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ポイントは周波数20Hzと痛みを感じにくい技術力、クリスティアーノ・ロナウド選手が監修も担当

隙間時間や在宅勤務中にもトレーニング、痩せるではなく“健康的な身体を目指す”ためのEMSトレーニングギア「SIXPAD」の誤解していた3つのこと

2020年07月27日 13時00分更新

トレーニングギア「SIXPAD」

 在宅勤務になって、家でも仕事がしやすいような環境はほぼ整った。アスキーの編集部員なので、パソコン周りはほぼ問題なく快適だ。しかし、買い物以外では外に出ない生活を続けていると、ある課題にぶつかった。運動不足で太ってきているのだ。

 基本デスクワークなのでなかなか運動する機会も時間もなく、これはヤバいなと思っていた。そんな折、トレーニングギア「SIXPAD」シリーズなどを開発・販売するMTGから、EMS製品を紹介したいと連絡があった。

 MTGは、お腹周り(腹筋・ウエスト)を鍛える「Abs Belt」や、腹筋を集中的に鍛える「Abs Fit 2」のほか、足を乗せることで歩くための筋肉が鍛えられる「Foot Fit」など、様々な部位を鍛えるトレーニングギアを開発。加えて、トレーニングスーツやサプリなども開発・販売している。

 正直、紹介したいといわれたとき最初に思ったのは「えー、本当に効くの?」だった。というのも、世の中で知られている「腹筋ベルト」なるものが本当に効果があるのか懐疑的だったし、一度低価格なものを購入して使ってみてとくに効果がなかったからだ。しかし、MTGの方に説明をしてもらったところ、自分の認識にいくつかの誤りがあったことがわかったのだ。

誤解その1、周波数が高すぎても低すぎてもダメ
40年以上EMSのトレーニング効果の研究でわかった20Hz

SIXPADシリーズは、運動医科学界を牽引する京都大学の名誉教授である森谷 敏夫氏が監修している

 まず、誤解していたのがEMSの周波数だ。私は詳しくもないため周波数なんて高いほうがいいだろうと思っていた。

 MTGによると、周波数は高すぎても低すぎてもダメで、20Hzであるというのが効率的で重要とのこと。20Hzは、EMSのトレーニング効果について40年以上研究を行なっている京都大学の名誉教授である森谷 敏夫氏が、筋肉が発達するメカニズムに着目し見出した周波数なのだ。

 森谷氏の研究により、20Hzよりも高い周波数を用いると、約60秒で筋肉の張力が低下してしまい、20Hzと比べるとトレーニング効果があまり出ないのだそうだ。それに対し、時間が経過しても張力を保っているので、継続して効果的なトレーニングが行なえるということが結論付けられたというわけだ。

 ただ、20Hzを製品に採用するのは、簡単なことではないらしい。それは“痛い”から。20Hzは、低い周波数特有のピリピリした痛みがあり、その痛みを感じさせないようにするためには技術的な課題があるため、製品化が難しいのだ。SIXPADは、MTGの技術開発力により、20Hzを用いつつも痛みを感じにくい独自の波形開発に成功。これにより、痛くなりにくいまま20Hzを用いた製品を開発できたのだ。

 なお、MTGがEMSを駆使したトレーニングギアの開発のために森谷氏のもとに相談に行った際は、断られたのだという。それは、巻くだけで痩せるというような誤った認識を植え付けるような、誇張されたEMSの情報が出回っていた時期で、そのせいでEMSが誤解されていたため、はじめはMTGもそのたぐいだと思われていたからだそうだ。しかし、健康的な身体づくりのために本気だという熱意を伝えたところ、それならと協力に同意してくれたのだという。

誤解その2、クリスティアーノ・ロナウドは広告塔ではなく監修として開発に協力している

クリスティアーノ・ロナウド選手は、宣伝を担当しているわけではなく、開発段階から監修・アドバイザーを担当している

 以上が、私がEMSに対して勘違いしていたことだ。続いて勘違いしていたのが、SIXPADとクリスティアーノ・ロナウド選手との関係性だ。

 おそらく多くの人が、SIXPADを何で知ったかというと、クリスティアーノ・ロナウド選手が身に着けている姿だと思う。しかし、「ロナウド選手って、最初からムキムキじゃん……」と思った人も少なくないのではないだろうか。何を隠そう、私もその1人だ。

 しかし、ここで大きな勘違いが生まれていた。それは、私がロナウド選手はアンバサダー的な役割だと思っていたのだが、それが勘違いだったのだ。

 ロナウド選手は、SIXPADの開発段階から監修として開発に関わっている。SIXPADのトレーニングプログラムの総時間は、ロナウド選手や森谷氏の監修のもと、23分になっている。その中で、ロナウド氏が大きくかかわっているのが、トレーニングの中に“休ませる”工程を取り入れている点だ。

SIXPADのトレーニングプログラムには、途中にクールタイムが入る

 SIXPADの23分間のトレーニングの中には、何ヵ所かクールタイムが設けられている。クールタイムは、ロナウド選手が自身のトレーニングでも取り入れていることで、トレーニングの効果をより発揮させるには、休まずに続けるのではなく適度なクールタイムが必要だということを経験から導き出したのだそうだ。そこで、ロナウド選手は、SIXPADにもクールタイムを入れたほうがいいと提案し、それが採用されているのだ。

 世界最高峰のスポーツ選手であるロナウド選手が、宣伝役だけでなくしっかりと監修・アドバイザーとして入っているというのは、正直しらなかった。製品が完成して使ってみてではなく、開発段階からアドバイスをもらっているというのは、意外としられていないのではないだろうか。

誤解その3、SIXPADは痩せるギアではなく、健康的な身体になるために筋肉を鍛えるギア

 最後に勘違いしていたのが、SIXPADは直接的に痩せるギアではなく、健康的な身体になるために筋肉を鍛えるギアであるという点だ。SIXPADを使って筋肉を発達させることで基礎代謝を向上させ、さらにバランスのいい食事などを心掛けることで、結果的にダイエットに繋がるわけだ。MTGは痩せること自体ではなく、健康的な身体を目指す人たちのためのギアの開発を目的としている。

 私も、昨年炭水化物を抜くという方法で減量に試みたが、結果的にリバウンドしてしまう結果になった。炭水化物を徹底的に抜くのは、ただ水分が抜けているだけで、結果的に健康的なダイエットにはつながっていないとのこと。ただ痩せるのと、健康的な身体になるというのは、まったく別物なのだ。

 しかし、痩せないというのは、EMSの利用だけでは体重がなかなか減らないということであって、見た目の変化には効果的とのこと。これは、EMSが速筋を鍛えられるという特徴があるからだ。

 筋肉には大きく速筋と遅筋に分類され、速筋は発達しやすいため、トレーニングをすれば引き締まった身体の形成につながりやすい反面、息が切れるような高強度の負荷をかけなければ刺激できないという側面もある。EMSをつかったトレーニングは、低い負荷でも積極的にアプローチできるため、見た目の変化が表れやすいというわけだ。減量ではなく、理想の身体に近づけたいという人にとっては、試す価値のある製品ではないだろうか。

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