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ソニー創業のエレクトロニクス、事業のコアは技術であり、技術の開発にフォーカス

2020年09月10日 13時30分更新

井深大氏の設立趣意書、そして、盛田昭夫氏の言葉を参考に

 ソニーエレクトロニクスの石塚茂樹社長兼CEOは、2021年4月から、ソニーの商号を引き継ぐ会社のビジョンに、「世界中の人と社会に、テクノロジーの追求と新たなチャレンジによって、『感動』と『安心』を提供し続ける」を掲げることを明らかにした。

 「ソニーは、テクノロジーを詰め込んだエレクトロニクス商品でブランドを築き、事業領域を広げてきた。ソニーのエレクトロニクス事業のコアはテクノロジーであり、テクノロジーの開発にフォーカスし、新たなことに対するチャレンジ精神で挑み続けてきた。いまのような困難な時代こそ、チャレンジするソニースピリットが大切である」とする。

 このビジョンを策定する上で、石塚社長兼CEOは、創業者の一人である井深大氏によってまとめられたソニーの「設立趣意書」を改めて読み込み、経営幹部全員で議論を重ねたという。

石塚 「時代に応じて言葉を変えることはあるが、経営の羅針盤をまったくぶれていない。設立趣意書に書かれたソニーの創業の精神は、いまの時代に即した言葉になっている」とし、「ソニーの創業者精神を大切にし、これをもとにしたビジョンを徹底して社内に浸透させる。2021年4月からスタートするソニーのビジョンは、来年度から開始する中期計画においても基盤になる」

 もうひとつ、石塚社長兼CEOは、「新型コロナウイルスが、社会を変えてしまったいまこそ、長期視点に基づく経営の重要性を痛感している」と語る。

 「長期視点に基づく経営」とは、ソニーのもうひとりの創業者である盛田昭夫氏の言葉だ。これは、2020年5月に行われたソニーの経営方針説明において、同社の吉田憲一郎社長兼CEOが言及した言葉でもある。

石塚 「目の前にあるコロナ危機は、これまでに何度も危機を乗り越えてきた経験をもとにすれば、乗り越えられるだろう。問題は、アフターコロナのあとの成長路線をどう描くかである。エレクトロニクス事業全体で、どんな成長路線を描き、いかに新規事業を開拓していくか。ここに新たなチャレンジがある」

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