久々の連載再開です。スポーツカーが大好きな美人歯科衛生士兼モデルである星野奏さんに、国内外のスポーツカーを診察してもらうこの連載。その連載当初から個人的に「ぜひ乗ってもらいたい」「絶対に似合う」と思っていたクルマがありました。それはフランス、アルピーヌが創るピュアスポーツカー「A110」。実にエレガンスな1台です。
そのアルピーヌA110に高性能ヴァージョン「A110S」が、今年日本上陸をはたしました。これは好機ということで星野先生にクリニックしてもらいました!
往年の名車・A110のオマージュ
アルピーヌの名を聞いてトキメキを覚えるのは、おそらく昭和生まれの人。平成生まれの星野先生は「初めて聞くメーカーです。何て読むんですか? アルパイン? アルペン?」とアルピーヌをご存じありませんでした。それもそのハズ、アルピーヌは1956年にフランスのレーシングドライバーで、ルノーのディーラーを経営していたジャン・レデレが興したメーカー。当初はルノーのチューンナップおよびレースバージョンを数多く手がけていました。
そのアルピーヌの名が一気に広まったのは、1963年に登場したコンパクトな2ドアクーペ「A110」。車体の中心軸に鋼管を配したバックボーンタイプのシャーシに、FRP製モノコックを載せた800kg程度のボディーに、1100~1600ccというコンパクトな直4エンジンをリアに配置したA110は、モンテカルロをはじめとする主要なヨーロッパラリーを席巻。そして1973年にはWRC(世界ラリー選手権)の初代コンストラクターズチャンピオンに輝きました。
現代に蘇ったアルピーヌA110は、ボディーサイズは86/BRZとほぼ同じでありながら、車重は1110kgと86/BRZと比べて100kgほど軽量です。エンジンは約250馬力を発する1.8リットル直4ターボ型で、それを運転席後方にミッドシップマウント。7速DCTの組み合わせです。A110Sは、そんなA110を約300馬力へとパワーアップし、サスペンションやスタビライザーを強化。そして天井をカーボンにして低重心化を図ったモデル。価格は899万円で、A110のPureエディションと比べると約90万円アップ。ライバルはズバリ、ポルシェ「ケイマン」のハイパフォーマンス版「ケイマンS」。あちらも4気筒のミッドシップで、車両価格もほぼ一緒です。
美しいボディーラインは初代アルピーヌをオマージュしたもの。それはA110Sと同じです。「このデザイン、とても可愛いですね」とトキメキを覚える星野さん。「優しい雰囲気がありますね。あとゴテゴテしていないのもいいですね」と気に入られたご様子です。「この色も面白いですね。白というか、グレーというか。スポーティーグレードというと、真っ白いボディーに赤いラインというのが定番ですけれど、同じ白でも落ち着いていて、それでいて印象の残る色見です」。A110Sは一見、何も変わっていません。ただよく見ると、ALPINEやAのエンブレムなどが光沢のあるシルバーからブラックに変わっている程度。このセンスがオシャレ大国のフランスらしいです。
カーボンルーフを目ざとく見つけた星野先生。「スポーツカーというとカーボンというイメージはありますよね。カーボンボンネットはよく見かけますけれど、カーボン天井はなかなかないかな。でも絶対に効果ありますよねコレは」
収納は気になるところ。アルピーヌA110Sの収納は、フロントとリアの両方に用意されています。フロントはバックパックが2個、並べて入る程度の容積。リアは機内持ち込みサイズのスーツケースがギリギリ1個入る程度です。「これでゴルフは行けないんですね。そこはちょっと残念ですけれど、後ろにエンジンが載っていますから仕方ないかな」
さて、エンジンを見ようとした星野先生。ですが残念ながら見ることは叶いませんでした。中を見るにはあれやこれや板を外さないとダメで……。取材時は雨が降っていたこともあり、諦めました。
ブレーキはベンチレーテッドディスクにブレンボキャリパーの組み合わせ。サイドブレーキは電子式で、ブレンボに電子サイドブレーキに対応するリアキャリパーがなかったことから、アルピーヌA110のために専用設計させたとか。ちなみにタイヤサイズはA110と比べて大型化しているようです。
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