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アイリスオーヤマがロボット事業に本格参入、B2B Robot as a Service

2021年02月01日 09時00分更新

世界シェアの半数以上を販売した

 新会社では、法人向けサービスおよびロボットの提供と販売を開始する。

 アイリスオーヤマでは、2020年1月からWhizを販売してきた経緯がある。

 Whizは、ロボットの販売台数では世界一となったが、このシェア獲得に大きく貢献しているのがアイリスオーヤマだという。「アイリスオーヤマが、世界シェアの半数以上を販売した」(アイリスオーヤマ BtoB事業グループロボティクス事業部長・吉田豊執行役員)と胸を張る。

 同社では、米国疾病予防管理センター(CDC)の調査を引用し、病院施設では換気扇のエアフィルターに続いて、床面に新型コロナウイルスが多く付着していたという結果が出いることを示す一方、日本のバイオメディカルサイエンス(BMSA)の調査では、東京都内の軽症者受入施設において、床面には、多くの新型コロナウイルスが付着していたこと、往来が多い17施設を対象にした調査でも、床面を清掃後にHEPAフィルターのPCR検査を行ったところ、71%でコロナ菌が検出されたことを示すデータを提示。「床面の除菌清掃の重要性を訴えたことで、日本国内で、AI除菌清掃ロボットの普及につなげることができた」とする。

 こうした実績をもとに、新会社では、第1弾として、AI除菌清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」を発売。除菌や清掃業務の自動化だけでなく、外付けのサイドモップを新たに装着して、壁に近い隅まで清掃できるようにしたり、UVライトを外付けオプションで提供し、空間浮遊菌量の削減や、床面に付着したウイルスなどの削減効果を高めるという。また、床面を清掃したあとに搭載しいるHEPAフィルターのPCR検査を行うサービスも独自に提供していくという。

 さらに、様々な外部機器と接続できるコネクタを活用。スピーカーやカメラを用いて、販促やマーケティングへの活用など、清掃にとどまらない付加価値も提供するという。

 具体的には、アイリスオーヤマの商品や技術と連携。LED照明の制御技術を活用して、フロアの汚染度マップを提供したり、AIカメラと連携して、AI除菌清掃ロボットを防犯対策にも利用。棚の欠品情報を収集して、次の日の品出しのタイミングを早めるといった提案などにもつなげ、掃除用途だけに留まらないソリューションとして差別化を図るという。

 また、アイリスロボティクスでは、配膳・運搬ロボット「Servi」においても、新たにアイリスエディションを用意。飲食店やホテル、旅館、小売店などでの配膳、運搬業務の効率化や省力化の提案を加速。ここでもUVライトを外付けオプションで提供するほか、外部連携機能を強化。LED照明を制御する技術の活用と、エレベータの制御技術との連携により、ロボットがエレベータを呼び、指定のフロアまで商品や食事を持っていくといったサービスを行えるようにすることで、ホテルのルームサービスなどにも生かせると想定している。また、音声でのフロア案内や、電子決済を行うなど、配線ロボットとしての活用に留まらず、ソリューションの深堀りによって様々な使い方を提案。サービス向上と人件費削減につなげるという。

 サイドモップは2021年第2四半期、UVライトは第3四半期に発売する予定だ。

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