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Ridgelinez 今井新社長のことば:

DXという言葉は曖昧だ、しかしこれを実現しないと幸せは訪れない

2020年03月12日 09時00分更新

今回のことば

 「Ridgelinezを一流のプロフェッショナルファームにしたい。自らが卓越したスキルを持ち、顧客がやりたいことをしっかり理解し、高い倫理観を持って、顧客をサポートしていく企業を目指す」

(Ridgelinezの今井俊哉新社長)

話題に上ることが増えた、DXを推進していく会社

 富士通傘下で、デジタルトランスフォーメーション(DX)ビジネスの専門会社Ridgelinezが、2020年4月1日から事業をスタートする。

 Ridgelinezの社長に就任する今井俊哉氏は、「Ridgelinezを一流のプロフェッショナルファームにしたい。自らが卓越したスキルを持ち、顧客がやりたいことをしっかり理解し、高い倫理観を持って、顧客をサポートしていく企業を目指す」と語る。

Ridgelinez 代表取締役社長の今井俊哉氏

 資本金は1億円。富士通の100%出資子会社だが、「富士通の一部門ではなく、自立した企業として、競争力のある企業を目指す」(富士通の時田隆仁社長)とする。

 今後2~3年後で、200億円前後の売上高を目指すが、Ridgelinezでは、コンサルティングとプロトタイピングを担うことになり、それ以外の領域は、富士通をはじめとするパートナーが担当。波及効果として、1500億円前後のインパクトを見込んでいる。

今井 「初年度は日本を中心に活動する。ターゲットとなるのは、グローバルで事業を行っている日本の企業。タレントをいかに速く集め、いかに効果的に運営していくのかが肝になる。新たな仕組みや制度のもとで柔軟性、機動性を持たせることにより、DXビジネスを加速させたい」

 当初は、300人体制でスタートし、富士通および富士通総研からの出向者が9割を占める。3年後には600人規模に拡大させる計画だ。

 優秀な人材を確保し、パフォーマンスを発揮できるようにするため、高度人材処遇制度による「プロフェッショナルとしての市場価値にふさわしい報酬体系」、上司以外の評価も取り入れる「360度評価をはじめとした透明性の高い評価制度」、新卒や既卒を問わない通年採用、フリーランス制度の導入などによる「共創を推進するオフィスや柔軟に働ける制度などの環境整備」の3つの人事施策を打ち出す。

今井 「コンペティブ(競合に対して有利な)な報酬体系とすることに加えて、リモートワークやフリーランスの活用などを含めたワークプレイスの環境整備に取り組む。そして、評価においては上司以外によるサードパーティー評価を取り入れることで、自分たちの部下を踏み台にして偉くなる上司が存在しなくなる。若い人たちは勉強する意識も高い。いい人たちをひきつけ、会社に残っていたい思う会社にしたい」

 こうした人事制度の導入もこれまでの富士通にはないものだ。そして、これまでの富士通のやり方も取り入れる考えも固定する。富士通の時田社長は「富士通とは異なる新たなカルチャーのもと、独自の仕組みや社内制度を整備して、柔軟性、機動性に長けた活動を行う会社になる」と位置づける。

今井 「富士通はサプライサイドに立っている会社。だが、Ridgelinezは、顧客側であるデマンドサイドに立っている会社であり、顧客の成功のためにベストなソリューションを提供する会社でありたい。また、トランスフォーメーションジャーニーという大きな流れのなかで、富士通などのICT企業が担ってきたのは、アーキテクチャーを作るところであったり、デザインするところ、システム構築の部分および運用の領域でしかなかった。RidgelinezはDXの会社として、トランスフォーメーションジャーニーのすべてにタッチすることになる。そのためには、戦略立案能力や業務プロセスの立案能力も必要であり、プロトタイピングのための技術力も必要。エコシステムを作るための構想力や交渉力も必要になる。正直なところ、4月1日の事業スタート時点で、このすべてを持つということはできない。だが、顧客によって求めるものが違うため、その場面ごとに、いろいろな人たちと手を携えて進めることで、体制を整えていきたい」

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