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YouTuberの専門学校ってどんなところ?4月開校の「バンタンクリエイターアカデミー」に突撃取材してきた

2021年04月07日 12時00分更新

これから先、業界で求められるものとは?
講師・学生にインタビュー

 今回のスクールの開校に当たって、バンタン事業開発本部 副本部長 沼田 伸一氏と、映像編集の講師を務めるクリエイターのKyle yusukeさんにお話を伺うことができた。また、今年入学した3人の生徒にもインタビューし、意気込みなどを伺った。


●バンタン事業開発本部 副本部長 沼田 伸一氏

――今回の「バンタンクリエイターアカデミー」を開校するに至った経緯をお教えいただけますでしょうか。

沼田氏:バンタンでは、「これからの産業界で求められる人材の育成」に力を入れています。今市場ではインターネット動画の業界が急拡大しており、一方で、小中学生のなりたい職業ランキングでもYouTuberが人気になって、業界と若者の双方から大きなニーズがあります。それに対しての教育という部分を誰もやっていなかったので、私たちが一番最初にそれをやろうと決めたのが経緯です。

――YouTuberなどは新しい職業というのもあって、教える側としても難しい部分があると思うのですが、本学ではどのようにそうした教育に取り組んでいるのでしょうか。

沼田氏:まさに、ノウハウを言語化するという部分が課題なのですが、それの一番の回答が、100%現役のプロの方から直接指導を受けるといったところだと考えています。今まさに仕事とされている方の技術や知識ををカリキュラムに落とし込んで、私たちが最初にそのノウハウを形にするという感覚で取り組んでいます。

――インターネット動画などの世界ですと、最近はコンプライアンスの部分が重要視されることも多くなってきました。そういった部分の教育も実施されるのでしょうか。

沼田氏:もちろん、コンプランスに関する教育もカリキュラムの中に取り入れています。法律や規約を順守することはもちろんですが、そういった規約を順守していたとしてもネット上で炎上してしまったりといったことはよくありますので、そういった炎上に対するリスク・対策に関しても、授業で教えていきます。

――昨今のコロナ禍の情勢の中で、本学で実施している新型コロナウィルス対策などについてお教えいただけますでしょうか。

沼田氏:日々の体温チェックとレポートを作成を義務づけ、ご家族の方でコロナの陽性の反応が出た方などがいれば、規定日数まで登校を控えていただくなど、しっかりとしたマニュアルを定めております。コロナ対策を徹底したうえで、可能な限り現場での授業を重視していきたいと思っていますが、必要に応じて、オンラインでの授業なども取り入れていく予定です。

――自身やご家族がコロナにかかってしまって、登校が難しい生徒さんへの学習のフォローはどのようにしていくのでしょうか。

沼田氏:そういった方には、一部オンラインで授業を行なうといったことも想定しています。本学のカリキュラムであれば実習は家でもできますし、レベル別のクラス分けなので、補習などでも比較的フォローしやすいと考えています。

――昨今、YouTuberやそれに関わる職業を目指す方が多くいらっしゃいますが、そうした業界で働く上で、求められる資質などはどのようなものがあるとお考えでしょうか。

沼田氏:たくさんあるとは思いますが、本学のカリキュラムで学べる「企画・プロデュース」「撮影・編集」「チャンネル運営」「アナリティクス」といった知識を前提として、さらにクリエイティブな仕事が好きであることなど、モチベーションを高く維持して継続する力がすごく大事になるかなと思っています。私たちのスクールとしても、スキルはもちろん、モチベーションを高めるサポートもしていけたらと思っています。


●映像クリエイター Kyle yusukeさん

――ほかのクリエイティブ系の学校と比べて、「バンタンクリエイターアカデミー」の特長となる部分はどういった点がありますか。

yusukeさん:やはり、講師が現役のクリエイターであるというのがほかの学校にない大きな強みだと思っています。映像編集って結構流行り廃りがあるのですが、バンタンは現役でバリバリ働いているクリエイターの講師が多いので、今現場でまさに使っている“生きた技術”というのを生徒に直で教えられるというのはいいところだと思います。

