スポーティーな走り(Sports)と実用性(Utility)を兼ね備えたクルマ(Vehicle)こと、SUVの人気は日本に留まらず世界でも大人気。その中で「都市型SUV」や「コンパクトSUV」と呼ばれるBセグメントSUVは激戦区で、各社から力作が登場しています。ですが、その多くは燃費のよいエンジンを搭載したエコ(Eco)で実用的だけれど、イマイチ走りが楽しめないEUVが殆どではないでしょうか?
その中で2月に日本上陸したばかりのルノー「キャプチャー」は、真のコンパクトSUVと言えるモデル。いきなり結論めいた事を申し上げますが、とにかく走りがイイ! 内装もイイ! 見た目もイイ! それでいながら、値段も国産BセグSUVの上位モデルとあまり変わらない約300万円! 勝手ながら現時点での「ベストバイなSUV」だと断言します!
筆者お気に入りの
日産キックスも良いSUVだが……
例年、年末になると1年を通して優れた1台を選ぶカー・オブ・ザ・イヤーが実施されます。昨年はスバルのレヴォーグが選出されました。レヴォーグは確かに素晴らしい1台です。筆者もちょっと乗る機会があったのですが、パッケージングの良さにビックリしました。ですがイマドキはステーションワゴンよりSUVの方が人気ですし、レヴォーグは最低グレードで310万2000円税込からと結構いいお値段。
そこでSUVらしいルックスと、e-POWER由来の静かさとトルク、Bセグメントという日本にピッタリの大きさと使い勝手、何より値段と完成度の高さから、日産の「キックス e-POWER」を勝手に2020年のベストバイとしてASCII.jpで推しました。何一つ権威ありませんけれど(2020年のクルマでベストバイを挙げるとしたら日産「キックス」しかない!)。
そのような内容の記事を書いて起きながら、新年あけて2ヵ月と少し、舌の根も乾かぬうちに「ルノーのキャプチャーを推すとは何事だ!?」というご意見はごもっとも。でも、12月に日本上陸していたらベストバイに推していたことでしょう。とはいえ、日産キックスは本当に完成度の高いイイクルマ。それは間違いありません。
ルノー・日産・三菱が共同開発した
プラットフォームを使用
先代のルノー・キャプチャーが登場したのは2013年のこと。Bセグメント・ハッチバックであるルーテシアをベースに、SUV化したモデルとして登場しました。当時、コンパクトSUVといえば、日産JUKEやHondaのVEZELがある程度。欧州の主要ブランドにBセグメントSUVというクルマはほぼありませんでした。この「コンパクトカーでは手狭だけれど、大きなSUVはちょっと……」というユーザー心理にピッタリ合致し、欧州で大人気に。その後、各社からBセグメントSUVが相次いで登場しましたが、それでもキャプチャーの人気は衰えること知らず。なんと2019年までの累計出荷台数は190万台を超えたのだとか。日本でも発売当初は注目されたそうですが、その後各社から強力なライバルが出たこと、そして日本のユーザーは運転支援などの装備を求めた結果、街で姿を見かけることは少なかったように思います。
2台目となる新型キャプチャーは2019年に本国フランスで登場。日本には、遅れること約1年の2021年2月の上陸となりました。シャシーは新型ルノー・ルーテシアのほか、日産NOTE e-POWERでも使われている、ルノー・日産・三菱が共同開発した新型プラットフォーム「CFM B」を採用。重量は1310kgと、SUVとしては比較的軽量なのも注目すべきところで、この軽さが走りに活きるのは言うまでもありません。
ルーテシアは新型になってもボディーサイズは変わらなかったのですが、キャプチャーは全幅1.5cm、全長約10cm伸長されて大型化。「コンパクトカーでは物足りない方はSUVをどうぞ」という考えなのでしょう。大型化といっても、全幅は約1795mm、全長4230mmなので、日本の狭い住宅街の道でも苦はないハズ。全高は1590mmと、立体駐車場の高さ制限(1550ミリ)を少しオーバーしているのですが、アンテナがバータイプではなくシャークフィンですので「ひょっとしたら入るかも」という期待を抱かせます。実際に入るか否かは試していないので、別の機会に試してみようかと。
エクステリアは丸みを帯びたデザインから、直線を多用した精悍なフォルムへ。フロントヘッドライトは近年のルノーではおなじみのCシェイプと呼ばれるポジションライトが配されています。SUVというと大きなグリルがドーン! というイメージが強いですが、他社を見回してもコンパクトSUVでは大きなグリルよりも、こういったデザインが多いですね。
横から見ると、きちんとSUVらしい後端上部がスラントしたクーペスタイル。全体的に直線を基調としてマッシヴな印象を与えています。そしてウインドウ下部に、流れを表現するかのようにクロームメッキ調のパーツがあしらわれていて、2トーンボディーを強調。2トーンは珍しくありませんが、個人的に初めて2トーンを見たのは初代キャプチャーだったような記憶があります。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります