社内変革、事業継続性、従業員体験、コロナウイルス対応にどう貢献するのか
「G Suiteがなかったらと思うと、ゾッとする」 YKK AP、リクルートが事例を披露
2020年9月3日、Google Cloudは、G Suiteを導入し、DXに取り組んでいる事例として、YKK APおよびリクルートホールディングスの2社の取り組みについて説明した。社内変革、事業継続性、従業員体験、そしてコロナウイルス対応などさまざまな観点で、G Suiteがどのように効果を挙げたのか、具体的な事例を踏まえて紹介された。
G Suiteの運用コスト、クラウド化、働き方改革でのメリット
大手アルミ建材メーカーのYKK APでは、オンプレミスで運用していたコラボレーションツールの保守期間切れにあわせて、運用コストの削減やクラウド化への移行。新型コロナウイルスの感染拡大前から取り組んでいた在宅勤務を視野に入れた働き方改革の観点から、新たなツールの導入の検討を開始した。その結果、G Suiteを選択したという。
運用コストの観点では、サーバーの運用やクライアントのバージョンアップ作業が不要になるなど、運用チームの工数とハードウェア費用が削減された。「メールのアーカイブ運用といった新たなリクエストへの対応など、新機能に対する工数削減でもメリットがあった」(YKK AP IT統括部グローバルITセキュリティ&ガバナンス室の齋藤充宏室長)という。
クラウド化では、社外利用時におけるVPNへの負荷を軽減。海外出張時の利用にも適しているほか、コロナ禍において、一斉に在宅勤務が開始されても、安定的な運用を実現したという。マルチデバイス化にもスムーズに対応。一方で、セキュリティ機能を独自に追加したことによって、端末自体のセキュリティ強化もできたという。
そして働き方改革では、G Suiteの導入後、外出先でファイルやメールが簡単に閲覧できることに対する評価が高かったという。また、ビジネスエディションに搭載されているGoogle Cloud Searchによって、過去のメールやファイル、カレンダーなどをまとめて検索できるため、過去の情報資産を活用したり、生産性を向上できたという点での効果があったほか、会議時間設定のお勧め機能を活用して、効率的に会議のアレンジができるようになったという。
また、同社では、Google App Scriptを使用して、カレンダー情報をスクリプトで収集し、業務分析する仕組みを構築。従業員が、どんな仕事に時間をかけているのかを可視化し、業務改善につなげているという。管理部門で取り組んだところ一定の成果をあげており、これを横展開していくことになる。
コロナ禍の社内アンケートでも半数は困りごとなし
新型コロナウイルスへの対応としては、緊急対応プロセスを迅速に構築した点で、G Suiteが貢献したという。
Googleサイト、Googleフォーム、Googleスプレッドシートを積極的に活用。Googleサイトでは情報を収集し、各所の対応状況を見える化。Googleフォームによる各種申請への対応を行えるようにしたという。「なかでも、もっとも高い効果を生んだのは、Googleスプレッドシートの活用だった。出社状況や在宅勤務、体調不良者の報告と集計を効率化し、午前中の段階で出社状況を把握できた」という。
また、在宅勤務へのスムーズな移行としていう点では、Google Meetの活用が効果を発揮したという。社内会議や顧客とのコミュニケーションにもGoogle Meetを利用。在宅勤務を実現する上で欠かせない役割を果たしたという。
「現時点では、G Suiteに関するセキュリティイシューは発生していない。ウェブ会議の脆弱性の問題も発生していない」とした。
2020年5月に、新型コロナウイルスの感染拡大後の業務における困りごとについて、社内アンケートを実施したが、半数以上が「とくにない」と回答。在宅勤務でもスムーズに業務が継続していることがわかった。「従来からテレワークを推進していた経緯があったことに加えて、コロナ対策本部を設置し、社員に向けたタイムリーな情報発信を行ってきた点も、困りごとがないということにつながっている」と分析。一方、IT環境の不備は3.0%と低く、コミュニケーション不足に対する不満も12.0%に留まっていたが、「G Suiteをうまく活用することで、コミュケーション不足はさらに解消できると考えている。この結果をもとに、人事部では、G Suiteを活用した上司と部下のコミュニケーション手法の紹介資料を提供するといったことも行なっている」とした。
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