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価格は高いが、高コスパ!

iPad Pro用「Magic Keyboard」レビュー 次元の異なる操作感覚への扉が開かれた

2020年04月20日 22時17分更新

 今年3月に発表され、すでに発売中の新型iPad Proには、本体そのものには含まれない、あるい意味隠れた、しかし重要な特長がある。それは、新しいMagic Keyboardに対応したこと。昨年発売されたMacBook Pro以降の新しいMacBookに搭載さたキーボードと同名だが、iPad用は外付けで使える単独の製品だ。今回は短期間ではあるが、新しいiPad Proの12.9インチモデルとともに試用する機会を得たので、細かくレビューしてみよう。

重いのだけが玉にキズだが唯一無二の操作感覚を実現

 結論から先に言ってしまおう。iPad Proをノートパソコンとしても活用したい人にとって、これは間違いなく買いだ。というよりも必須アイテムと言っても、まったく過言ではない。今のところ、これでしか実現できない機能、操作感覚が間違いなくあるからだ。

 もちろん、アプリやOS画面の操作性の面では、新しいiPadOS 13.4によってマウスやトラックパッドに対応したことが大きい。しかし、iPadの保護カバーやフレキシブルなスタンド、1mmのストロークを実現したシザー式のキーボード、タップでクリックにも設定可能なトラックパッドがすべて一体となり、ソフトウェア的にもiPad Proと完全に調和した動作が可能な包括的な操作感覚は、ほかの何ものにも代えがたい。

 使えるアプリの種類を別にすれば、MacBookシリーズなどのノートパソコンよりも使いやすく感じられる部分もある。中でも画面の縦横比は、12.9インチモデルの場合、2732:2048であり、約16:12に相当する。これは、フルHDの16:9は言うに及ばず、MacBook ProやAirの16:10よりもずっと正方形に近い。最近のノートパソコンでは、このような縦横比の機種は皆無に等しい。もちろん、元々のiPadの使い心地の根源には、この縦横比もあるのだが、横向きにしてノートパソコンとして使ったときも、これくらいの縦横比が、なかなか快適なことに気づかされる。その点でも、Magic Keyboardでノートパソコン化したiPad Proは、かなり良い意味でユニークな存在と言える。

 ほとんど唯一と思われる欠点も、最初に指摘しておこう。それはズバリ重量だ。アップルの仕様には重量は記されていないので、実物を家庭用の秤で計測したところ12.9インチ用は696gあった。これだけでは、それほど重いという気もしないかもしれないが、12.9インチのiPad ProのCellularモデルが仕様上は643g、同様の実測で640gだった。つまりiPad Pro本体よりも重いのだ。実測の合計は1336gとなり、ほぼ同サイズのノートパソコン並と言える。ちなみに13インチのMacBook Airは1290gだから、それより若干重い。

 もちろん、この重さはテーブルの上に置いて使うときの安定感にもつながるので、一概に悪いことばかりとも言えない。それでも、これをカバンに入れて持ち運ぼうとした場合には、やはりかなりずっしりとした重量感を覚えずにはいられないのは確かだ。持ち運ぶ際には、Magic Keyboardを外して、iPad Pro単体にしたくなるほどだ。ちなみに、同時に発売された新しいSmart Keyboard Folioは、12.9インチモデル用で、実測416gだった。これもそれほど軽いとは言えないので、少なくとも外出時の着せ替え用としては適していない。

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