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聴覚AIがオーディオを変える、3D処理でスゴい音が聞ける「KISSonix HDS4」

2020年03月18日 17時30分更新

ボケが美しい人物写真に似た表現

 KISSonix HDS4のサウンドを端的に表現するならば、「音の主体が明確になる音」と言えるかもしれない。

 写真を撮る際には、構図をなるべくシンプルに整理し、主題が明確にした方がいいとよく言われる。また、人物の撮影などでは、被写体と背景のボケの対比も重要だ。被写界深度の狭いレンズを選び、印象的な瞳にきっちりとピントを合わせる一方で、背景はあえて曖昧にぼかし、背景との対比を作る。こうしたほうが、フレーム全体にピントが合っている写真よりも、テーマがハッキリし、空間の奥行きを感じさせる画になる。

 キスソニックスの3Dエンコーダーを通した音は、そんな写真の表現に似ている。直接音と間接音の対比が明確になり、チェロの直接音が空間の上で際立つさまは、背景のボケと被写体である人物の関係性そのものだ。

 この3Dサウンドの特徴として、音がしっかりと中央に定位するとともに、リスナーを中心に包み込むように広い音場感が得られる点が挙げられる。空間に対して、どのように音を割り振っていくかのアルゴリズムのできが悪いと、周囲に極端な逆相成分ができるなどして不快なサウンドになるという。その実現のために、伊藤氏は細かな調整と試行錯誤を加えたようだ。

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