米アップルは30日、会計年2020年第2四半期(2020年1~3月期)の決算を発表した。iPhoneの売上こそ減少したものの、サービス事業、Apple Watchなどのウェアラブルが牽引して、売上高は前年同期比1%増の583億ドル(約6兆2000億円)となった。
中国での生産や需要の問題により、iPhoneは苦戦
しかしコンテンツやApple Watchは大きな伸び
アップルによると、2020年1~3月の売上は前年同期から1%増の583億1300万ドル、純利益は3%減少し112億4900万ドル(約1兆2000億円)となった。1株当たりの利益は2.55ドル、前年同期から4%増加した。
このなかなかに好調な売上を牽引したのはサービス事業である。多くの国での外出禁止令が出て、自宅で過ごすことが増えたことが影響してか、Apple MusicやApple TVなど、このところ強化してきたストリーミングサービスが好調だった。これらを含むサービス事業は、前年同期の16.6%増の133億4800万ドル(約1兆4200億円)と過去最高を記録した。App StoreやApple Arcade、Apple News Plusなどもユーザー数が増えていると報告しており、2020年中に2016年(会計年度)の倍にするという目標に向けて順調に推移しているとした。
同社のCEO、ティム・クック氏は、新型コロナの感染が全世界にインパクトを与えていることを認めながらも、「厳しい状況にあって、我々のユーザーはアップル製品を使って新しい方法でやりとりを維持したり、情報を得たり、創造力を使ったり、生産性を高めている」とコメントしている。
一方で、中国の工場での生産活動が影響を受けたこともあり、iPhoneの販売は伸び悩んだ。同社にとって重要な市場である中国では需要自体も落ち込み、iPhoneの全世界での売り上げは前年同期と比べて7.2%減少し、289億6200万ドル(約3兆1000億円)となった。Mac、iPadも前年同期比でマイナスとなったが、Apple Watch、AirPodsなどのウェアラブル・ホーム・アクセサリ事業は前年同期から22.5%増加し、62億8400万ドルとなった。
なお、先に発表した最新の「iPhone SE」については、コンシューマーが低価格帯を求めているというより、「最新の技術を利用できる小さなフォームファクタのスマートフォンが欲しいと思っている人、あるいはAndroidから乗り換えたいと思っている人」に訴求しているようだと述べた。
地域別に見ると、アメリカや日本は微減、中国が減少した一方で、欧州は増加した。
なお、アップルは新型コロナ感染対策としてApple Storeの店舗を閉鎖しているが、クック氏は決算発表では再開について具体的な目処を示していない。だが、Bloombergのインタビューに対し(https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-04-30/apple-ceo-austria-australia-stores-to-reopen-in-1-to-2-weeks)、オーストラリアとオーストリアで1~2週間後に再開すると答えている。
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