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Windows 7の延長サポート終了の対応で一安心ではない

Windows Embedded Standard 7の延長サポート終了迫る。対策は万全?

2020年07月03日 09時00分更新

Windows Embeddedはさまざまな組み込み機器で利用されている

 今年の初め、Windows 7の延長サポートが終了(Windows 7 EOL)になるということで、マシンの買い替えを含めた対策が大いに話題にあがっていた。ところが、法人向けで多用されている「Windows Embedded Standard 7(WES7)」については、それほど取り上げられていない。

 WES7は、Windows 7 Professionalを組み込み機器用にカスタマイズして利用できるもので、2010年に発表されたもの。今年は10年目にあたりWindows 7と同様に延長サポートの終了が2020年10月13日に迎える。延長サポート終了後はセキュリティ更新プログラムはもちろん、有償サポートも受けられなくなり、セキュリティーのリスクが非常に高い状態で使うことになる。

 ちなみに、Embeddedライセンスで提供されるOSとしては、「Windows 7 for Embedded System」がWindows 7と同じ2020年1月14日で既に終了しており、「Windows Embedded POSReady 7」や「Windows Thin PC(WTPC)」は1年後の2021年10月12日に終了が決まっている。

マイクロソフト製品のライフサイクルについては、製品名で検索できる。

 こうした特定用途を想定した組み込み用のWindowsは、コンビニのPOS端末をはじめ、自販機や医療機器、工場での制御機器など、パソコンの形態で利用されていないものも数多く存在する。

 また、シンクライアントのマシンに利用されているケースもある。Windows Embedded Standard 7やそれをベースとし、VDIにアクセスするためのクライアントOSであるWindows Thin PCは、専用ノートPCタイプだけでなく、小型のデスクトップPCタイプも存在する。すでに10年近く使っていることになるため、利用している企業は少ないかもしれないが、マシンを入れ替えていないとしたら、早急に対策をする必要が出てくる。

 Windows 7 EOLのときにもお話したが、延長サポート終了したからといってすぐにOSが起動しなくなるわけではない。サポート終了後は、セキュリティーの脆弱性が確認されても、それを修正することがなくなるため、企業で利用するマシンとしてはとても危険な状態になるということだ。情報漏えいにつながることがあれば、企業の信頼性を損なうことにもなる。そうならないためにも、しっかり対策をしておきたい。

 Embeddedブランドは、Windows 10のリリースに合わせて、「Windows 10 IoT」に改名されている。導入には、それまでのEmbedded OSよりハードルが低くなっており、Windows 10が動作する環境であれば、再検証する必要なくアプリケーションが利用できる。このためシンクライアントを採用したい企業にとって注目されているOSとなっている。

シンクライアントで利用するならWindows 10 IoT Enterprise LTSCを

 シンクライアントで利用されるのが「Windows 10 IoT Enterprise LTSC」である。Windows 10では、年2回の機能更新プログラムによってバージョンアップされる。このアップデートの頻度の多さは、そのたびに業務用アプリの動作チェックを行わなければならず、システム管理者を悩ませる要因だ。

 これに対してWindows 10 IoT Enterprise LTSC は、Long-Time Servicing Channelと名付けられているとおり固定化モデルで、セキュリティー更新やバグフィックスによるアップデートはあるものの、年2回の機能更新プログラムは適用する必要がなく、最長10年間サポートを受けられる。同じマシンを複数回に分けて導入しようとしたときに、バージョンの違いも発生しないため企業にとっては扱いやすいOSとなる。

Windows 10はこれまで定期的に機能更新プログラムを実施。しかしLTSCモデルは、購入時のバージョンを維持できる。資料はVAIOのサイトより

 「そんなに企業にとってメリットが大きいなら、すべてのマシンに導入すべきでは」と考えがちだが、このライセンスはあくまで組み込みや特定用途での利用に限定されているため、一般的なWindowsマシンには導入できない。シンクライアントのような組み込み型や特定のアプリしか動作させないなどの制限が必要になってくる。

 また、Windows 10 Proのライセンスも必要で、Windows 10 Proのマシンを購入し、さらにWindows 10 IoT Enterprise LTSCのライセンスを購入・適用が必要となるため、導入時の負担が大きくなる。

「Windows 10 IoT Enterprise」はマイクロソフトのサイトからダウンロードして90日間体験が可能

 ただし、VAIOのようなOEMでWindows 10 IoT Enterprise LTSCを扱っている場合は、Windows 10 IoT Enterprise LTSCを適用した状態で購入できるため、1つのライセンスで済むようになる。

 さらにVAIOでは、キッティングサービスにより、ロックダウン機能などの設定などすべてカスタマイズした状態で納品できるため、システム管理者の手を煩わせることなくスムーズな導入を可能にしている。

 Windows 10 IoT Enterpriseがもたらすメリットはそれだけではない。これまでシンクライアントを導入しようとしても、専用マシンを購入しなければならず、取り扱うメーカーが限られており、無骨なデザインだったり性能をそれほど追求しない低スペックのマシンだったりして、非常に選択肢が限られていた。

 それが、VAIOで法人向けに売られているマシンならどれでも選べるという、マシン選びに縛りがなくなったのだ。最近は、テレワークでの利用も考えなければならないため、マシンのスペックは従来よりも慎重になる必要がある。テレカンの場合は、マシンのスペックもある程度重要になってくるため、VDIが動作すればいいというだけではなくなってきた。

VAIO ProシリーズはWindows 10 IoT Enterprise LTSCを適用し、カスタマイズした状態で納品できる

 VAIO Proシリーズの場合は、低スペックのモデルであってもテレカンで十分利用できる能力があるだけでなく、LTEモジュールの搭載が可能なため、テレワーク時のネットワーク確保もしやすい。「LTE over IP」による通信のセキュリティーを高める技術を活用したリモートアクセスソリューション「VAIO Secure SIM」も用意されているので、よりセキュアな環境を構築できる。

 Windows 7 EOLのときも早めの対応をと訴えてきたが、Windows Embedded Standard 7の拡張サポート終了まで4ヶ月を切っており、まだ対策を打っていない企業はすぐにでも対応すべき案件である。

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