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憧れのポルシェ 911 ターボを初体験! その素晴らしさにクルマ選びのゴールを見た

2021年01月09日 12時00分更新

実用性が非常に高いスーパースポーツ

フロントに用意されたラゲッジスペースを開けたところ

見た目よりも奥深いスペースが用意されていた

 試乗に先立ち、まずは荷物を載せようとフロントに用意されたラゲッジスペースを開けてみることに。この手のクルマにしては容積があるばかりか、しかも車高が低く、フロントノーズが引くというポルシェ特有のレイアウトゆえ、意外と入れやすいではありませんか。もちろんスポーツカーですので、同サイズに乗用車は言うに及ばず、イマドキの軽自動車と比べても荷室は狭いのですが、1~2人が2泊3日の旅行をする程度なら十分すぎる積載量。この手のクルマにしては、実用性があるといえるでしょう。

運転席側のドアを開けたところ

ダッシュボードの様子

センターコンソールの各種スイッチ。サスペンションや車高調整、マフラーの音質変更、トラクション・コントロールのオフといった走りに関するボタンが目につく

センターコンソールの様子。シフトレバーはジョイスティックタイプ、電子式サイドブレーキを搭載する

運転席側サイドシルに、フロントのラゲッジスペース用リッド、リアのリッドを開閉するスイッチが設けらている。シートは電動で調整可能

 ドアを開けて室内へ。高い日常性という印象は、内装を見ていっそう強く受けます。スポーツカーやスポーツグレードにありがちな「これみよがしの太くて赤いステッチ」や「カーボンパーツ」は一切ありません。よく見るとダッシュボードに赤いステッチはありますが、目立つものではありません。ですが、適度なタイトさとコクピット感から「スポーティー」という言葉を想起させるではありませんか。このデザインセンスは見事。そして必要な機能が最適な場所にあり、無駄な機能は一切なし。さらに使い心地が良いから何も言うことがありません。

 思えばポルシェは関連会社に産業や商業のデザインを行なう「ポルシェデザイン」を抱えています。この会社はスポーツカーをデザインしているわけではありませんが、すべての商品が機能性を重視したシンプルさを特徴としています。その世界観と似ているのです。

911 ターボS カブリオレのステアリングホイール

ステアリングホイールから覗いたメーターの様子。センタータコメーターがスポーツカーらしい

タコメーターを中心に、2枚の液晶ディスプレーがドライバーに向けられているのがわかる

 インパネを見るとメーター類がすべてドライバーに向けられています。今まで色々なクルマに乗りましたが、これほど見やすいメーターは他にないのでは? と思うほどの高い視認性が得られます。

初期のポルシェ 911。一般的にはナローポルシェと呼ばれている

ナローポルシェのドライバーズシート。5連メーター、水平基調のデザインは50年前から引き継がれているものだ

 当日、試乗会場に50年以上前に作られた最初期の911が展示されていたので覗いたところ……、驚いたことにメーターのレイアウトが現行モデルと基本的に変わっていないではありませんか。さらに水平基調のダッシュボードデザインも初期から使われている……。ポルシェは使い勝手や機能拡張を50年以上の年月をかけてアップデートし続けてきたというわけです。変わっているけれど、本質は変わっていない。全面刷新する機会は幾度もあったハズ。ですが変えてこなかった。よくも悪くも変えることはカンタンですし、多くの人は「こいつ仕事をした」という評価が得られるもの。変えてこなかったというのは、実はカンタンなようでとても難しいことなのです。

センターコンソールに表示された各種インフォメーション

トリップメーター画面。燃費は100kmあたり22.5リットルなので、リッターあたり約4.5kmを記録していることを示す。ただし平均16km/hと、アイドリングをしている時間が長いため、実際の燃費はよくわからなかった

車両の各種設定画面

センターコンソールには時計が設けられている

 上質な革素材をふんだんに使った車内空間にウットリしたのは言うまでもありませんが、メーターパネルやダッシュボートの画面にもウットリ。解像度が高いだけでなく、UIが洗練されアニメーションがとても上品ではありませんか。そして触れるものすべてがカチッとした精密感に溢れています。こういった感触を大事にするブランドの1つに同じVWグループであるアウディが挙げられます。アウディもカチッとした感触があり「さすがドイツ製」と思わせるものがありました。ですがポルシェは更に上を行く質感。さらに精密感を演出するのが、ダッシュボード上に設けられた時計。秒針だけ指針で表示し、時刻はデジタルという変わったものなのですが、この秒針の動きが機械式時計のように1秒ごとにカチッと止まるのです。これがクルマの精密感と世界観を際立たせています。

