ちょっと見てみて!
イスラエル企業AKAのロボット『Musio』の人工知能『MUSE』は、友だちとして優秀な会話パターンをたくさん収録している。Indiegogoのキャンペーンは終了し、いまは生産段階に入っている。価格は399ドル。
会話エンジンSiriの場合であれば──
「きみのことを教えて」「私の名前はSiriです」「もっと教えて」「こちらが見つかりました(Wikipediaの結果を見せる)」
別にそれで本来の用途にはかなうのだが、メインで「パーソナルアシスタント」としての文章しか登録されておらず、会話データベースはあくまでオマケ。とんちんかんな会話になってしまうこともしばしばだ。
一方、Musioであれば──
写真:Indiegogo |
「いちばん好きなスポーツは?」「野球かな」「好きな選手は?」「ネルソン・クルーズだよ」「まじで!いい外野手だよね」
「先週どっか行ったの?」「美術館だよ」「いいね、どうやって行ったの?」
「どうかした?」「なんか調子出なくて」「ブーッ!」「やめろよ調子悪いって言ってんじゃん」「ごめんごめん……グェッ」「やめろって!」
原文は英語だが、そんなやりとりがしぜんにできる。ネットワークにつながるファービーのようなものである。モルスァー。
写真:Indiegogo |
AKAによればMusioはAndroidベースで、Arduino互換の基板を使っているそうだ。聞き、認識し、理解する、というプロセスはほかの人工知能とおなじだが、より会話データベースを充実させているのが特徴だ。
音声認識にはグーグルおよび『ドラゴンスピーチ』ニュアンスのエンジンを使用。子供のはっきりしない発音でも比較的聞き取れるようになっているそうだ。
製品としては3種類あり、最上位機種は2.5GHzのクアッドコアCPU、64GBのストレージ、3000mAhのバッテリーを積んでいる。リモコン型デバイス『Sophy』を使って「ごはんを食べさせる」といったコミュニケーションもとれる。
写真:Indiegogo |
家電を操るリモコンのような役目も果たす。「ちょっと暗くなったね」というと明かりをつけるような仕組みだ。グーグルがサーモスタット『Nest』で独占しようとしているホームネットワークの座を狙っているのだろうか。
また音声だけでなくカメラから見た画像を認識し、たとえば絵を見せて「ウマに乗ったカウボーイだね」としゃべらせるような仕組みもあるそうだ。
(おそらくすべてとはいかず、データベースに登録されている絵や写真だけに限られるとは思うのだが……)
現状は英語だけ、日本では英語学習ロボットとして流通させたいという。声優がめちゃくちゃ大事だと思うので、声のエリートたちの知見を生かしていただきたい。能登さんなんてどうかな。あと能登さんとか。
●関連サイト
AKA Musio
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