NEDOシンポジウム「AI&ROBOT NEXT」レポート
AI×ロボットが茶道の先生に? AI&ROBOT NEXTレポ
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2020年1月16日と17日に、新宿「LUMINE 0(ルミネ ゼロ)」にてシンポジウム「AI&ROBOT NEXT」を開催した。
NEDOの各研究委託先による人工知能とロボットについての研究発表が展示されたほか、各種デモや説明員による解説が実施された。
ロボット活用どこまで広がっている?
本稿では、ロボット展示エリアの模様をレポート。入り口付近に展示されていたのは、カワダロボティクスの研究用ロボットプラットフォーム「NEXTAGE OPEN」を活用したタオルを巻くロボット。
NEXTAGE OPENにもともと内蔵されているカメラセンサーの内、片方を活用。画像認識システムとロボットハンドを組み合わせることでタオルを自動で巻くことができる。
単にタオルを巻くだけでなく、タオルの位置や、「めくれ」の状態を認識。巻き取る際に問題になる「ずれ」は自動的に修正し、常に均一の精度で巻くことができる。
人の知能はどこまで再現できるか
国立大学法人九州工業大学、公立大学法人公立はこだて未来大学の研究成果として展示されたのは「時間領域アナログ方式による海馬・扁桃体・前頭前野の物理モデル化」に関するデモ。
これは、個人の経験・記憶をサポートして、個人の判断を補助する脳型人工知能の物理モデルを作ろうという試みだ。より人の「考え方」に近いAIが開発できれば、人に寄り添い、一人一人の経験・記憶・判断をサポートすることが可能になるという。
パートナー型の携帯端末や、ライフケア・サポートシステム、家庭用のサービスロボット、自動運転車といった分野への応用を目指す。
きめ細かな動作でお茶を立てるロボ
産業技術総合研究所、中京大学、中部大学の連盟で展示された「お茶会ロボットシステム」は、きめ細かな動作で抹茶を立てる様子が印象的。
このロボットは、茶道に使う道具の種類や機能を認識し、次に何をどう扱えばいいかを自律的に判断し、タスクを生成する。
また、対象物の形状や向きを自動で認識し、「どう取り扱うのが最適か」を自動で判断する。たとえば、抹茶をすくうための「さじ」の柄が長いか短いか、裏か表かによって、どのくらいまで容器に差し込むのが適当か、どちら向きにすくえばいいかといった部分だ。
この仕組みをコアに動くロボットの様子には、どこか人間らしさも感じられた。「複雑で人に教えるのが難しい分野のティーチングロボットとしての活用も考えられる」(担当者)。
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