒を競うレースを楽しむのもよし、友人とお手軽にレースするのもよしだ。

 さらに、配信中のDLC「Limited Edition Liveries」では、John Hopkins選手やDani Pedrosa選手など、MotoGPを象徴する5人のレジェンドライダーとその搭乗車両が追加される。価格は660円。ファンはぜひ、そちらも楽しんでもらいたい。

※追加DLCの販売はPS4/PS5/Xbox One/Xbox series X|Sのみ

(提供:DMM GAMES)

【ゲーム情報】

タイトル:MotoGP 21
ジャンル:モータースポーツレーシング
配信:DMM GAMES
開発:Milestone S.r.l.
プラットフォーム:PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PC(DMM GAME PLAYER)
発売日:2021年5月13日(PC版は2021年6月10日配信予定)
価格:
 PlayStation 4/PlayStation 5:8778円(PS4版のみパッケージ版あり)
 Xbox One/Xbox Series X:8750円
 Nintendo Switch:6578円
 PC(DMM GAME PLAYER):5149円 ※PC版はオンライン機能が非対応
プレイ人数:1~13人(PS4/Xbox One)、1~22人(PS5/Xbox Series X|S)
CERO:A(全年齢対象)

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