標準構成でも十分なパフォーマンス
本機はCPUが8コア/16スレッドで動作するIntelの「Core i7-10875H」、GPUがNVIDIAの「GeForce RTX 2060」が搭載されている。今回の試用機はベーシックな構成のモデルで、メモリーは8GB×2枚で16GBのデュアルチャネル対応、ストレージはNVMe対応の512GB SSDが搭載された状態で、直販価格は送料(3000円)込みで23万4080円だ。
ストレージに関してはBTOでの増設が可能になっていて、NVMe対応のM.2 SSDを1つと、SATA 3接続の2.5インチSSDもしくはHDDを1つ追加できる。合計3基のドライブを内蔵でき、大容量データの持ち運びにも便利なのは、2019年モデルベースの本体ならではと言えるだろう。
それぞれの構成パーツの性能チェックを兼ねて、各種ベンチマークテストを行なってみた。
「CINEBENCH R20」の結果は、CPUマルチで「3281pts」、CPUシングルで「485pts」のスコア。ノートPCとしてはかなりの好成績だ。一世代前の第9世代ノートPC用Core i7は、最上位モデルの9850Hでも6コア/12スレッド動作。第10世代ノートPC用Core i7の最上位CPU「Core i7-10875H」は、8コア/16スレッド動作になり格段に性能が向上した。実力的には前世代のワンランク上のCore i9に近くなり、デスクトップPCに迫る性能といっていいだろう。
3Dリアルタイムレンダリングのパフォーマンスを計測する定番ソフト「3DMark」では、DirectX 12対応で解像度が2560×1440ドットのWQHDがプリセットとなっているTime Spyを使用。スコアーは6671。PCケース内に余裕があり、熱処理がノートPCよりも高い、デスクトップPCの場合同じRTX 2060で7000をやや超えるくらいなので、まずまずのスコアー。
クリエイター向けといってもさまざまな分野があり、ゲーム開発をする場合には、当然ながらプレイ環境を想定して作業する必要がある。RTX 2060はゲーム用途としてはミドルレンジに位置するGPUだが、ノートPCでの使用となれば発熱や稼働時間などがネックになるため、コスト的に最適解に近いGPUだと思える。
次は「CrystalDiskMark」を使って、ストレージの速度を計測。NVMe対応のSSDであるため、SATA接続のSSDがシーケンシャルリードで500MB/sくらいなのと比べると、格段に早い。
SATA接続のSSDでは、Adobe「Photoshop Lightroom Classic」から吐き出されるPSD16bit形式ファイルの書き込みが間に合わなくなり、止まってしまうことがあるため、写真を中心に扱うならストレージはNVMe対応のSSDが絶対条件といえよう。
搭載されているCPUやGPU、ストレージなどの各パーツは、どれも一線級の性能があり、不満は感じないレベルだ。DAIV 5N-OLEDは、ベースになっている基本構成で16GBメモリーとNVMe対応の512GB SSDが搭載されているため、BTOでカスタマイズしなくても全く不満を感じることはない。現場での作業や確認に利用するなら、カスタマイズ無しのモデルで十分だろう。
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