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新VAIO Zは5G対応に、フルカーボン筐体の採用で生まれ変わった

2021年02月18日 13時00分更新

マイク性能にこだわりを見せる

 増えてきたウェブ会議の需要を踏まえ、マイク性能を強化。マイク自体を改良したほか、ベゼル穴からマイク穴までの音道確保や、マイク用のクッション素材を見直し、制震性の高いゴム素材にするといった取り付け方法の最適化もしている。マイク部分の密閉度が上がることで、キーボード打鍵音を拾うことが減ることに加え、ビームフォーミングの指向性が向上し、周囲のノイズを拾いにくくなるといったメリットが得られるという。

 207万画素のフロントカメラは物理シャッター付き。ほかにも、Dolby Audioによる音声だけを聴きやすくするエフェクト、そして大型のスピーカーユニット、マイクミュートショートカットなどを用意している。

よく見ると充電器のUSB Type-C端子部分は先が少しすぼまった、台形になっているのが分かる。

 また、人感センサーと顔認証を併用した「着席オートログオン」「離席オートロック」「在席ノーロック」、電源ボタンと指紋認証を併用した「ワンアクションログイン」といったユーザーにとっての使いやすさを追求。起動時の指紋認証は、BIOS起動時にも適用される。なお、BIOS認証(Phoenix PassKey)は、これまでのパスワードだけでなく、Bluetooth端末、セキュリティキー、USBフラッシュメモリーからも可能だ。

 ほかにこれまで法人向け中心に提供してきた紛失・盗難時の位置情報確認、リモートロック/アンロック、リモート消去用の「TRUST DELETE for VAIO」を個人向けにも提供。スマートフォンアプリからこれらの操作の指示ができ、VAIOのBIOS機能と連携してストレージ内容の確実な消去もできるという。

VAIOの素材へのこだわりが結実した製品

 VAIO Zシリーズはソニー時代、2008年のVAIO type Zに端を発し、モバイル体験を向上させるため、高性能と高機能を追求してきた。側面から見るとZのような形にもできる、独特のフリップ構造など、デザイン面でも注目を集めてきた製品だ。また、VAIOシリーズとしては2003年に業界に先駆け、UDカーボン採用の「VAIO X505 EXTREME」が投入されている。素材と加工に対するVAIOのこだわりが、凝縮されたのが今回の「VAIO Z」と言えるだろう。

特徴であるカーボン。UDカーボンの積層板を利用しており、曲げ加工や削り出し加工など、日本メーカーならではの細かな技術で作り出されている。

 2021年のVAIO Zでは、マグネシウム合金やアルミニウム合金に対して比弾性率が2倍程度も高いカーボンファイバーを採用。さらに、天板のサイド部分を「コ」の字に曲げて加工、ヒンジ部分を「V」の字型に曲げるなどして剛性を確保。さらに、パームレスト手前と左右を立体構造にしたり、底面部、奥の隅に角を落としたような絞りを入れるなどしている。これらの構造によって剛性を確保したことで、内部のリブを減らせ、基板レイアウトの自由度が向上、十分なスペースを確保できるため、放熱面でも有利だという。

トップカバー部分。左右を曲げて強度を高めている。上部はアンテナが来るため抜いている(モールドで一体成型するのではなく、別パーツを組み合わせるとのこと)。

キーボード面は、削り出し加工で抜いているそうだ。

角に絞りを入れて強度を確保している。

 剛性の面では、合計26面(90cm6方向/76㎝20方向)と鉄板上への落下、150kgfの加圧、液晶ハウジング加圧試験、ペンはさみ試験、キーボード水かけ試験、角衝撃試験、本体ひねり試験などを実施。また、「通常のVAIOの試験と比べれば、それほど厳しくはないが」と前置きしているが、MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した試験も新たに追加しているという。

堅牢性の比較(単純なUDカーボン積層板と、折を入れたVAIOの天板)

左右をコの字型に折るなどしており、カーボン天板のほうはほとんどたわんでいない。

比較するとたわみ具合の差が分かる。

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