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MacBook Air 2020版のベンチマーク比較テスト

新MacBook Airは買い!? 性能をデュアルコア、クアッドコア、MacBook Proとも比較

2020年04月14日 09時00分更新

MacBook Proとも比較したベンチ結果

 今回のベンチマークテストでは、新しいAirの標準2モデル、つまり「1.1GHzデュアルコアCore i3プロセッサ」と、「1.1GHzクアッドコアCore i5プロセッサ」の両モデルを同じ条件で比較することができた。これらについては、念のために、ソフトウェアアップデート前の10.15.3の状態と、アップデート後の10.15.4の状態でも比較している。

 さらに参考までに、昨年登場したMacBook Pro 16インチモデルの結果とも比較することにした。

 まずGeekbench 5.0だが、これには大別すると2種類のテストがある。ひとつはCPU性能、もうひとつはGPUをグラフィック描画ではなく、計算に使う場合のComputeだ。前者では、シングルコアだけを使った場合と、マルチコアをすべて使った場合の2種類の結果が得られる。後者にはAPIとして業界標準のOpenCLと、アップル独自のMetalを使った場合の2種類がある。

 なお、GPUを使ったテストではMacBook Proの場合のみ、CPUに内蔵のIntel UHD Graphics 630と、独立したAMD Radeon Pro 5500Mの両方の性能を別々に評価している。MacBook Airは、GPUとしてCPU内蔵のIntel Iris Plusのみしか装備していないので、当然ながら評価はそれだけだ。

 Geekbenchの結果を見てまず気付くのは、Airのデュアルコアモデルのマルチコア性能が意外に高いということ。10.15.4で見ると、シングルコアが1096なのに対して、デュアルコアでは2255と、2倍以上の性能となっている。これは、シングルコアでは大きかったオーバーヘッドが、デュアルコアでは解消されて、効率よく動作していることを示している。

 それに対して、クアッドコアモデルでは、マルチコア性能は期待したほどではない。10.15.4の場合、シングルコア時の1147に対して、クアッドコア時は2769と、コア数は4倍でも性能は約2.4倍止まりとなっている。これは、MacBook Proの8コアが、シングルコアの約5.9倍の性能を発揮しているのと比べても、やや残念な数字だ。

 一方、Compute性能を見るとmacOSのアップデートによって、Metalの性能が向上していることが、はっきりと見て取れる。デュアルコアモデルもクアッドコアモデルも、10.15.3の状態ではMetalの性能がOpenCLに劣るのに対して、10.15.4ではいずれもMetalがOpenCLを大きく上回るようになった。この点に関して、アップデートの効果は絶大だ。

 またComputeで、もうひとつ面白いのは、CPU内蔵のIntel製GPUの性能が、どちらのAirも、MacBook ProのCPU内蔵のIntel製GPUを大きく上回っていること。これはIntelの第9世代(Pro)と第10世代(Air)の違いということになるが、AirのGPU性能もバカにできないと言えるだろう。とはいえ、ProのAMD製の独立GPUの性能には遠く及ばないので、過大な期待は禁物だ。

 CineBenchの結果は、Airのクアッドコアモデルが、デュアルコアモデルの約1.37倍という性能であることを示している。2コアが4コアになったからといって、さすがに2倍の性能は期待できないが、このあたりが現状では現実的な数字と思われる。

 Disk Speed Testは、結果のバラツキが大きいので、あまり参考にならないが、SSDの性能が、CPU性能に大きく依存していることは、はっきりと読み取れる。ただし、CPU性能に比例するわけではなく、SSDの性能に応じて頭打ちになるこのはやむを得ない。

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