ステアリングホイール側の走行モード切替スイッチを回転させると、メーターパネルにモードが表示される

センターコンソールのディスプレーで走行モードを切り替えている様子

走行設定画面。サスペンションの減衰量のほか、排気システムの音、スポイラーの有無が変更可能だ

 革巻きのステアリングホイールは太すぎず細すぎない絶妙な太さ。手の平にピタッと吸い付きます。ステアリングブリッジの親指部は見慣れたアイコンが並ぶのですが、見慣れないのは左手下側に設けられたモード切替のロータリースイッチが設けられ、WET、NORMAL、SPORT、SPORT PLUS、INDIVIDUAL(ユーザー設定)という5種類用意された走行モードを切り替えます。ロータリースイッチの中央には見慣れないボタンが。これは「スポーツ・レスポンス・ボタン」と呼ぶらしいのですが、どうやらSPORT PLUSモードの更に上のモード。20秒間だけモードが発動し、エンジンおよびトランスミッションの設定が最大パフォーマンスを発揮する状態になるのだとか。

前席を倒すとリアシートにエントリーできる

後席はレッグスペースがほとんどないもの

参考までにGT-R NISMO(MY20)のリアシート。こちらも快適に座ることはほとんど不可能だ

 シートはセミバケットタイプ。大柄の私が座ってみると脇腹に腹部のサポートが当たったのですが、このサポート部が電動調整可能! 細かくセッティングを煮詰めることができるので、ジャストフィットする場所が見つけられるでしょう。これなら長距離乗っても辛さはありません。一方、長距離どころか短距離でもツライのが後席で、足を入れるスペースは運転席側を相当前に出さない限り絶無。これに屋根を閉めれば頭に当たることは確実で、事実上のラゲッジスペースといったところ。このような「座れないシート」は、GT-Rも一緒だったりします。

アームレストをあけたところ

 使い勝手の面でいえば、アームレストの中にはUSB-Aタイプのレセプタクルを2個と、SDカード、そしてSIMスロットが用意されています。SDカードは試していませんが、恐らくオーディオ用途でしょう。アームレストは大型ですので、近年の大画面スマートフォンでもラクラク収納できます。

イルミネーションの設定画面

夜になるとLEDで各所が照らし出される

 面白いのは、室内イルミネーションが設定できること。夜になると間接照明が灯り、室内はいいムードを演出してくれます。

 カブリオレモデルですので、ルーフの動作もチェック。ロック機構も含めて30秒ほどで開閉できます。これなら信号待ちの間にカンタンに開けることができます。風の巻き込みは、ドアウインドウを上げればそれほど入ってこない様子。さらにタルガトップではありませんので、風切り音も静かでした。

クルーズコントロール系のレバーは、ステアリングコラム右側に用意する

360度ビューカメラを装備

 運転支援系も充実。アダプティブクルーズコントロールに車線監視機能を付けた自動運転レベル2相当の機能を搭載しています。操作方法は、欧州車にありがちなステアリングコラムから延びるレバーを操作するタイプなのですが、恥ずかしながら日本車に慣れている身にとって、このレバータイプの操作がよくわからず。高速道路に乗って試そうとしたのですが、上手く動かすことができませんでした。「パナメーラやカイエンならともかく、911にそんなモノはいらん!」という声も聞こえそうですが、個人的には、長時間の高速道路を安全かつラクに走るには必要だと思っています。そのほか、ソナーや360度ビューカメラ機能も用意。車庫入れが苦手な人も安心です。

911 ターボS カブリオレ

 運転席に座り色々触れるにつれ、ポルシェの世界観や魅力を感じ始めた私。当初抱いた「3000万円はいくらなんでも高すぎる」という印象は少しだけ薄れてきました。ですが、どちらかといえばスポーツカーというよりもGTカーのような印象を受けます。「GTカーが欲しければパナメーラがあるし……そもそも、911はスポーツカーでは?」という疑問が頭をもたげてきます。クルマは走ってナンボという私。はたして911 ターボS カブリオレの走りはいかに? 緊張しながらフラット6ターボに火を入れて、街へ出てみることにしました。

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