――講師として学生さんと接する中で感じたことなどはありますか。

yusukeさん:僕の授業のなかでは「Adobe Premiere Pro」を使った映像編集を教えているのですが、入学以前からスマホアプリとかで編集をやっていて、ソフトのUIの違いさえ慣れてしまえばほとんど教えることがないような人もいたりします(笑)。中には授業の実習の中で独自のアレンジを加えたりする人もいて、現場で使えそうな発想もあったりで、僕としても刺激をもらっています。一方的に教えるだけでなく、講師と生徒がコミュニケーションしながら新しい発想を生み出していけるというのも、本学の魅力だと思います。

――yusukeさんから見て、インターネット動画の業界で活動する上で、必要になってくるスキルなどはどういったものがありますでしょうか。

yusukeさん:自分は演者ではないので、裏方の観点から言いますと、映像編集が出来るだけの人というのはたくさんいるので、これからの時代は「編集+マーケティング」ができる人が強いと思っています。伸びるサムネの作り方を考えられるとか、ターゲットの分析ができるとか、動画の構成を考えられるとか、そういった分析の視点を持った人材が必要になってくると思っています。


●今年入学した学生の皆さん

今年入学した永野さん(左)、馬場さん(中央)、佐藤さん(左)

――今回、YouTuber向けのスクールに入学したきっかけなどがあればお教えください。

永野さん:自分は中高生のころ、コミュニケーションがあまり得意な方ではなかったのですが、そんなときに見ていたYouTubeの動画で勇気づけられて、自分もこんな風に悩んでいる人や落ち込んでいる人を少しでも笑顔にできたらと思い、入学に踏み切りました。

馬場さん:高校までずっと吹奏楽をやっていて、自分の好きな音楽を広める仕事をしたいと思っていました。いまはコロナの影響などもあり、音楽も配信が主流になっているため、YouTubeなどとも密接なつながりがあります。なので、ここで学んだ技術などを生かして、自分の好きなことを広めていければと思い、入学を決めました。

佐藤さん:高校2年生の冬までは医療系の勉強をしていたんでが、3年生の時にコロナ禍の影響があり、これからの仕事について考える機会がありました。もともとYouTubeやSNSの影響力が社会的に大きくなっているのには注目していて、YouTubeで活動しているアイドルが好きだったのもあって、そういった方のマネジメントをしたいと思いたったのがきっかけです。

――これから「バンタンクリエイターアカデミー」で学んでいくにあたっての目的や目標などがあればお教えください。

永野さん:僕は「友情」というテーマがすごく好きなので、仲間とYouTube活動をやってみたいなという思いがあり、本学で横のつながりを持って、活動の幅を広げていきたいと思っています。今の情勢で、リアルでいろいろなことを経験できる機会が少なくなってきているので、自分がさまざまなことに挑戦する姿を見せて、見ている人に楽しんでもらったり、勇気を与えられたらなと思っています。

馬場さん:同じ学校の中でもいろんなタイプの人がいるので、さまざまな人と関わることで、自分の知らない世界を知っていけるかなと思っています。在学中の提携企業とのつながりも作れるというのもあり、ここでの経験を経て、今まで自分では思いつかなかったようなものを新しく作り出していきたいなと思っています。

佐藤さん:1つの建物の中に、いろいろな価値観や目的を持った人が集まっていて、将来のためにも、そういった人たちとの繋がりを大事にしたいと思っています。また、自分はマネージャーを目指しているので、特に人をサポートする技術というのを1番学びたいと思っています。

2022年には大阪校も開校予定

 インターネット動画業界のクリエイターは、若年層からの人気は高い職業であるものの、そのノウハウはまだまだしっかり形作られているとは言い難い。「好きなことで、生きていく」という夢を抱いてYouTuberを志したとしても、何のアテもなく人気を得る方法を模索するというのはいばらの道だ。そうした中で、今回開校した「バンタンクリエイターアカデミー」は、夢を追いかける人たちにとって大きな助けとなることだろう。

 なお、2021年は東京校のみ開校しているが、2022年4月には大阪校も開校予定だ。関西圏に住んでいて東京に通うのは難しいといった人は、そちらもチェックしてみてはいかがだろうか。

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