第46回
硬派な謎解きと美麗なグラフィック、考察し甲斐のあるストーリーが魅力
MYSTの後継作でアハ体験! 「OBDUCTION」は謎解きの面白さと達成感が同時に味わえるADVゲーム
ゲームでアハ体験!
謎解きの面白さと達成感が同時に味わえる
主人公は湖畔で激しい光に見舞われ、未知なる世界へと誘われる。主人公と同じ理由でこの世界に迷い込んだ人間もいるようだが、家屋を探索しても人っ子1人いない…。「なぜ?」と思った瞬間、謎が謎を呼ぶミステリーの虜になるだろう。いざ謎解きの世界へ……。
繰り返すが、OBDUCTIONはMYSTの精神をしっかり受け継いだ作品だ。本作が提示する謎は、一筋縄ではいかないほどの難度である。複雑なギミックを採用したパズルや、数学の要素を取り入れた暗号解読など、単純な発想では解けない謎が多数用意されている。さすがはMYSTの後継作というべきか。脳が思わず悲鳴を上げるほどの難しさに、何度も何度も苦戦を強いられたものだ。
しかし、ある程度慣れてくると、音を上げてしまうほどの理不尽さはあまり感じなくなった。いかなる問題にも必ず答えがあり、ふとした閃きによって解けるようになっているからだ。
まず、エリア内には有益なヒントが隠されている。ヒントを見つけさえすれば答えに一歩近づいたといっていい。さらに、公式の攻略ガイドはもちろんのこと、日本語版限定のわかりやすいヒントもあるので、序盤でつまずく心配はないだろう。
確かに本作の謎は簡単とはいい難いが、見つけたヒントをもとに思考し、ひたすらトライ&エラーを繰り返すことで、閃きが生じるはずだ。
法則および答えがわかった瞬間、理不尽という思い込みはきれいに払しょくされ、「わかったぞ!」というプラスの感情が芽生えてくる。刺激的な快感が得られると同時に、かけがえのない達成感も味わえる。いうなれば「アハ体験」だ。本作は脳を鍛えるのに最適なゲームかもしれないと思うに至った。
OBDUCTIONをプレイした際に、謎解きの醍醐味を改めて思い知ることになった。謎を解き明かすたびに喜びの感情が芽生え、次第に普段プレイするFPSやTPSとは異なる面白さを享受するに至った。捻りが必要な謎を考察し、自身の力で解き明かす。ここまで面白いものだったとは思いもよらなかった……。
知的好奇心を刺激し、謎を解き明かした達成感をゲーム内で体験できるのが一番の魅力といえよう。
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