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一方、大学生は学業のためにパソコンを購入する

「スマホで十分」と語る、パソコンを持たない高校生たち

2020年07月22日 09時00分更新

オンライン授業もスマホで受講する若者たち

 高校生大学生を対象としたLINEリサーチのオンライン授業に関する調査(2020年4月)によると、オンライン授業・学習で利用するデバイスは、高校生では「スマートフォン」が72%、「タブレット」が23%、「パソコン」が22%に。大学生では「ノートパソコン」が75%と最多になるものの、「スマートフォン」も57%などと言う結果になった。パソコンを持たず、オンライン授業もスマホで受講する若者が多いのが実態だ。

 なお、家で利用しているインターネット環境について高校生に聞いたところ、「光回線」は42%、「何かはわからないがインターネット回線」は26%、「モバイルWi-Fi」が14%などとなっており、「家でインターネット回線は使っていない(ネット使用時はスマホの回線を使う)」も2%いた。スマホの回線のみの場合、オンライン授業受講がかなり厳しかったと考えられる。若者のパソコン利用実態について見ていきたい。

Classiなどオンライン授業を支援するプラットフォームはスマホにも対応しているが……

高校生は趣味、大学生は学業のためにPC購入
しかし「スマホで十分」という意見も

 高校生・大学生を対象としたテスティーラボの「パソコン・ネットリテラシーに関する調査」(2020年6月)によると、パソコンの所有率は高校生が7割強(自分専用・家族と兼用・自分専用と家族兼用を所持の合計)、大学生が9割強(同)だった。パソコンを持っていないと回答した人たちのうち「パソコンがほしい」と回答した人は、高校生は73.6%、大学生は54.5%だった。

 パソコンを購入したきっかけは、高校生では「趣味のため」が50.9%、「学業で必要になったため」が37.2%に。一方、大学生では、「学業で必要になったため」が82.0%、「趣味のため」は13.8%となった。入学時にパソコン購入を求められる学校もあり、学生は主に学業で必要となったことがきっかけで購入することが多いことがわかる。

 一方、「(パソコンを)あまりほしくない」「ほしくない」と回答した人に対して理由を聞いたところ、「スマホ(またはタブレット)で充分だから」が女子高校生では72.2%、男子高校生では70.0%、女子大学生では33.3%、男子大学生では33.3%といずれも最多だった。「持っていなくても不自由しないから」という回答も多く、「パソコンの価格が高いから」という理由は少数派だった。

 「パソコンはよくわからないし、スマホだけでいい。スマホなら何でもできるし」とある女子高生は言う。「でも、スマホはないと絶対に困る」。人と連絡を取ったり、地図や乗換案内を利用したり、音楽や動画、ゲームを楽しむなど、スマホは普段から日常的に使っている例がとても多い。学生がパソコンを必要とするのは、学業上で必要となるときであり、それまではスマホですべてをこなしていることがほとんどだ。

 しかし、スマホはアプリを入れれば多くのことができるようになるが、できないことや向いていないこともある。オンライン授業受講や、資料作成や文章作成など、学業にはパソコンのほうが向いているだろう。オンライン授業の受講は、スマホのほうが他のデバイスより疲労度が高かったと聞く。若者はスマホ以外のデバイスの利用経験に乏しいことが多いが、他のデバイスが使える環境を与えてあげることも必要ではないだろうか。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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