週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

動画エンコードや軽めなゲームの性能は?Renoirこと「Ryzen PRO 4000Gシリーズ」3モデルを追加検証

2020年08月17日 11時00分更新

実アプリやゲームでのパフォーマンスを見たい

AMDから評価用にお借りしたRyzen 7 PRO 4750G。パッケージは既存のRyzen 3000シリーズと同じだが、マザーボードのBIOSはAGESA Combo V2 1.0.0.2以降である必要がある

 Zen 2+Vegaで構成されたRenoirことRyzen PRO 4000Gシリーズは、今最も注目されているCPU(AMD的にはAPUだが)と言って良いだろう。グローバルではOEM向けの製品だが、日本国内では「Ryzen 7 PRO 4750G」「Ryzen 5 PRO 4650G」「Ryzen 3 PRO 4350G」の3モデルが“バルク品”として流通する。

 これまでのAMD製CPUではGPU内蔵モデルは物理2コアないし4コアに制限されていたため、CPUパワーを重視する場合はビデオカードが必須となるRyzen 3000シリーズしか選択肢がなかった。しかし、Ryzen PRO 4000Gシリーズによって、物理6コアないし8コアのCPUを使っても、ビデオカードなしで運用することが可能になった。

 Ryzen PRO 4000Gシリーズの基本的性能については、既に速報記事で明らかにした通りだ。GPUを持たないRyzen 3000シリーズに比べ、同コア数なら性能でやや下回るが、ビデオカードが不要なため消費電力は全般的に低い。多コアで内蔵GPUを備えたCPUといえば、インテル製のCoreプロセッサーがこれまで唯一無二の選択肢であったが、Ryzen PRO 4000Gシリーズは圧倒的なワットパフォーマンスを示している。

 本稿はRyzen PRO 4000Gシリーズのパフォーマンスについて、さらにさまざまなベンチマークを通じて性能を明らかにしていきたい。前回は触れる事のできなかった実ゲームやクリエイティブワークでのパフォーマンスは、既存のRyzen 3000シリーズにどこまで迫れているのだろうか?

 今回の検証環境も前回と全く同じである。Ryzen PRO 4000Gシリーズ3モデルと同コア数のRyzen 3000シリーズや、1世代設計の古いRyzen 3000Gシリーズ、さらにインテルの第10世代Coreプロセッサーと対決させる。

 今回検証用にと受領したRyzen 7 PRO 4750GのサンプルはGPU周りに不具合を抱えた個体であることが前回明らかになったが、レビュー用サンプルが少ないこともあり、まだ完璧な個体を受領できてはいない。ただデータを見る限り、特定のベンチだけ動かない軽微な不具合であるようなので、そのままデータを使用している(前回と今回のベンチマーク実施時期は同じで、単に記事をまとめる時期だけが異なるだけなのだ……)。

 また、GPUを持たないRyzen 3000シリーズに関しては、補助電源なしで動作する「Radeon RX 560」を搭載したビデオカードを追加している。

【検証環境】
CPU AMD「Ryzen 7 PRO 4750G」(8C/16T、3.6~4.4GHz)
AMD「Ryzen 5 PRO 4650G」(6C/12T、3.7~4.2GHz)
AMD「Ryzen 3 PRO 4350G」(4C/8T、3.8~4.0GHz)
AMD「Ryzen 7 3700X」(8C/16T、3.9~4.4GHz)
AMD「Ryzen 5 3600X」(6C/12T、3.8~4.4GHz)
AMD「Ryzen 3 3300X」(4C/8T、3.8~4.3GHz)
インテル「Core i7-10700K」(8C/16T、3.8~5GHz)
マザーボード ASRock「B550M Steel Legend」(BIOS P1.10)
ASRock「Z490 Steel Legend」(BIOS P1.20)
メモリー G.Skill「F4-3200C16D-16GTZRX」
(DDR4-3200、8GB×2、CPUの定格で運用)
ビデオカード ASUS「ROG-STRIX-RX560-O4C-EVO-GAMING」
(Radeon RX 560、Ryzen 3000シリーズのみ)
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット SilverStone「ST85F-PT」
(850W、80Plus Platinum)
CPUクーラー ENERMAX「ETS-N31-02」
OS Windows10 Pro 64bit版(May 2020 Update)
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事