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時は大在宅時代:

在宅中おやつにプリン作ったらうますぎて泣いた

2020年05月14日 13時00分更新

 アスキー家事育児担当の盛田諒です。このごろ毎日狂ったようにプリンばっかり作ってます。うちのレシピは卵1個、砂糖大さじ1、牛乳150mlを混ぜ、とろ火で蒸して冷やすだけ。3歳児も料理工程のほとんどが担当できるシンプルおやつです。もとは在宅中に時間があるからと子どもと遊びながら作ってみたものですが、シンプルなだけに凝りようがあり、以来プリン沼にハマりこんでいっています。

 逆に言えば市販のプリンは3歳児でも作れるモノを売ってるわけだからすごいもんです。もちろん原料や製法に大きな差が出るわけですが、実家が和菓子屋というY編集者いわく、「商売柄、産みたて卵が来るので、牛乳と砂糖入れて、蒸して冷蔵庫入れとくだけで『うまいうまい』って買って行ってくれるので『超楽だわー、プライド関係なければ』と父親もよく言っておりました」とのこと。

●涙が出るほどうまいプリン

 しかしシンプルなだけに、卵と牛乳の鮮度はストレートに味にあらわれます。初めに生協の卵と牛乳で作ったときは甘い茶わん蒸しのようになって家族全員が固まりました。ツイッターのフォロワーさんが教えてくれたことには「白いものは洗えない」という料理用語があり、卵(殻)、牛乳、砂糖、塩などは鮮度と質が調理方法をはるかに上回るのだといいます。プリンは白いものの極地ですね。

 ならばと卵をブランド卵のヨード卵・光に変え、ホットクックで80℃・45分間の低温調理にかけたところ高級プリンの味になりました。つづいて牛乳を小岩井牛乳にしたところ今度は卵の風味が薄くなりました。なるほどと思い近所の養鶏場と牧場で卵と牛乳を仕入れてプリンにしたところ、なめらかで濃厚な味わいになりました。低温殺菌の成分無調整牛乳だからか、コクがあるのに口どけさっぱり。一口食べたとき「うんまあ…」と涙さえ出ました。安上がりな涙です。養鶏場と牧場が横須賀と葉山の中間くらいにあるので「南葉山プリン」と呼ぶことにしました。

 たかがプリン、されどプリン。作るといろんなことがわかって面白いものです。養鶏場では、鶏がまだ若いときに生んだ小さくても味の濃い卵を初卵(ういらん)ということを初めて知りました。サイズの関係で市場に出づらいんだそうですね。

 話は変わりますが、近所の農園で自家製ラー油にしょうがやローズマリーを入れていると聞いたときも「そんなに自由でいいのか」と衝撃を受けました。ただスーパーで買った食材をネットのレシピにしたがい作業のように消費しているだけでは気づけなかった生の知識や自由がそこにはありました。食いものを作ることは市場原理に固められてカチカチになった頭をほぐすいい方法かもしれません。

●大在宅時代のカスタード・プディング

 元来プリンの源であるプディング自体「包んで火通せばなんでも食える」という大らかさのある料理です。古くは豚の血の腸詰めですが、大航海時代には余りものの肉や野菜の切れっぱしを食べるための船乗り料理がプディングと呼ばれました。せっかくの糧をムダにしないための工夫とも言えます。本来料理というのはそういうもんだと思えば日々の家事も気が楽になりますね。この国の市場にはそれなりにまともな食材が流通しているわけで、消化できればなんでもいいわけです。

 延々と続く自粛生活。あれはダメ、これもダメと言われてフラストレーションがたまる中、「こんなことができるんだ」という自作の驚きは気持ちを解放してくれるところもあります。もともとパソコンを自作したり、DIYをしている人には言わずもがなのことなのかもしれないですね。時は大在宅時代。いらだちを誰かにぶつける代わりに、自家製カスタード・プディングを冷蔵庫で冷やしてみてはどうでしょう。ただし食べすぎによる「在宅太り」には十分ご注意を。

 

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