週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

前モデル「T5」と比べて速度は最大1.8倍で初出価格は半額以下!

1TBで約2.5万円!最大転送速度1GB/s超の外付けSSD「T7」をレビュー

2020年06月18日 11時00分更新

CrystalDiskMarkでは前モデル「T5」の約1.8倍高速!

 ここからは実際にPCにつないだ時の速度を検証する。検証PCは筆者宅のプライベートマシンで、USB 3.2 Gen 2ポートを備える。内蔵ストレージは外付けSSDとの通信でボトルネックにならない、公称値でシーケンシャルリードが3230MB/s、シーケンシャルライトが1625MB/sの「SSD 760p」(1TBモデル)を使用している。

検証PCの主なスペック
CPU Intel「Xeon W-3175X」(28C/56T、3.1~3.8GHz)
マザーボード ASUS「ROG Dominus Extreme」(Intel C621)
メモリー G.Skill「Trident Z Royal F4-3200C16Q-64GTRS」(DDR4-3200、16GB×4)、「Trident Z Royal F4-3200C16D-32GTRS」(DDR4-3200、16GB×2)×4
ビデオカード ASUS「ROG-STRIX-GTX1080TI-O11G-GAMING 」(GeForce GTX 1080 Ti)
ストレージ Intel「SSD 760p SSDPEKKW010T8X1」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX III GOLD ARGB 850W」(80 PLUS GOLD、850W)×2
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(November 2019 Update)

 それではまずはストレージの定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 7.0.0」の結果からご覧いただこう。なお、今回は比較対象として、T5の1TBモデルも用意したので、T7との速度差に注目してほしい。

T7の結果

T5の結果

 T7は公称値にほど近い転送速度が出ており、Q8T1のシーケンシャルテストにおいてはT5と約1.7~1.8倍ほどの差がついている。初出価格で半額を大きく下回っているにも関わらず、速度は2倍近く速くなっていると考えると、T7のコストパフォーマンスは抜群と言える。そして、この転送速度の大幅な進化はやはり内部インタフェースの違いが最大の理由になるだろう。ストレージの詳細情報を確認できる「CrystalDiskInfo 8.5.2」で見てみよう。

T7の情報

T5の情報

 T7のインターフェースが「UASP(NVM Express)」であるのに対して、T5は「UASP(Serial ATA)」になっているのが確認できる。Serial ATA、つまりSATAは現状規格の最大転送速度が6Gbpsなので、実効値はどう頑張っても500MB/s台となるが、NVM Expressではそれをはるかに超える速度を実現できる。この内部インタフェースの差が2倍近い差を生み出した最大の理由だ。

 次はファイルコピーにかかる時間で比較してみよう。ファイルは合計10GBぶんのJPEG写真を収めたフォルダーと、合計9GBぶんのMP4動画を収めたフォルダーを用意した。これらをPC内蔵ストレージから各外付けSSDにコピーする時間をストップウォッチで3回計測し、その平均時間を掲載する。

写真(10GBぶん)をコピーした時間

 写真(10GBぶん)のコピーでは、T7は28.2秒、T5は37.6秒と10秒近い差になった。単純に速度に換算すると、T7は約354.6MB/s、T5は約265.9MB/sとなる。ファイルコピーにおける実行速度の差は概ね88.7MB/sになった。

動画(9GBぶん)をコピーした時間

 続いて、動画(9GBぶん)のコピーでは、T7は20.8秒、T5は29.9秒とやはり10秒近くの差がついた。こちらも速度に換算してみると、T7は約432.6MB/s、T5は約301MB/sになり、実行速度の差は131.6MB/sと写真(10GBぶん)をコピーした時よりも開いた。では、写真(10GBぶん)と動画(9GBぶん)の一括コピーならどうだろう?

写真(10GBぶん)+動画(9GBぶん)をコピーした時間

 T7は48.5秒、T5は67.2秒。速度換算するとT7は約391.7MB/s、T5は約282.7MB/sで実行速度の差は109MB/sと、前2テストを踏まえると妥当な値で落ち着いた。当然、この約100MB/sの差はファイルの容量が大きくなればなるほど差が開くだろう。単純計算すると、1GBなら10秒の差、100GBなら1000秒(=16分40秒)にもなる。ゲームファイルや4Kなどの高解像度動画の台頭でファイル容量の肥大化は留まることを知らない昨今。ノートPCなど内蔵ストレージの換装が面倒になりがちなデバイスにおいて少しでも作業を効率化したいなら、T7を導入すべきだろう。

まとめ:速度も価格も文句なしのコスパ優良モデル!

 検証結果が示す通り、T7は内部インターフェースのNVM Express化で前モデルであるT5よりもはるかに高速になっている。加えて、SSDの低価格化も時代と共に進み、1TBの外付けモデルでも2万5500円前後で購入できるのは大変ありがたい。USB 3.2 Gen 2に対応するノートPCも増えてきたが、PCの購入代金を少しでも安くするために内蔵ストレージ容量を節約する人も多いだろう。本機はそんな背景にベストマッチする製品と言える。

 低容量で共有頻度の高いファイルはクラウドサービスの無料ぶんで済ませたいところだが、動画などの巨大なファイルを多数管理するためには月額料金を払ってクラウド容量を拡張しなければならない。長期的に見れば、大きな出費となるだろう。また、その性質上、クラウドには置いておけないファイルも多々あるだろう。そんな行き場のない大容量ファイルで悩んでいる方には、ひと昔前よりもはるかに高速かつ安価になった外付けSSD、T7をオススメしたい。

■Amazon.co.jpで購入
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう