2021年のディスプレー新製品シーズンが始まった。CES 2021以降、発表と発売が続いているが、ユーザーのディスプレー更新スパンは比較的長めであり、慎重に選ぶものだし、PC側の環境更新傾向も関係してくるため、悩みがちだ。
とくにゲーミング用途を考えた場合、主流がフルHDから徐々にWQHDや4Kにシフトしており、ビデオカードの性能を見てもミドルクラス以上はWQHDが前提になりつつある。
というわけで、ゲーミングにも役立つ機能満載でリフレッシュレート240Hzに対応するIPSパネル搭載GIGABYTE製液晶ディスプレーの新製品「FI27Q-X」を見ていこう。なお、ここ最近のGIGABYTEの製品ネーミングルールを見るに、X=Xtreme、つまりハイエンド製品という扱いになる。
240Hzの高リフレッシュレートと
0.3msの応答速度をIPSパネルで実現
FI27Q-Xは27型のワイド(16:9)ディスプレーで、キーワードはWQHD、リフレッシュレート240Hz、応答速度0.3ms (MPRT) / 1ms (GTG)になる。リフレッシュレートと応答速度が要求されるFPSやTPSゲームへの対応、日本国内ではほどよいサイズとして人気の27インチ、画質とパフォーマンスのバランスのいいWQHDといった具合だ。
4Kにおいて高フレームレートの実現には、ハイエンドなビデオカードでも相当グラフィック設定を落とす必要があり、WQHDのほうがフレームレートを稼ぐ意味でも現実的だ。もちろん、60fpsが出ていればOKなゲームを遊ぶ際にもWQHDは解像度を確保しやすく、ゲーマーにも都合がいい。
ディスプレーはSuper Speed IPSパネルを採用しており、各色域のカバー率はsRGB142%、DCI-P3 93%、AdobeRGB 100%で、表面処理はノングレアになる。ギラついた感じはなく、色の見え方も視野角通りといったフィールだ。
カタログスペックを見ると、DisplayHDR 400に対応し、輝度400cd/m2、コントラスト比1000:1、画素ピッチ0.2331mmとなる。画面まで60~70cmの距離だとほとんどドットが気にならないレベルになる。
リフレッシュレートは最大240Hz。このときビット深度は10bit(8bit+FRC)となるが、144Hz以下の場合ではネイティヴ10bitになる。つまり色再現性が高いということだ。接続はHBR3をサポートするほか、FreeSync Premium、G-SYNC compatibleも。目への負担を減らすフリッカーフリーにも当然のことながら対応している。
なお、HDMI 2.0接続時は4K入力にも対応しており、ダウンスケールで表示される。リフレッシュレート60Hzに制限されるが、PCゲームだけでなく、PS4 ProやPS5でも遊ぶのであれば便利な機能といえるだろう。
応答速度はすっかり低遅延が当たり前になり、ミドルクラス以上の価格帯になると残像感をほとんど感じない人もいるだろう。本製品もその通りで、応答速度の調整をしなくても残像感と遭遇することはなかった。もちろん、生体的な個体性能差が出てくる部分であり、肉眼性能が優れる人は店頭でのチェックを推奨する。
特筆すべきは、色再現性に優れるが応答速度で劣るIPSパネルで、高速な応答速度を実現した点だ。「IPSパネルはキレイだけどゲームには向かない」という定説は、もはや通用しない。IPSの弱点を克服したSuper Speed IPSパネルの採用により、ゲーミングにおいてもIPSパネルを避ける必要はまったくないわけだ。
画面を回転して縦にすれば
ウマ娘をさらにエンジョイできる!
スタンドは脚部V字型になる。ゴツく安定感のあることに加えて、背面側は平坦な形状になっており、机の端にも設置しやすい。スタンド単体として出来がよく、キータイプの振動で画面が揺れることもないし、高さ調整をしたあとズリ落ちてくる気配もなかった。
高さ調整は130mmまで、ティルトー5~+21度、スイベル-20~+20度に対応しており、調整時に変な抵抗感がなく、止めたいところでピタっと止まってくれる。スタンド上部にはハンドルが用意されており、室内でのレイアウトアウト変更がやりやすいほか、位置調整時にパネル本体に触れないで済むのもポイントだろう。
なによりも便利なのがピボット(縦画面)前提の作りで、高さを最大にした状態でサクッとピボットに変更できる。直近であればPC版「ウマ娘 プリティダービー」との相性がいいし、テレワーク中にサブディスプレーとして資料を表示しておく目的にも合う。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう