山根博士のグロスマレビュー
ハイエンドメーカー・OnePlusのカジュアル5Gスマホ「OnePlus Nord N10 5G」のちょうど良さ
4眼カメラはマクロとモノクロという珍しい構成
それでは次にカメラ性能を見ていこう。カメラは6400万画素、800万画素・超広角、200万画素・マクロ、200万画素のポートレート用モノクロを搭載する。2万円台の5Gスマートフォンで高画質側は4800万画素より1つ上の性能、しっかりマクロも搭載し、ボケの効いた写真も撮れるということだ。なお日本で発売される「Redmi Note 9T」はこのOnePlus Nord N10 5Gより価格は安いものの、カメラは3つ。超広角がなく、6400万画素カメラも搭載しない。Redmi Note 9Tにちょっとお金を足せばOnePlus Nord N10 5Gが買えるというわけだ。そう考えると日本でぜひ発売してほしいと思ってしまう。
カメラのUIはモードの切り替えが「コマ送り」「パノラマ」「スローモーション」「ビデオ」「写真」「ポートレート」「夜景」「プロ」と多い。その代わりほかのメーカーのスマートフォンによくある「その他」はない。また、メインカメラはデフォルトでは1600万画素撮影となり、6400万画素で撮影をするには画面上にある「64M」をタップして切り替える。マクロの切り替えもその横にある花アイコンをタップだ。倍率切り替えは写真モードでは「0.6倍」「1倍」「2倍」の切り替えがワンタッチで可能であり、デジタルでは10倍までズームできる。ビデオは8倍ズームにまで対応する。
カメラを使って便利だと感じたのが、写真モードでもシャッターボタンを長押しするとそのままビデオ撮影ができること。静止画と動画を切り替えず、シームレスに撮影できる。また撮影直後、シャッターボタン横に表示されるプレビューアイコンを長押しすると、そのままSNSなどにシェアできる。これらもOxygen OSの機能であり、カメラの使い勝手もほかのスマートフォンよりいいと感じられる。OnePlusファンが多い理由が、この辺りからもわかるような気がした。
実際に筆者の居住する香港の街中でいくつか写真を撮ってみた。
さて、OnePlusはスマートフォンだけではなくケースやヘッドフォンなども販売されている。左右分離型イヤホン「OnePlus Buds Z」は1万円を切る低価格が魅力だ。本体はAirPodsのような形状で、専用ケースは楕円形の小型サイズ。本体のバッテリーは40mAhで5時間の音楽再生、3時間の通話が可能だ。ケース(450mAh)に入れて10分の充電で3時間の再生が可能だという。
ヘッドフォンの重量は4.35g、ケースの重量は40gとAirPodsとあまり変わらない。Bluetooth 5.0に対応し、利用できる距離は最大10m。防水はIP55に対応する。価格からわかるように音質にこだわった製品と言うよりも、Nordシリーズのスマートフォンと同時に買って、手軽に使うワイヤレスヘッドフォンという立ち位置だ。
OnePlusはハイエンドモデルを中心に展開してきたこともあり、高スペックなスマートフォンを求めるアメリカやヨーロッパのユーザーにも大きな人気だ。アメリカで5G端末をいち早く発売するなど、最新モデルを投入するタイミングは大手メーカーと変わらない。とはいえ、まだまだOnePlusを知る人は少ない。今回紹介したOnePlus Nord N10 5GはOnePlusのブランドをより広いユーザーに知ってもらうための戦略的な製品と言えるだろう。
日本の通信キャリアも5Gスマートフォンのラインナップを積極的に増やそうとしている。ぜひOnePlusにはハイエンドモデルだけではなく、このOnePlus Nord N10 5Gのように手軽に買える5Gモデルを日本に投入してほしい。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります