高負荷時の電源回路周りをチェック
CPUの最大パフォーマンスを引き出すGIGABYTEのZ490マザーボードだが、GIGABYTE製品に限らず若干懸念があるのが電源回路周りの温度だ。
ここでは空冷CPUクーラーと比べ、エアフローが限られるオールインワン水冷CPUクーラーを採用しているだけに、気になるところなので「Adobe Premiere Pro」で編集した4K動画を書き出した際の温度を各マザーボードでチェックしてみた。
温度は「System Information Viewer」のハードウェアモニター機能で「VRM MOS」の最大値をチェックしたほか、サーモグラフィーの「FLIR ONE Pro」を使ってCPUソケット周りを撮影。CPUソケット上部と、ウォーターブロックに隠れるI/Oポート側の2ヵ所の温度を撮影したサーマル画像に表示している。
ハイエンドゲーマー向けの「Z490 AORUS PRO AX」と、「Z490I AORUS ULTRA」は、エアフローが限られるオールインワン水冷CPUクーラー使用時も高い冷却性能を発揮しており、モニタリングでの「VRM MOS」値も最大で「Z490 AORUS PRO AX」73度、「Z490I AORUS ULTRA」66度と、サーモグラフィーの温度と大きく違っていなかった。環境で異なってくるが、「Core i9-10900K」+オールインワン水冷CPUクーラーの環境で問題なく組める。
ひと際、電源回路周りの温度が低かった「Z490I AORUS ULTRA」だが、メモリーとの干渉を避けるためにウォーターブロックへのチューブがI/Oポート側になっている。そのため、ラジエーターファンの風が通りやすくなっているのも影響したと思われる。
CPUソケット上部で72度、I/Oポート側で90度台になった「Z490M GAMING X」は、動画エンコード中の「VRM MOS」も93度に達していた。残念ながら10コア/20スレッドの「Core i9 10900K」で最大パフォーマンスを発揮させる際は、電源回路周りへのエアフローをしっかり確保したほうが良いだろう。
とは言え、この温度でも問題なくオールコア4.9GHzで、動画エンコードは完了しており、エンコードに要した時間もほかと変わりはなかった。
次世代も小型ハイスペックもおまかせの
GIGABYET Z490マザー3選
20スレッドCPU「Core i9-10900K」の性能をしっかり引き出しつつ、次世代CPUに備えたPCIe Gen4.0 M.2スロットを装備する「Z490 AORUS PRO AX」と、「Z490M GAMING X」。
そして、流行のハイエンドコンパクトPC自作にも最適な「Z490I AORUS ULTRA」は、電源回路周りとM.2 SSDをしっかり冷却できる機構と、限られたスーペースながらファンコネクターとUSBポートを豊富に備える独自の仕組みが特徴だ。
いずれも魅力満載で、第10世代Coreプロセッサーと組み合わせるマザーボードとしておすすめできることは間違いない。
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