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基本テレワークの時代にオフィスが果たす役割は?

オフィス規模の半減を表明した富士通、しかし狙いは経費削減ではない

2020年08月13日 14時30分更新

コロナ禍に乗じた“経費削減”施策ではない

 富士通が発表したこれらの新たな働き方は「オフィス半減」「通勤定期券代の廃止」といった言葉が話題を集め、同時にコスト削減につながる施策との見方も出た。

 富士通の時田隆仁社長は、「オフィス半減が前面に出てしまい、我々の意図と違って、残念なところがある」と話す。

 2022年度末までにオフィスを半減することについては、「結果として、半減までいくかどうかを精緻にみたわけではない」とし、通勤定期代廃止についても「場所を限らない限定しない働き方においては、通勤定期代を支給しないことにした。必要な交通費や出張旅費は、都度、精算する仕組みになる」と語る。

コストは減るかもしれないし、増えるかもしれない

 そして、コスト削減効果については、「プラスもあれば、マイナスもある。コラボレーションスペースを作り、いままでのオフィスの在り方とは違うスペースを作る計画である。その結果、相殺して、コスト削減に効いた部分は、体験や経験をもとにしたソリューションづくりにあてていくことになる」とする。

 緊急事態宣言や外出自粛要請もあり、テレワークが浸透した2020年度第1四半期(2020年4月~6月)は、「テレワークの実施や渡航制限などがあり、海外旅費がまったくなくなったり、イベントの取りやめ、ウェブ開催に移行したことなどにより、正直、コスト削減効果が出ている」(富士通 取締役執行役員専務/CFOの磯部武司氏)。

 としながらも、「Work Life Shiftは、コスト削減を目的とした活動ではない。働き方を変え、生活の仕方を変えていくことを目的としている」とコメント。「確かに、定常的に使うオフィスのボリュームは半減を目指すが、その一方で、新たな働き方にあわせた投資も行っていく。通勤定期代の支給は廃止するが、在宅勤務のための環境整備費用補助金を支給するといったように、新たな働き方にあわせた形で、支出のバランスを変えていくことになる。出張旅費、海外旅費の削減効果はあるが、Work Life Shiftにおける新たな投資をセットで考え、働きやすくするための支出に振り分けていく」と語る。

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