第288回
新たにフルHDをサポートして、品質は3段階で選べるように!
DLSS 2.0をレビュー、GeForce RTXの価値を爆上げするWQHD&4K時代の救世主
2020年03月23日 22時00分更新
DLSS 2.0実装ゲームで見え方をチェック!
では、実際のゲームにおけるDLSS 2.0の実装を少しチェックしてみよう。「Wolfenstein: Youngblood」はDLSSどころかVRSやレイトレーシングまで実装し、さながらNVIDAの技術展示会的な存在感すらあるゲームだ。このゲームでは前述の通り、DLSSは3段階に設定できる。以下の画像は最高画質設定(ゲーム内では「マイン・レーベン!」)にしつつ、DLSSの設定を変化させた場合の画質比較だ。DLSSオフ時のレンダースケールはドット等倍設定にしている。
この例でDLSSの影響を強く受けているのはディスプレーに表示される文字の輪郭である。DLSSの設定をクオリティー→バランス→パフォーマンスと下げるほどにボケ感が強くなってくる点に注目してほしい。DLSS 2.0における各設定がどのような実装になっているかは不明だが、この図からはDLSSの設定を下げると内部的なレンダースケールが下がることが予想できる。
だが、背景にある機材に描かれた文字やディテールはパフォーマンス設定にしても遜色がない程度にハッキリしているので、このシーンのような「黒バックに白文字」といったコントラストが極端に強くて小さいものの描写にはまだ学習が追い付いていない(もしくはされていない)ことが推測される。
もうひとつ注目すべき点がある。クオリティ設定にすると背景にある機材のディテールが向上している点だ。ディテール描写を省くことでフレームレートを稼ぐのではなく、ディテールもフレームレートも両方とるのがDLSSの優れたポイントなのだ。
ではほかのゲームではどうだろう。「Control」での例を紹介しよう。ControlもゲームのアップデートによりDLSS 2.0対応版となる。Wolfenstein: Youngbloodとの違いは、DLSSの設定が「クオリティ」などのワードではなく、内部的なレンダリング解像度で指定する。
つまり、内部的には低い解像度でレンダリングしても、AIの力で物理解像度と遜色ない映像を出す、というDLSSの仕組みがよくわかる設定だ。それと同時に、Wolfenstein: YoungbloodでDLSSを有効にするとレンダースケールをいじれなくなる理由にも納得がいく。
Controlでは解像度が低いと金網のような細い線で構成された描写が省略されやすい絵作りをしている。4K&DLSSなしではそれなりにしっかり描写されているが、DLSSを有効にすることで金網のディテールがより丁寧な印象になった。とは言え、DLSSの設定(レンダリング解像度)を下げると金網のディテールも徐々に喪失する。
DLSSの最も軽い設定、すなわちパフォーマンス相当の50%解像度設定と、DLSSなしでレンダリング50%解像度設定を比較すると、DLSSなしのほうが圧倒的に細部の描写が汚い。フレームレートを稼ぐためにレンダリング解像度を下げるというのはひとつのテクニックだが、そのせいで失ってしまう画質をDLSSで補完しているということなのだろう。
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